妊娠中のエコノミークラス症候群に要注意、2つの時期に発症増える 京大循環器内科グループが医療ビッグデータ研究で明らかに
配信日時: 2025-12-01 11:00:00


京都大学循環器内科の研究グループがメディカル・データ・ビジョン株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:岩崎博之、以下 MDV)の保有する国内最大規模の診療データを活用して妊娠中の日本人女性の静脈血栓塞栓症(VTE、いわゆるエコノミークラス症候群)について解析したところ、VTE発症のタイミングは二峰性(2つのピーク)があることが分かりました。1つ目のピークは妊娠第1期(妊娠13週まで)で、2つ目のピークが妊娠第3期(28週以降)でした。また、抗凝固療法を実施しても再発したり、出血イベントや院内死亡したりするケースがあることも分かりました。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1987/123693/700_393_2025112816081269294a5c1cab3.png
【1つ目のピークの妊娠第1期(妊娠13週まで)と2つ目のピークの妊娠第3期(28週以降)、論文から引用】
この研究は、京都大学循環器内科の山下侑吾氏、馬場大輔氏らの研究グループが取り組んだもので、その研究論文は、Circulation Journalに掲載されています。
原著論文:https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/advpub/0/advpub_CJ-25-0124/_article
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1987/123693/250_357_2025112816081869294a6211d50.jpg
【研究グループの山下氏】
解析したMDVの診療データは、2008年4月から2023年9月までに、VTEで入院した可能性のある妊婦1万5472例です。また抗凝固療法が実施されていなかったり、画像診断検査をしていなかったりする患者などを除外し、妊婦でVTEと確定診断された410例を研究対象としました。
■VTEの再発例、出血イベントや院内死亡も
対象患者の平均年齢は33歳で、平均BMI(Body Mass Index)は23.8㎏/㎡でした。その中で妊娠週で見たVTEの発症は2峰性の分布となり、1つ目のピークには126例(30.7%)、2つ目に236例(57.6%)、それぞれで発症しました。また、抗凝固療法を実施しても、6か月の追跡期間中に17例(4.1%)でVTEが再発。出血イベントは同じ期間中に3例(0.7%)、院内死亡は410例中4例(1.0%)となっています。
研究グループの山下氏は「妊婦のエコノミークラス症候群は妊娠後期に多いというイメージだったが、今回の研究で妊娠初期にもあることが分かった。脱水傾向や運動低下など同症候群を引き起こしやすい状況であることが考えられる。この研究のメッセージは、妊婦だけでなく産婦人科医を含めた臨床医に注意喚起として重要と思われる」と話しています。
本件に関するお問合わせ先
メディカル・データ・ビジョン株式会社
広報 : 君塚・赤羽・汲田 MAIL:pr@mdv.co.jp
プレスリリース情報提供元:Digital PR Platform
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