ベイン・アンド・カンパニー、『Japan Private Equity Report 2026』を発行 日本のプライベートエクイティ市場:高収益が呼び込む競争激化
配信日時: 2026-06-29 11:00:00
東京―2026年6月29日―ベイン・アンド・カンパニー(以下、ベイン)が発表した『Japan Private Equity Report 2026』によると、日本のプライベート・エクイティ(PE)市場は、高い投資リターン、拡大する投資機会、そして企業変革の進展を背景に、世界で最も魅力的な投資市場の一つであり続けています。一方で、市場への投資家の参画が進む中、PEファンド間での競争は一段と激化しており、トップクラスの運用成果を維持するためにPEファンドに求められる水準は高まっています。
2025年の日本PE市場は引き続き力強い成長を記録しました。投資案件総額は4.8兆円に達し、年間案件総額が3兆円を超えるのは5年連続となりました。また、スポンサーによる過去案件の売却が進んだことを受け、エグジット総額は過去最高となる2.4兆円を記録しました。市場活動は引き続き大型案件が牽引しており、取引金額1,000億円超の案件が総案件額の約70%を占めました。さらに、コーポレートガバナンス改革を背景とした上場廃止の増加に伴い、非公開化取引案件が総案件額の約半分を占めました。
ベイン日本のプライベート・エクイティ・プラクティス責任者のジム・ヴェルべーテン(Jim Verbeeten)は次のように述べています。
「日本のPE市場は、魅力的なニッチ市場という位置付けを超え、グローバルなプライベート・キャピタルにとって中核的な投資先として確固たる地位を築いています。日本市場の特徴は、単に投資機会の量が豊富なことではなく、それぞれの案件における価値創出機会の大きさにあります。優良企業であっても、オペレーション、事業戦略、営業・マーケティングなどの面で改善余地が大きく残されているケースが多く、市場全体の高いパフォーマンスを支えています」
こうした高いパフォーマンスは、引き続き投資家の関心を支える重要な要因となっています。日本PE市場は主要なリターン指標において米国市場を上回り、投資倍率(TVM)の中央値は米国の2.1倍に対して2.5倍、内部収益率(IRR)の中央値は米国の22%に対して31%を記録しました。Loss Ratio(投資損失率)の低さ、取得時バリュエーション倍率の上昇幅が比較的小さいこと、そして高いレバレッジ活用がこうしたリターンを支えています。また、多くの日本企業には依然として大きな業務改善・価値創出の余地が残されています。
高いリターン、大規模な投資機会、そして企業変革の進展という要因により、日本市場には多様な投資家層が集まりつつあります。グローバルおよびアジア地域のPEファンドによる日本市場参入が続く一方、国内PEファンドも大型ファンドの組成や機能強化を進めています。魅力的な投資案件を巡る競争が激化する中、競争入札案件のバリュエーションは高水準となっており、2025年に公表された非公開化取引案件では60~80%のプレミアムが付与されるケースも多く見られました。
ベイン東京オフィス パートナーの呉文翔は次のように述べています。
「日本市場には依然として豊富な投資機会がありますが、競争環境の変化により、投資家は市場全体の追い風だけにリターンを依存することが難しい状況です。差別化された投資機会を見極め、デューデリジェンス段階で明確な価値創出計画を策定し、買収後に迅速に実行へ移す能力が、これまで以上に重要になってきています」
こうした状況を踏まえると、トップクラスのリターンを維持するためには、投資ライフサイクル全体を通じた実行力のさらなる向上が求められます。投資仮説から価値創出施策への移行を迅速に進め、エグジットに向けた準備を体系的に行い、オペレーション面および戦略面で幅広い改善機会を実現できるファームが、今後優位性を発揮すると考えられます。
同時に、人工知能(AI)は投資機会とリスクの双方を評価するうえで、ますます重要な検討事項となりつつあります。AIの影響は業界によって大きく異なるものの、AIが競争環境をどのように変化させるのか、価値創出をどのように加速させるのか、あるいは新たな競争優位性をどのように生み出すのかを的確に評価できる投資家ほど、差別化された投資機会を見出しやすくなります。
日本市場は、多様な業界にわたる豊富な投資機会に加え、コーポレートガバナンス改革の進展や企業変革の加速を背景に、引き続き大きな投資魅力を有しています。一方で、市場への資金流入が進み競争が一段と激化する中、独自の投資機会を見極める洞察力と、投資からバリューアップ、エグジットに至るまでの一貫した実行力を備えたファームが、今後も優れた運用成果を生み出していくと考えられます。
【ベイン・アンド・カンパニーについて】
ベイン・アンド・カンパニーは、世界中の経営リーダーと協働し、最も困難な課題の解決と持続的な成果の創出を支援しています。1973年の創業以来、プライベート・エクイティ・ファームやその投資先企業を含む幅広いクライアントとパートナーシップを築き、変化を先取りするために必要な能力の構築と、業界変革の実現を支援してきました。
私たちはクライアントの成功を自らの成功指標と位置付けており、クライアント推奨度において業界最高水準の評価を獲得しています。
また、ベインは世界で最も働きがいのある企業の一つとして継続的に高い評価を受けています。戦略コンサルタント、業界・機能領域の専門家、テクノロジスト、アドバイザー、そして幅広いテクノロジーパートナー・エコシステムを結集し、「One Bain」としてグローバルに活動しています。
【編集者向け注記】
ベイン・アンド・カンパニーは1973年に設立され、現在は40カ国67都市に約19,000人の従業員を擁しています。これまでにGlobal 500企業の3分の2超を含む、世界9,000社以上の企業を支援してきました。また、2035年までに非営利団体、公共機関および慈善団体に対し、総額20億米ドル相当のプロボノ・コンサルティングを提供することを表明しています。
ベインは、デジタルビジネス、イノベーション、戦略策定、エクスペリエンスデザイン、顧客体験、ネットゼロ・トランスフォーメーションなど複数の領域において、主要なアナリスト評価で継続的にリーダー企業として認定されています。
商号 : ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッド
所在地 : 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー37階
URL : https://www.bain.co.jp
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