「鉄道車両用同期リラクタンスモーターシステムSynTRACS」が「2025 R&D 100 Awards」を受賞

鉄道車両の省エネ化を省資源で実現する技術力が評価



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同期リラクタンスモーター（SynRM）およびモーター内部回転子イメージ

　三菱電機株式会社は、鉄道車両の省エネ化を省資源で実現した「鉄道車両用同期リラクタンスモーターシステムSynTRACS(R)（シントラックス）」が、革新的な技術開発に対して贈られる「2025 R&D 100 Awards」（米国R&Dワールド社主催）を受賞しましたのでお知らせします。当社の「R&D 100 Awards」受賞は、本件を含めこれまでに28件です。

■受賞技術・製品の特長
鉄道向けとしては業界初となる同期リラクタンスモーターを搭載し、車両の省エネ化を省資源で実現
・回転子に永久磁石およびレアアースを全く使用しないことにより、省資源化を実現した「鉄道車両用同期リラクタンスモーターSynRM（シンアールエム）」と、それを制御するインバーターで構成
・実際の鉄道車両に搭載して実施した実証試験において、消費電力量が従来の高効率誘導モーターシステム比で18％減となる省エネ効果を確認（※1）
・令和4年度「優秀省エネ脱炭素機器・システム表彰」も受賞（※2）

■R&D 100 Awardsについて
　米国R&Dワールド社が1963年から毎年、世界の優れた技術100件を選定しているもので、“技術革新のアカデミー賞”と言われる権威のある賞です。プロのコンサルタント、大学関係者、産業界の研究者などの外部の専門家が、技術的な重要性、独自性、有用性の観点から公募案件を評価し、前年に実用化された製品の中から選定します。本年の表彰式は、日本時間11月20日に米国アリゾナ州スコッツデールで開催される予定です。

■受賞製品開発の経緯
　近年、持続可能な社会の実現に向けて、各鉄道事業者はエネルギー消費が少ない車両や機器の導入などを進めています。
　今回受賞した「鉄道車両用同期リラクタンスモーターシステムSynTRACS」は、鉄道車両用同期リラクタンスモーター（SynRM）とそれを制御するインバーターで構成されます。当社は、2020年11月に、回転子に永久磁石およびレアアースを全く使用しない同期リラクタンスモーターを駆動するインバーター制御技術を開発しました。この技術により、同期リラクタンスモーターとしては世界最大級となる最大出力450kWと、鉄道車両として必要とされる広い速度範囲での運転を実現するとともに、従来の高効率誘導モーター比で電力損失を50％低減する世界最高レベルの高効率を達成（※3）しました。また、2021年12月から2022年2月まで「SynTRACS」を実際の鉄道車両に搭載した実証試験を行い、消費電力量が高効率誘導モーターシステム比で18％減となる省エネ効果を確認しました。こうした鉄道車両の省エネ化に大きく貢献するシステムの開発と、永久磁石とレアアースを使用しない省資源化の取り組みに加え、2024年度に量産化した実績が高く評価され、今回の受賞に至りました。
　当社は、今後も、今回の受賞につながった高い技術力を強みとして、次世代の鉄道車両用モーターシステムの開発をリードしていきます。

■商標関連
[表: https://prtimes.jp/data/corp/120285/table/304_1_66cf046b50610fb9294b7197b1ccd20c.jpg?v=202510030817 ]

■三菱電機グループについて
　私たち三菱電機グループは、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献します。社会・環境を豊かにしながら事業を発展させる「トレード・オン」の活動を加速させ、サステナビリティを実現します。また、デジタル基盤「Serendie(R)」を活用し、お客様から得られたデータをデジタル空間に集約・分析するとともに、グループ内が強くつながり知恵を出し合うことで、新たな価値を生み出し社会課題の解決に貢献する「循環型 デジタル・エンジニアリング」を推進しています。1921年の創業以来、100年を超える歴史を有し、社会システム、エネルギーシステム、防衛・宇宙システム、FAシステム、自動車機器、ビルシステム、空調・家電、デジタルイノベーション、半導体・デバイスといった事業を展開しています。世界に200以上のグループ会社と約15万人の従業員を擁し、2024年度の連結売上高は5 兆5,217 億円でした。詳細は、www.MitsubishiElectric.co.jpをご覧ください。

※1　2022年11月10日広報発表　https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/2022/pdf/1110.pdf
※2　2023年2月7日広報発表　 　https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/2023/pdf/0207.pdf
※3　2020年11月26日広報発表　https://www.MitsubishiElectric.co.jp/ja/pr/pdf/2020/1126.pdf

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