2025年「置き配」利用率の伸びが鈍化。前年比1ポイント増の73%〜43%が「置き配に不安」と回答。「荷物が盗まれる」懸念が7割〜
配信日時: 2025-12-26 10:00:00

株式会社ナスタは、2019年から毎年実施している「置き配に関する実態調査」の第8回調査を2025年12月に実施しました。近年、玄関先に配達された「置き配」の荷物を狙った盗難事件が全国で報じられており、埼玉県内ではフリマアプリへの出品を目的とした置き配荷物の連続盗難事件が明らかになるなど、社会的関心も高まっています。こうした社会状況を背景に調査をした結果、「置き配」サービスの利用経験率は前年から微増した一方で、伸びが鈍化していること、不安を感じる層の心理的ハードルとして「盗難」が際立っていることなどが明らかになりました。
郵便受け・宅配ボックスシェアNo.1※の株式会社ナスタ(本社:東京都港区、代表取締役社長:小川憲嗣 以下、ナスタ)は、2019年から毎年実施している「置き配に関する実態調査」の第8回調査を2025年12月に実施しました。
近年、玄関先に配達された「置き配」の荷物を狙った盗難事件が全国で報じられており、埼玉県内ではフリマアプリへの出品を目的とした置き配荷物の連続盗難事件が明らかになるなど、社会的関心も高まっています。
こうした社会状況を背景に調査をした結果、「置き配」サービスの利用経験率は前年から微増した一方で、伸びが鈍化していること、不安を感じる層の心理的ハードルとして「盗難」が際立っていることなどが明らかになりました。
■調査結果概要
・2025年の置き配利用率(利用経験あり)は73.6%。前年72.4%から約1ポイント増にとどまり、増加ペースが鈍化
・「今年、再配達が全くなかった」人は19.7%で前年18.2%から増加する一方、「去年より再配達が減った」と感じる人は37.9%と、前年46.9%から約9ポイント減少
・置き配サービス利用時のトラブル経験ありは34.4%。前年33.0%からわずかに増加し、「荷物が盗まれた」経験も3.9%
・「置き配が標準サービスになることに不安を感じる」人(「非常に不安」「やや不安」の合計)は43.0%
・置き配への不安内容では、「荷物が盗まれる」が72.3%で最多。「濡れる」「壊れる」「届かない」といった懸念もそれぞれ4割前後
・置き配利用者が感じる良さとしては、「荷物の受取時間を気にせず外出できる」68.4%、「再配達の調整をする必要がなくなる」41.7%、「手が離せない時にも受け取れる」37.3%、「配達員の負担軽減に貢献できる」32.9%など、利便性と社会的意義の両面が評価されている
・置き配を安心して利用するために有効だと思う対策は、「宅配ボックスの設置」53.4%が最多。次いで「防犯カメラの設置」34.2%、「コンビニ受け取りの活用」29.1%
物流2024年問題を背景に、再配達削減や置き配普及に向けた取り組みが広がった2025年。置き配は7割超の生活者に浸透した一方で、その伸びは落ち着きつつあり、「盗難をはじめとする不安をいかに解消するか」が次の課題となっていることがうかがえます。
■調査結果詳細
【結果①】置き配利用率は73.6%。6年連続の増加も、伸びは約1ポイントに鈍化
「これまでに置き配(非対面受け取り)サービスを利用したことがあるか」を尋ねたところ、「ある」と回答した人は73.7%でした。前年の72.4%から約1ポイントの増加となり、2019年調査開始時の26.8%と比べると約2.7倍と、普及自体は着実に進んでいます。一方で、前年は5.1ポイント増であったのに対し、今年は約1ポイントの増加にとどまり、普及の伸びが鈍化しつつあることがわかりました。
置き配場所として最も多く利用されているのは前年と同様に「玄関先(荷物を地面にそのまま置く)」で60.4%。次いで「宅配ボックス」24.8%、「物置」2.9%、「メーターボックス」5.6%、「車庫」2.0%、「自転車のかご」2.0%、「郵便受け(ポスト)」2.0%と続きます。
●置き配サービスの利用経験率
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM1OTI2OSMzNjc0ODIjNTkyNjlfSHd0WExSZkx5WC5wbmc.png ]
●置き配指定時に最も多く利用している場所
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【結果②】再配達「全くなかった」は約2割に増加。一方で「減った実感」は大幅減少
今年、再配達になったことがあったかを訊ねたところ、「よくあった」13.5%、「時々あった」34.0%、「まれにあった」32.9%に対し、「全くなかった」は19.7%でした。前年の「全くなかった」18.2%からは増加しており、再配達がゼロだった人の割合は着実に増えています。
一方、「去年と比べて再配達になる回数は減りましたか」という設問では、「非常に減った」14.1%、「やや減った」23.8%の合計は37.9%にとどまりました。前年の「減った」計46.9%からは約9ポイント減少しており、生活者の体感としては「再配達は減り続けている」という実感が弱まりつつあることがうかがえます。
再配達を減らした手段としては、「玄関先への置き配」53.4%、「時間帯指定」37.0%、「宅配ボックス」30.8%、「配達ロッカーやコンビニ・オフィス受け取り」なども各1〜7%台と回答されており、置き配・宅配ボックスの活用に加え、時間指定やロッカー利用など、多様な手段を組み合わせながら再配達削減が図られている様子が見てとれます。
●今年再配達になったことがあったか
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●再配達が減った背景(複数回答)
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【結果③】置き配の「良さ」は、時間の自由度と再配達削減、そして配達員への配慮
置き配利用者に置き配サービスの良さについて尋ねたところ、上位には「荷物の受取時間を気にせず外出できる」68.4%、「再配達の調整をする必要がなくなる」41.7%、「手が離せない時にも受け取れる」37.3%、「配達員の負担軽減に貢献できる」32.9%が挙がりました。
「自分の都合の良いタイミングで受け取れる」という時間的な自由度に加え、再配達削減や配達員の負担軽減といった、社会的な意義も生活者に意識されていることがうかがえます。
●置き配サービスの良さ(複数回答)
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【結果④】置き配トラブル経験は34.4%に増加。「荷物が盗まれた」経験も約4%
置き配サービス利用者にトラブル経験について尋ねたところ、「特になし」が65.6%である一方、何らかのトラブルを経験した人は34.4%でした。
具体的なトラブル内容としては、「荷物が盗まれた」3.9%、「荷物が濡れた」9.2%、「荷物が壊れていた」5.8%、「荷物で玄関ドアが開かなくなった」6.7%、「他人の荷物が届いた」7.1%、「荷物が届かなかった(他人の家に置き配された)」9.2%、「指定した場所に置いてもらえなかった」7.2%と、多様なトラブルが報告されています。
前年は置き配トラブル経験が33.0%でしたが、今年は34.4%とわずかに増加しており、利用拡大とともにトラブルも一定程度、顕在化している現状がうかがえます。
●置き配サービス利用時のトラブル(複数回答)
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【結果⑤】「置き配が標準サービスになることに不安」を感じる人は43%。不安の7割超が「荷物が盗まれる」
「置き配が標準サービスになることについて不安を感じるか」という問いに対して、「非常に不安を感じる」14.6%、「やや不安を感じる」28.4%で、合計43.0%が不安を抱いていることがわかりました。
その具体的な不安内容として、「荷物が盗まれる」72.3%、「荷物が濡れる」40.7%、「荷物が壊れる」35.1%、「荷物が届かない(他人の家に置き配される)」37.0%、「いつ荷物が届いたかわからない」28.7%、「プライバシーが侵害される(送り状を見られるなど)」24.4%、「不在であることがわかってしまう」27.7%などが挙がりました。
なかでも「荷物が盗まれる」は7割超と突出しており、置き配に対する心理的ハードルの中心に「盗難リスク」があることが明らかになりました。
●置き配標準サービスへの不安
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●具体的な不安内容(複数回答)
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【結果⑥】安心して置き配を利用するためには、「宅配ボックス設置」と「防犯対策」が鍵
「置き配が標準サービスになった時に、宅配便を安心して利用するために有効だと思うこと」について聞いたところ、「宅配ボックスの設置」53.4%、「防犯カメラの設置」34.2%、「コンビニエンスストア受け取りの活用」29.1%、「駅などの宅配ロッカーの活用」19.5%、「宅配営業所受け取りの活用」16.3%、「置き配保険の加入」10.3%が挙がりました。
不安の中心にある「盗難」や「紛失」に対して、物理的な設備(宅配ボックス・防犯カメラ)と、受け取り場所の選択肢(コンビニ・ロッカー・営業所)を組み合わせることが、生活者にとって安心材料になっていることがわかります。
●置き配を安心して利用するために有効な対策(複数回答)
[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM1OTI2OSMzNjc0ODIjNTkyNjlfa2JTUWhqWkNvRy5wbmc.png ]
2019年の調査開始以来、置き配利用率は着実に増加し、2025年には7割を超える人が一度は利用したことのあるサービスとなりました。一方で、前年までの急激な伸びから一転し、増加ペースは約1ポイントと鈍化しています。
再配達が「全くなかった」人は増えたものの、「前年より減った」と実感する人は大きく減少しており、再配達削減の成果が頭打ちになりつつある可能性も見えてきました。
また、置き配利用時のトラブル経験は34.4%と前年より微増し、「荷物が盗まれた」経験や、「届かない・他人の家に置かれた」といった声も一定数存在します。さらに、置き配標準化に不安を感じる人は4割を超え、その7割以上が「荷物が盗まれる」ことを懸念しています。
置き配の利便性や再配達削減効果をいっそう社会に浸透させていくためには、宅配ボックスや防犯カメラといったハード面の整備とともに、受け取り方法の選択肢拡充や、誤配・紛失を減らす運用面での工夫が不可欠です。
ナスタは今後も、ポスト・宅配ボックスをはじめとする製品・サービスの提供を通じて、生活者が安心して置き配を利用できる環境づくりと、再配達削減などの社会課題解決に貢献してまいります。
■調査概要
調査対象者:ネットショッピング利用者
調査時期:2025年12月8日~9日
調査方法:インターネットリサーチ
調査人数:2000人(男性100人、女性1000人)
対象年齢:20代400人/30代400人/40代400人/50代400人/60代以上400人
■置き配調査の過去調査結果一覧
第1回調査 2019年8月(プレスリリース:https://www.nasta.co.jp/news/2019/2019082301.html)
第2回調査 2019年11月(プレスリリース:https://www.nasta.co.jp/news/2019/2019110601.html)
第3回調査 2021年2月(プレスリリース:https://www.nasta.co.jp/news/2021/2021022401.html)
第4回調査 2021年12月(プレスリリース:https://www.nasta.co.jp/news/2021/2021121501.html)
第5回調査 2022年12月(プレスリリース:https://www.nasta.co.jp/news/2022/2022121201.html)
第6回調査 2023年12月(プレスリリース:https://www.nasta.co.jp/news/2023/2023121101.html)
第7回調査 2024年12月(プレスリリース:https://www.nasta.co.jp/news/2024/2024121001.html)
※ナスタ調べ(2024年郵便受け・宅配ボックス市場シェア数及び実績販売数量より推計)
【お願い】 本リリース内容(調査結果等)の転載にあたりましては、「ナスタ調べ」という表記をお使いいただきますようお願いします。
提供元:valuepressプレスリリース詳細へ
プレスリリース情報提供元:valuepress
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