Beyond SDGs推進センターがAI依存を防ぎ「自ら考える力」を育む新学習メソッド「SMILE Method™」を発表。7/18・19開催のオープンキャンパスなどのイベントで、探究学習アプローチと新型ゲーム教材を初公開
配信日時: 2026-07-10 14:20:24
金沢工業大学Beyond SDGs推進センター(所長:平本督太郎)と情報デザイン学部経営情報学科平本研究室は、AI・少子高齢化時代に適応した実践的な課題解決能力を育成する独自の学習メソッド「SMILE Method™(スマイルメソッド)」を用いた新たな教育プログラムの展開を開始します。
「SMILE Method™」は生成AIを積極的に活用しながらも、生成AIが得意とする「速さ」だけではなく、人間が本来得意とする「ゆっくりさ」や「深さ」を重視することにより、能力の質を高めることを促す教育プログラムです。
本メソッドの社会実装の第一弾として、7月18日・19日に開催される「DXハイスクール応援プログラムplus」および「オープンキャンパス」において、生成AIを活用した最新の探究学習アプローチと、株式会社LODUと共同開発した独自のゲーミフィケーション教材のプロトタイプを初公開いたします。
1.【教育関係者向け】DXハイスクール応援プログラムplusにおける
SMILE Methodの展開
高校におけるデジタルツールを活用した探究学習・情報科目等を支援する本プログラムにて、教職員・教育委員会関係者を対象に、これからの探究学習を高度化するためのAI活用法を紹介します。
生徒自らが生成AIを「壁打ち相手」として特定のペルソナ(ステークホルダー)を設定し、対話や協働を通じて多角的な視点から社会課題の解決策を模索する実践的アプローチを公開します。「必ず人間が自分の頭で考えたのちに、生成AIによってその考えを発展させる」等の厳格なプロセスを組み込むことで、AIへの過度な依存による発達阻害リスクを抑え、主体的な探究を深めるAI時代の学習の在り方を提示します。
日時: 7月18日(土)13:30~14:20
(イベント自体は18日・19日両日開催)
対象: 高校教職員、教育委員会関係者
内容: 「生成AIによって生徒自ら設定したペルソナを用いた探究学習のアップデート」
SMILE Methodのイメージ
「生成AIによって生徒自ら設定したペルソナを用いた探究学習のアップデート」は「大学教員による高校教育の支援プログラム」(A1)1日目7月18日(土)13:30~14:20で行われます
[DXハイスクール応援プログラムplus]
https://www.kanazawa-it.ac.jp/jigyo/dx/event/2026/dxh_plus/index.html
2. 【高校生向け】「Mixed Initiative」を体感するゲーミフィケーション教材の公開
同日開催のオープンキャンパス・情報デザイン学部の体験講座にて、金沢工業大学の卒業生が経営する株式会社LODUと共同開発した新たなゲーム教材の体験会を実施します。人間とAIが状況に応じて主導権を柔軟に交代・共有しながら課題解決に向かう「Mixed Initiative」の概念を、ゲームをプレイしながら直感的に楽しく学び、体感できる内容となっています。
日時: 7月18日(土)午前中
対象: オープンキャンパスに参加する高校生
内容: 新たなゲーミフィケーション教材の初公開および体験会
「Mixed Initiative」を体感するゲーミフィケーション教材
当ゲーミフィケーション教材はオープンキャンパス「学科紹介&体験」
7月18日午前の情報デザイン学部の体験講座で行われます。
[オープンキャンパス]
https://kitnet.jp/opencampus/
SMILE Method™(スマイル・メソッド)とは?
学習者(人間)とシステム(AI等)がインタラクションを通じてシステム全体の最適化を図り、単なる知識の伝達を超えた高度な知の形成を促す学習アプローチです。「SMILE Method™(Systemic Mixed-Initiative Learning & Education)」は、以下の3つの具体的手法で構成されています。
① デザイン思考とシステム思考の融合による「システミック・デザイン」
個人の潜在的ニーズを重視する「デザイン思考」と、構造全体を俯瞰する「システム思考」を融合。観察を通じて目に見えないルールや要素間の関係性を解剖し、複雑な社会課題の根本的な解決(システムチェンジ)を図ります。AIの「速さ」に依存するのではなく、人間の「深さ」や「ゆっくりさ」を活かす能力を養います。
②グローバル社会における多様性を組み込んだ「アントレプレナーシップ教育」
「AI×起業家精神」をテーマに、テクノロジーを社会課題解決に結びつけるマインドセットを育成します。生成AIを用いて多様なペルソナ(自分とは異なる価値観を有する人や社会においてマイノリティとされる人等の視点)を導入し、参加者の属性が均質になりがちな場でも、多角的な視点を強制的に取り入れることで包摂的なアイデア構築を可能にします。
③ 学習者とAIが主導権を交替・共有する「Mixed Initiative」
米MIT Media Labなどの調査(※)によれば、AIへの早期・過度な依存は、中長期的な「認知負債(Cognitive Debt)」の蓄積につながる懸念が指摘されています。本メソッドではこの知見を重く受け止め、「自らの結晶性知能をフル活用して思考した上で、AIを発展ツールとして用いる」厳格な順番を教育手法に取り入れています。その他に、AIを用いた教育に関する最新研究をエビデンスとして取り入れた手法により、認知能力の退化を防ぎ、より高度で独創的な能力を育成します。 (※ Kosmyna, Nataliya et al., “Your Brain on ChatGPT: Accumulation of Cognitive Debt when Using an AI Assistant for Essay Writing Task”)
開発プロセスと社会実装の経緯
SMILE Method™は、大学内の研究にとどまらず、教育現場、国際機関、地域産業との実践的なプロトタイピングとフィードバックのループを回すことで開発・実証されてきました。
Phase 1: 学内での初期開発と試行(2025年上半期)
金沢工業大学内にて、本メソッドのコアとなるコンセプトを開発。学内ワークショップでの実践や、既存授業内での一部導入といった試行実験を繰り返し、デザイン思考・システム思考・AI活用の基盤となるフレームワークを構築しました。国連開発計画(UNDP)により提供された「#Movers4Entrepreneurs」のToT(Training of Trainers)への参加、現在の共同研究先であるスタンフォード大学への訪問・交流を通じ、メソッドの改良を進めていきました。
Phase 2: 教育現場におけるUNDPとの連携から着想を得て改善
学内での初期検証を経たメソッドを用い、文部科学省が推進する「DXハイスクール」プログラムの一環として、浜松開誠館の教員を対象とした研修プログラムを提供しました。具体的には、国連開発計画(UNDP)と連携した起業家育成プログラム「#Movers4Entrepreneurs」日本版のプロトタイプを開発する際に、本メソッドの特長の一つである「生成AIの多様なペルソナとの対話」を掛け合わせ、研修プログラムとして提供しました。その中で、UNDPが国際的な課題解決において重視する「多様性」という視点についてのアントレプレナーシップ教育における活用方法の理解に至りました。そして、「生成AIを適切に活用すれば、国内にいても国際社会における多様性を最大限に活かした能力開発が可能になる」という重大な発見から、メソッド自体の改善を行いました。
Phase 3: 産業界における実証と地域連携への応用
教育分野での成果を産業界へ拡張し、TOKAIグループが主催する静岡県内の企業5社合同の若手交流会の企画において本メソッドの知見の一部として、生成AIを用いたペルソナ開発手法とペルソナを活用したグループディスカッション展開手法を提供しました。同グループを中心とした地域を代表する企業群が、本手法を用いて対話と共創を行うこの取り組みは非常に革新的であり、これからの「Beyond SDGs」時代において極めて重要となる少子高齢化やAIの無秩序な発達により弱体化しうる社会的基盤のレジリエンス強化に直結するものです。企業間の枠を超えたコレクティブインパクトの創出や、地域連携を強化するためのプラットフォームとして高い効用を発揮することが定性的にではありますが実証され、他地域への横展開も望まれるベストプラクティスとなりました。
Phase 4: 年間プログラムとしての本格実装と最終調整(現在)
これら教育現場と産業界での多様な実証結果を踏まえ、現在は金沢工業大学情報デザイン学部の年間プログラム(プロジェクトデザインⅡ・プロジェクトデザイン実践等)として本格的な実装を行っています。生成AIの活用が当たり前となる時代において、従来の大学教育の在り方や企業内での能力開発は抜本的な変容を求められています。本メソッドの全学的な実装は、そうした社会的要請に応える極めて先行的な取り組みです。次世代を担う多数の学生を対象とした大規模な実践を通じて、メソッドの最終調整と体系化を進めており、広く社会へ普及するための強固な基盤を完成させつつあります。
金沢工業大学は今後も様々なパートナーとの連携を通じ、高等教育のみならず、初等中等教育から企業内の人的資本強化に至るまで、本メソッドの普及を推進してまいります。
▼本件に関する問い合わせ先
金沢工業大学 広報課
住所:石川県野々市市扇が丘7-1
TEL:076-246-4784
FAX:076-248-7318
メール:koho@kanazawa-it.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/
プレスリリース情報提供元:Digital PR Platform
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