「そもそも、ドキュメントをExcelで作成している理由って何ですか?」──AI活用を停滞させていた「慣習」を打破。

プレスリリース発表元企業:オーエムネットワーク株式会社

配信日時: 2026-05-08 09:10:00

~ 開発設計書のMarkdown化で開発業務を改善 ~



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オーエムネットワーク株式会社(本社:新潟県新潟市中央区、代表取締役:山岸真也、以下 OMN)は、AI活用を停滞させる「Excelの壁」を打破すべく、最前線の開発チームにおいて設計ドキュメントのMarkdown化を先行実施しました。2026年4月より本格運用を開始し、コーディングおよびチーム内ナレッジ共有のスピード向上を実現するとともに、コーディングに用いるMarkdownファイルがそのまま設計書として機能する新たな運用フローを確立。本プロジェクトを皮切りに、OMNは真の意味での「AIとの共創」を加速させます。

1.AI活用で見えてきた、ドキュメント形式という「最適化の余地」

OMNでは、開発効率と品質の向上を目的として、開発現場の標準ツールとして生成AI「Claude Code」を導入しています。

導入以来、コード生成や仕様確認における作業スピードは格段に向上しました。しかし、チーム全体での活用精度を追求していく中で、AIが仕様書の内容を誤認したり、情報の階層を正しく解釈できなかったりするケースが稀に発生するという、運用上の課題が浮き彫りになってきたのです。当初はプロンプト(指示出し)の工夫で対応していましたが、指示を細分化すればするほどプロンプト自体が複雑し、かえって運用の難易度が上がってしまうという本末転倒な状況に陥っていました。何か根本的な部分でAIとの噛み合わせがうまくいっていないという、言葉にできないもどかしさがチーム内に漂っていました。

2.「当たり前」を問い直す──AIチームからの本質的な問いかけと提案

この状況を打破すべく、社内のAI専門チームに相談を持ちかけました。その時の当初の目的は、あくまで「いかにして複雑なExcelファイルをAIに正しく解析させるか」という、読み込み精度の向上を狙ったテクニカルな解決策を得ることでした。

しかし、現状の悩みを打ち明けた開発チームに対し、AI専門チームから投げかけられたのは、予想だにしない本質的な問いかけでした。

「そもそも、ドキュメントをExcelで作成している理由って何ですか?」

この一言は、当時のOMNの開発チームにとって文字通り「目から鱗」が落ちる体験でした。開発チームは「仕様書はExcelで作るもの」という固定観念に縛られ、AIに無理やり人間用のフォーマットを理解させる方法ばかりを考えていたのです。

しかし、AIにとって最適なのは、人間用のレイアウトではなく、情報の構造が明確な形式であるはず。「AIに合わせさせるのではなく、AIが最も力を発揮できる形をこちらが用意すればいい」。この「当たり前」を疑い、視点を180度変えた瞬間こそが、OMNが目指す次世代のドキュメントDXのスタート地点となりました。

3.Markdownへの刷新による情報の資産化と有効性の確認

検証の結果、AI(Claude Code)にとって最も正確かつ高速に解析できる形式は、シンプルな階層構造を持つ「Markdown(md)」であることが明確になりました。Excelファイルは内部に書式・セル位置・スタイル等のメタデータを大量に保持するため、AIが同じ内容を読み込む際にもトークン消費が膨らみがちですが、Markdownでは構造記号と本文以外の冗長な情報がほぼ存在しません。当社の試験運用に基づく推計では、同等内容のドキュメントを処理する際のトークン消費量は、Excel経由と比較しておよ10分の1程度に抑えられている手応えを感じています(※1)。

AIとまるで「ツーカーの仲」のように意図が通じるようになったことで、従来エンジニアを悩ませていたAIへの無駄な修正指示(プロンプトのやり直し)が激減。開発の手を止めることなく、最速のスピードで実装まで駆け抜けられるようになりました。この成果に基づき、OMNの開発チームは2026年4月までに、主要な設計書・開発資料の大部分においてMarkdownへの刷新を進めました 。

刷新の対象は、正式な仕様書だけではありません。技術メモやナレッジベースなど、これまで散逸しがちだった情報もMarkdown形式で集約しました。結果として、AIへの文脈(コンテキスト)共有がスムーズになり、エンジニア間の情報共有においても認識の齟齬が減少しています。情報の形をAIに合わせて整えるという一つの決断が、現場の知恵を「AIを最も賢く動かすための強力な資産」へと変えました。

■ 現場の声:AIとの対話が変わった--「解釈」から「実装」への劇的な変化

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実際に本プロジェクトで開発を担当したエンジニアは、今回の刷新による変化を次のように語ります。
「以前のExcelベースの設計書では、AIに仕様を理解させること自体が最大の難所でした。AIが意図を汲み取れるよう、エンジニアである私が必死にプロンプトを練り上げ、何度もやり取りを繰り返す……。開発本体よりも、『仕様を解釈させるための前準備』に膨大な時間とトークンを費やしていたのが実情です。それが今では、Markdownという共通言語を得たことで、AIとツーカーの仲になれました。AIがドキュメントを即座に正確に読み解いてくれるため、本来注力すべき『システム実装』と『品質向上』に、開発リソースのすべてを投入できています。仕様変更時の修正スピードも圧倒的に向上しましたね。」

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なお、本プロジェクトにおいてClaude Codeを業務で活用しているエンジニアは現在3名(※2026年4月時点)。今回のMarkdown刷新にはこの3名全員が移行・運用に参加しており、正式な設計書はもちろん、日々の技術メモやチーム内の共有資料に至るまで、Claude Code活用メンバーの業務領域全般でMarkdown形式が標準化された状態となっています。今後はClaude Codeの活用メンバーの拡大にあわせて、このMarkdown標準を社内全体へと段階的に展開していく方針です。

4.「AIのための構造」と「人のためのレイアウト」を高い次元で両立する

一方で、情報の記述形式をすべてMarkdownに集約することには、実務上の課題もありました。Markdownはデータ構造の記述には優れていますが、人間が内容を直感的に把握するためには、やはり適切なレイアウトや視覚的な整理が欠かせません。Markdownをそのまま読み続けることは、情報の解釈の遅れを招く懸念がありました。

そこでOMNの開発チームでは、Markdownを情報の「マスターデータ」とし、人間が閲覧する際には、Claude Code等のAIツールを用いて即座に「HTML形式」へと書き出す運用フローを確立しました。AIには解析効率の極めて高い「構造」を渡し、人間には、AIを活用して生成された直感的な「レイアウト」を提供する。変換作業そのものに工数をかけることなく、AIの力を借りて『人間にとっての最適な表示』を一瞬で用意する。この工夫こそが、オーエムネットワークが追求する、AIと人が共存するためのDXの形です。

5.ドキュメントの定義を変え、最速で価値を届ける組織へ

回の刷新は、単なるファイル形式の変更ではなく、ドキュメントを「AIと一緒に未来を創るための共通言語」として再定義する試みです。情報の形をAIに合わせて最適化することで、エンジニアはより本質的な設計や品質向上にリソースを割くことが可能になりました。

現在、この知見は全社的な標準ナレッジへの展開を始めており、組織全体のDXを加速させる一助となっています。私たちはこれからも、最新技術を柔軟に取り入れながら、現場の知恵で最適解を導き出し、お客様へ最速で最高の価値を届けられるよう挑戦を続けてまいります。

※1:当社試験運用に基づく推計値です。ドキュメントの書式量や記述内容によって変動します。

【会社概要】

会社名:オーエムネットワーク株式会社
所在地:新潟県新潟市中央区
代表取締役:山岸真也
事業内容:業務システム開発、シフト管理システム「R-Shift」
提供Web:https://www.omnetwork.co.jp/
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