再び世界経済を未曾有の危機に陥れる「次のホルムズ海峡」はどこになる? 南極、深海、宇宙まで、2040年までに火を噴く「火薬庫」を読み解く新刊『2040年の地政学』発刊。
配信日時: 2026-10-26 06:00:00
海底ケーブルの切断、衛星情報のなりすまし、南極の基地建設競争……「ニュースと地図に載らない場所」で始まった新しい争奪戦を、大人気著作家が歴史とともに解説します。
株式会社秀和システム新社(東京都千代田区・代表取締役 津島憲豪)は、2026年11月2日、新刊『2040年の地政学』を発刊します。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/169048/238/169048-238-78c50e4cf8a1495c404d6cb798c52989-1767x2591.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
2040年の地政学
2026年3月、ホルムズ海峡が封鎖されました。それまで1日に100隻を超えることもあった海峡を、4月8日に抜けた船はわずか3隻。原油価格は一時1バレル126ドルに達し、遠い海のたった一点の詰まりが、給油所の表示や電気料金の明細となって、あっという間に私たちの家計に届いたのです。
しかし、こうして新聞の一面に載る危機は、まだ扱いやすいほうです。場所を地図で指させ、当事者の名前もわかるからです。本当に厄介なのは、まだ誰も気にしていない場所で、すでに始まっている争いでした。
本書は、テレビやラジオで時事問題を歴史の視点から解説してきた著者が、2040年に向けて起爆しかねない世界中の「火薬庫」を、歴史・地図とともに読み解く一冊です。
中東の海峡や台湾といったおなじみの火薬庫から、北極、南極、深海、宇宙、そしてアジアの大河まで。それぞれの場所の「現在地」と、火薬庫になった「歴史の因縁」、そして「2040年の予想図」を順にたどります。読み終えたとき、ばらばらに流れてくるニュースが一枚の地図の上でつながり、次にどこが軋むのかを自分で見当づけられるようになります。
■海にいるはずの120隻の船が、なぜか「空港」にいた?
2024年4月、地中海の東部で異常事態が起きました。120隻を超える船の位置情報がいっせいに書き換えられ、海の上にいるはずの船が、レバノンのベイルート空港にいることになったのです。正体は、本物そっくりの偽の信号を送り込む「なりすまし(スプーフィング)」。
高度約2万キロの衛星から届く信号は遠い星の光のように細く、地上に置いた小さな発信機でたやすく上書きできてしまいます。ロシアの飛び地カリーニングラードに面したバルト海では信号妨害と見られる乱れが絶えず、「バルト海のバミューダ・トライアングル」とまで呼ばれるほどです。しかも衛星が配信しているのは「位置」だけではありません。
株式取引も銀行の送金も電力網も、この衛星の「時刻」で時計を合わせています。現代文明は、頭上から届く、か細く不安定な電波の上に成り立っているのです。
この続きは→本書P.250「GPSと測位戦争」へ
■ロシアの漁船が、海底ケーブルの真上を140回往復していた
北極圏に浮かぶノルウェー領スヴァールバル諸島。2022年1月、この島と本土を結ぶ2本の海底ケーブルのうち1本が、突然信号を失いました。のちに、損傷した時期にロシアのトロール漁船がケーブルの真上をのべ140回も往復していたことが判明します。しかし、人為的な原因を示す証拠は、ついに見つかりませんでした。この島には170ものドームが並ぶ世界最大の商用衛星地上局があり、北極の上空を回る衛星から周回データを受け取れる、地球上でも数少ない場所です。もし2本とも切れていれば、島と外界との通信のほとんどが失われていました。
しかも約100年前に結ばれた条約により、締約国の国民なら誰でもビザなしで住めるこの島には、ロシアも堂々と拠点を構え「スパイの楽園」とも呼ばれているのでした。
この続きは→本書P.136「スヴァールバル諸島」へ
■「2048年に南極条約が切れる」は誤解だった
「2048年に南極条約が失効し、資源の奪い合いが始まる」。広く流通しているこの話は、事実ではありません。南極条約そのものに期限はなく、鉱物資源の採掘を禁じた議定書も無期限です。2048年に起きるのは、議定書の見直し会議を「請求できる」ようになることだけ。2016年には、わざわざ「2048年に失効しない」と明記した決議まで採択されました。
それなのに、いま各国は競うように南極に基地を建てています。2025年、中国とロシアが新基地の建設を発表した先は、モンゴルに匹敵する広さを持ちながら、どの国も領有を主張していない「世界最大の無主地・南極」でした。
狙いは条文の抜け穴ではなく、南極の将来を決める会議での「席取りゲーム」。基地を建て、観測の実績を積んだ国だけが、ルールを決める席に座れるのです。
この続きは→本書P.150「南極大陸」へ
そのほか、
・中東の封鎖が、遠く離れたマラッカ海峡に海賊を呼び寄せた理由とは?
・コンゴがコバルトの輸出を止めたら、価格はどうなった?
・1年で35万回以上も衝突を避ける必要のある「低軌道」の宇宙の現実とは?
など、ニュースの「次」が見えてくる火薬庫を一挙紹介!
■目次
第1章 資源と物流 ―世界経済の血管―第2章 経済の心臓 ―半導体とレアメタルをめぐる攻防―
第3章 北極の溶解 ―新たな海の支配者―第4章 南極の封印 ―2048年問題と領土分割―
第5章 深海の暗躍 ―見えないインフラ戦争―
第6章 宇宙の覇権 ―第8大陸の制空権―
第7章 生命の源流 ―水と食料の残酷なロジック―
【著者プロフィール】
宇山卓栄(うやま・たくえい)1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。代々木ゼミナール世界史科講師を務め、著作家。テレビ、ラジオ、雑誌、ネットなど各メディアで、時事問題を歴史の視点でわかりやすく解説。主な著書に『大アジア史』(講談社)、『世界民族全史』(日本実業出版社)、『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA)、『経済で読み解く世界史』(扶桑社)、『日本人が知らない! 世界史の原理』(茂木誠氏との共著、ビジネス社)など、著書多数。第8回アパ日本再興大賞優秀賞受賞。
■書籍概要
書名:2040年の地政学 未来の火薬庫図鑑著者:宇山卓栄
定価:2,200円(税込)
発売日:2026年11月2日
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4798076856
楽天ブックス:https://books.rakuten.co.jp/rb/18723674/
※全国書店、ネット書店にてお買い求めいただけます
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