資生堂、顔画像から将来の肌悩みを予測できるツールを開発 ~鼻骨格に着目した「予防」型ケアにつながる新技術をインナービューティー事業へ活用~

プレスリリース発表元企業:株式会社資生堂

配信日時: 2023-11-30 10:00:00



 資生堂は、鼻骨格としわやたるみといった肌状態や、毛細血管など肌の内部組織といった肌内部の特性に関連があることを発見しました。この成果を応用し、顔の画像を分析することで、将来的に表れやすいしわやたるみなどの肌悩みと肌内部の状態を予測できるツールの開発に成功しました。この技術は、当社がこれまで100年以上にわたり蓄積してきた研究知見を融合して構築した独自の美のアルゴリズム※1 に基づいています。
 これにより、肌悩みが現れる前に予防ケアを提案できるとともに、適したマッサージ法や身体の内側からのケアなど、よりパーソナライズされた新たなアプローチの開発を加速させることが期待できます。
 本研究成果の一部は、2023年10月14、15日に開催された第28回日本顔学会大会にて発表しました。また、この技術は、2024年以降、当社が本格始動するインナービューティー事業で測定ツールとして活用していく予定です。
※1 資生堂、理化学研究所と共同で、 肌・身体・心の関係性に基づく新規肌予測モデルを開発
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003691&rt_pr=trp52
[画像1: https://prtimes.jp/i/5794/2533/resize/d5794-2533-a4cf0dd32d1a6593b26d-0.jpg ]


《研究背景》
 一人ひとりの「今」の肌の状態は、紫外線対策などを含むスキンケアや、食事、運動、睡眠、喫煙などの生活習慣の影響と共に「個々が生まれ持つ肌特性」が関わっていると考えられます。当社はこれまでも今の肌状態について顔画像を用いた評価技術を多数開発し、自宅でのセルフチェックアプリや店頭機器などに応用してきました。さらに個々が生まれ持つ肌特性を知ることができれば、肌悩みに対し事前に対処することができるのではないかと考え、その人本来の特性を高く示している鼻骨格に着目しました。

《鼻の骨格と肌状態や肌内部との関係性を発見》
 顔の形状の特徴として、目の丸み、顔の長さ、唇の大きさ、鼻梁(鼻すじ)の高さ、あごの丸みなど12項目、肌状態の特徴として目尻のしわ、フェイスラインのたるみなど18項目を変数に設定しました。これらの項目について、40~59歳のアジア人女性424名から取得した顔画像や人の目による主観評価をもとに数値化し、解析に用いました。その結果、特に鼻の特徴である「鼻根・鼻梁・鼻翼」※2 とシワやたるみといった肌状態との強い関係性を見出しました。さらに、総合的に解析・評価を行ったところ、「鼻梁の形状と肌の色の彩度」「鼻の骨格と毛細血管等の肌内部状態」にも関連性があることがわかりました。
※2 鼻根:鼻の付け根、鼻梁:鼻すじ、鼻翼:小鼻
[画像2: https://prtimes.jp/i/5794/2533/resize/d5794-2533-712fc23e19ded5b90e57-1.jpg ]

《一般的なスマートフォンによる鼻の画像から、将来の肌悩みを予測するツールを開発》
 今回明らかにした知見を活用することで、鼻の骨格から将来の肌悩みおよび肌内部の特性を予測するツールを開発しました。開発における課題は、一般的なスマートフォンの性能で取得した画像から、鼻の形状を正確に捉えることでした。目や口は肌に対して輪郭がはっきりしているため、形の特徴を定量的に検出することが容易です。しかし、鼻は立体的ではあるものの肌と同じ色であるため、その形状を細かく検出することは非常に困難でした。そこで、顔画像に映し出されたわずかな鼻の影に着目し研究を進めた結果、精細に抽出可能な画像処理技術の開発に至りました。これにより、鼻根、鼻梁、鼻翼を含む、鼻の骨格特徴を、一般的なスマートフォンの性能においても検出可能にすることに成功しました。
 この画像解析技術と、鼻の骨格と肌状態や肌内部との関係性に関する知見を組み合わせ、顔を16種類のタイプに分類し、それぞれについて将来的に表れやすい肌悩みと肌内部の状態を予測することができるツールを構築しました。

《新しい肌予測技術の構築と今後の展望》
 本技術により、肌に表れた悩みに対処する「改善」型のケアに加え、肌悩みが現れる前に対処する「予防」型のケアの実現を目指します。またその対処法として、見つけだした関連と、他の知見を融合させ、化粧品だけではなく、食品、運動、睡眠など心身に働きかける様々なケアの提案を行い、当社の2030年のビジョン「Personal Beauty Wellness Company」を加速させていきます。

《R&D戦略について》
本研究は、R&D 戦略 3 本柱の 1 つである「Future Beauty INNOVATION」のもと、肌・身体・心の関係性を明らかにすることを目的として進められました。・2022年統合レポート(ビューティーイノベーション)
https://corp.shiseido.com/report/jp/2022/value_creation/innovation/?rt_pr=trp52
・キーワード Future Beauty INNOVATION、肌・身体・心の関係性解明


▼ ニュースリリース
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003728&rt_pr=trp52

▼ 資生堂 企業情報
https://corp.shiseido.com/?rt_pr=trp52

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