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約5000年前の女性の遺体からペスト菌発見 ペストの起源はより古く?
●これまでの学説を覆すスウェーデンでの発見
フランスのエクス=マルセイユ大学の研究によると、スウェーデン西部の埋葬地から発掘された5000年前の若い女性の遺体から、ペスト菌(エルシニア・ペスティス)が発見された。人類の歴史の中で最も伝染性が高い疫病といわれるペストの起源は、この発見によりこれまでの学説よりもかなりさかのぼることになる。
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●ペストの起源は、青銅器時代から新石器時代へ移動?
これまでの研究では、ペストは青銅器時代に起源をもつ死病と考えられてきた。しかし、スウェーデンで見つかった若い女性の遺体にペスト菌が発見されたため、ペストの起源は新石器時代までさかのぼる可能性が高くなる。
新石器時代の後期に、ユーラシア・ステップからヨーロッパに移住してきた人々とその文明は、ペストの流行によって滅んだと主張する学者も出てきた。
●新石器時代後期の150年の空白の理由
5000年から6000年前、ユーラシア大陸西部のコミュニティが突然減少するという事象がある。
農耕技術が普及したこの時代、当時の集落は2万人以上の規模にまで成長した。にもかかわらず、こうした集落が放棄された空白の150年が存在する。そして、およそ5400年前から、それ以前の規模を超える大規模なコミュニティの存在が認められていないのである。
学者たちはその理由として、人口が増えたことによる環境資源の不足や外部からの民族の侵入をあげてきた。しかし、今回のエクス=マルセイユ大学の発表は、当時の人口の減少がペストという疫病を原因とする可能性も示唆している。
●人類の歴史の中で疫病も進化してきた
今回の研究には、エクス=マルセイユ大学のほかデンマーク工科大学、コペンハーゲン大学なども参加している。
研究者の1人、サイモン・ラスムッセン教授は、「疫病は、常に存在していたイメージがあるが、疫病自体も進化し人類に大きな影響を与えてきた。ペストだけではなく、マラリア、天然痘、最近ではジカ熱も同様の進化をとげてきた。病原体が、無害なものから有害に変化する過程を理解することは、医学においても人類学の分野においても重要だ」と語っている。
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