抗体医薬の品質評価をワンストップで支援
プレスリリース発表元企業:株式会社東レリサーチセンター
配信日時: 2026-03-18 11:10:00
~高度分析技術とGMP準拠体制で、開発から上市後までをサポート~
【要旨】
株式会社東レリサーチセンター(所在地:東京都中央区日本橋本町一丁目7番2号、社長:真壁芳樹、以下、「TRC」)は、高度化・複雑化が進む抗体医薬の開発において社会的課題となっている品質評価およびCMC対応の高度化に応えるため、抗体医薬向け分析受託サービスを拡充しました。近年、がんや自己免疫疾患などを対象とした抗体医薬や抗体薬物複合体(ADC)の開発が加速する一方で、分子構造の複雑化に伴い、品質評価や安定性試験が医薬品の社会実装を左右する重要なボトルネックとなっています。こうした背景のもと、TRCは抗体医薬の開発初期から上市後までを見据えた品質評価体制の強化に取り組んできました。TRCは、抗体医薬*1の開発段階における構造解析から、上市後の品質を保証する安定性試験まで、25年以上にわたる分析実績を有しています。このたび、主要な構造解析装置についてGMP*2準拠運用体制を構築したことで、開発初期から品質試験まで一貫して対応可能な体制を整えました。
さらに、GMP準拠で実施している安定性試験において、キャピラリー等電点電気泳動装置(以下、「cIEF*3」)を新たに導入しました。cIEFは、抗体医薬、とりわけ抗体薬物複合体(以下、「ADC*4」)のような構造が複雑な分子について、わずかな電荷差を高精度に検知し、より正確な構造解析ができる手法です。近年需要が高まるADCの分析への対応力が一層強化されました。
これにより、TRCは、抗体医薬の開発初期から品質保証までをワンストップで支援する体制を確立し、医薬品開発のスピードと信頼性の両立を通じて、革新的な医薬品の早期社会実装に貢献してまいります。
【背景】
近年、医薬品市場は低分子医薬から、抗体医薬を中心としたバイオ医薬へと急速にシフトしています。遺伝子治療薬やmRNA*5ワクチンなどの新たなモダリティ(創薬の基盤技術や手法)も登場し、市場は拡大を続けています。なかでも抗体医薬は、がんや自己免疫疾患など幅広い疾患領域で需要が高まっており、抗体に薬剤を結合させて治療効果を高めたADCは、新世代の抗体医薬として注目されています。これら最先端医薬の開発・製造には、高度な分析技術と信頼性の高い品質評価体制が不可欠です。
【抗体医薬開発を支えるTRCの分析体制】
抗体医薬は、分子量約15万の非常に複雑なタンパク質であり、翻訳後修飾*6や部分構造の違いによって、分子ごとにわずかな構造差が生じます。そのため、開発段階では多角的かつ高精度な構造解析が求められます。TRCでは、GMPのもと、構造解析メニュー(図1)を整備し、抗体医薬の重要な品質属性を適切に評価できる体制を構築しています。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/172881/32/172881-32-25033e70cef4df1114552b9df750ae8d-649x280.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/172881/32/172881-32-e2944ea75349d1a4057f533dccec3439-3900x1957.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1.GMP準拠にて整備した抗体医薬の構造解析メニュー
また、TRCはこれまでGMP体制下で抗体医薬の安定性試験を実施してきました。今回導入したcIEF装置はタンパク質のわずかな電荷差を高精度に検知し、より正確な構造解析ができるため、ADCのような複雑な抗体医薬についても、詳細な構造解析が可能となりました。これにより、今後も、安定的かつ高品質で信頼性の高いデータ提供を実現します。
【今後の展望】
TRCは、抗体医薬および新規モダリティに対する分析技術をさらに高度化し、医薬品開発のあらゆる段階を支援する分析パートナーとして、お客様の課題解決に貢献してまいります。今後も最新の分析技術の導入とサービス拡充を通じて、医薬品の迅速な開発と早期の社会提供を支援してまいります。
【用語の説明】
*1) 抗体医薬:体内の免疫機能である抗原抗体反応を利用した医薬品。病気の原因となる特定の分子(抗原)に結合して作用するタンパク質である「抗体」を人工的に製造し、有効成分として用いる。がんや自己免疫疾患など、幅広い疾患領域で利用されている。*2) GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品の製造管理および品質管理に関する基準。医薬品は人の健康や生命に直接関わるため、製造から品質試験までを適切に管理し、常に一定の品質を確保することが求められる。設備管理や作業手順、記録、教育訓練など、製造に必要な幅広い要件が規定されている。
*3) cIEF(Capillary Isoelectric Focusing):キャピラリー等電点電気泳動。タンパク質など電荷を持つ物質を、等電点(電荷がゼロになるpH)の違いに基づいて高精度に分離・分析する手法。細い管(キャピラリー)内部にpH勾配を形成し、試料を通過させると、各成分がそれぞれの等電点の位置で停止する。この性質を利用し、抗体医薬やADCにおけるわずかな電荷の違い(不均一性)を高感度に解析できる。
*4) ADC(Antibody-drug Conjugate):抗体薬物複合体。標的となる細胞に結合する抗体に、抗がん剤などの薬物を化学的に結合させた抗体医薬の一種。抗体ががん細胞などに結合した後、細胞内で薬物が放出されるため、正常細胞への影響を抑えつつ、高い治療効果が期待されている。
*5) mRNA(Messenger ribonucleic acid):メッセンジャーRNA(伝令リボ核酸)。細胞内でタンパク質を合成するための遺伝情報を担う分子。人工的に合成したmRNAを細胞内に導入し、目的のタンパク質を体内で産生させる医薬品が開発されている。mRNAワクチン(例:COVID‑19ワクチン)もその一つである。
*6) 翻訳後修飾:mRNAの遺伝情報が翻訳されて合成されたタンパク質が安定的かつ適切に機能するように、細胞がタンパク質に付与する化学的な修飾の総称。リン酸化、アセチル化、糖鎖付加などが代表例である。
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