【2025年版】総合商社8社の離職率ランキングを公開 ― 業界平均2.01%、「1%未満」の定着企業も ―

「商社は激務で辞める」は誤解？データで見る“入ったら辞めない”業界の実像



Career Reveal（キャリア・リビール）は、企業が開示する人的資本データを可視化するデータプラットフォームです。このたび、上場企業が公開する有価証券報告書などの一次情報をもとに、総合商社8社の離職率データを分析し、2025年期の「離職率ランキング」を公開しました。

「商社は激務だから人の入れ替わりが激しいのでは？」と思われがちですが、データを見ると逆の実態が浮かび上がります。2025年期の総合商社（8社）の平均離職率は2.01%で、同期間の比較対象（キャリア・リビールのデータベースに登録された全産業平均 3.92%）と比べても約2分の1という低さでした。一方で、企業別に見ると「1%を切る鉄壁の定着率」を示す企業がある一方、3～4%台の企業もあり、同じ商社でも“定着のかたち”には違いが見られます。

本調査では、離職率ランキングとともに、各社の開示情報から読み取れる定着要因（制度・カルチャー）を整理し、商社業界の「定着力」を可視化しました。

[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/174490/3/174490-3-ae93da4737fbd988d89187e3bdfbc7a6-2467x1536.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
各企業の有価証券報告書・統合報告書・サステナビリティレポート・ESGデータブックをもとにCareer Revealが作成

■ 調査概要
- 対象：総合商社8社（三井物産、三菱商事、丸紅、住友商事、伊藤忠商事、豊田通商、双日、兼松）
- データ出典：各社の有価証券報告書（2025年期）および関連する一次情報（統合報告書、サステナビリティレポート、ESGデータブック等）
- 分析指標：離職率（各社開示値）、総合商社8社平均（単純平均）
- 比較対象：全産業平均（Career Revealに登録された企業データに基づく参考値）
※離職率の定義・算出基準は各社の開示に基づきます（退職率、自己都合退職率等、表記や範囲が異なる場合があります）。

■ 主な調査結果
- 総合商社8社の平均離職率は2.01%比較対象（全産業平均 3.92%）の約2分の1となり、業界全体として極めて安定した水準でした。
- 最も低い企業は0.96%、最も高い企業は4.4%企業別レンジは、最低0.96%（三井物産）から最高4.4%（兼松）まで広がり、商社内でも“定着のスタイル”に違いが見られました。
- 「1%未満」の企業が複数存在三井物産（0.96%）・三菱商事（0.98%）は1%未満の水準となり、高い定着力が確認されました。
- 離職率は「低いほど良い」とは限らない離職率の低さは働きやすさの一指標ですが、極端に低い場合は新陳代謝の緩やかさを示す側面もあります。一方で、3～4%台の企業は、独立・起業支援など「卒業」を後押しする制度や、次の挑戦へ踏み出す動きが含まれる可能性もあります。


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/174490/3/174490-3-3e1fb4030577a5e00b57e79bb6c04bd2-2848x1504.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
各企業の有価証券報告書・統合報告書・サステナビリティレポート・ESGデータブックをもとにCareer Revealが作成

■ 離職率ランキング（2025年期）
1位　三井物産 0.96%
2位　三菱商事 0.98%
3位　丸紅 1.3%
4位　住友商事 1.4%
5位　伊藤忠商事 1.6%
（参考）業界平均 2.01%
6位　豊田通商 2.1%
7位　双日 3.4%
8位　兼松 4.4%
※ランキングは各社の開示値に基づきます。

■ 分析コメント（Career Reveal）
総合商社は、日本企業の中でも「入ったら辞めない」傾向が強い業界であることが、離職率データから確認できます。背景としては、高い報酬水準、福利厚生、海外駐在を含む多様なキャリア機会などにより、短期的に転職して得られるメリットよりも、社内でキャリアを積み上げるメリットが大きい点が挙げられます。

他方で、離職率のレンジが0.96%～4.4%と幅を持つ点は重要です。商社各社が、社内公募・キャリア自律支援、ライフイベント支援、独立支援など、異なる思想で人材の定着や流動性を設計していることが示唆されます。キャリア選択においては、「辞めにくさ」だけでなく、「社内で挑戦できる仕組み」や「ライフステージと両立できる制度」まで含めて比較することが重要になります。

※詳細記事（ランキング表・推移グラフ・各社の背景分析）
https://www.career-reveal.com/articles/sogo-shosha-big5-industry-turnover
■ 図表・データの利用について
本リリース内の図表・データは、出典を明記の上で自由に転載・引用いただけます。
■ Career Revealについて
Career Reveal（キャリア・リビール）は、有価証券報告書や統合報告書、サステナビリティレポートなどの一次情報をもとに、年収、残業時間、離職率、教育投資、多様性といった人的資本データを構造化・可視化するデータプラットフォームです。企業比較を通じて、求職者・投資家・企業の意思決定を支援し、人的資本情報の透明性向上に貢献しています。

PR TIMESプレスリリース詳細へ