米中間選挙、データセンター規制に相次ぎ賛成票―テキサスなど3州で規制派知事が当選、AIインフラ投資に逆風

2026年11月5日 10:46

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記事提供元:International Business Times

3日に投開票された米中間選挙で、人工知能(AI)業界は相次いで打撃を受けた。(Photo by Craftsman Concrete Floors on Unsplash)

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 3日に投開票された米中間選挙で、人工知能(AI)業界は相次いで打撃を受けた。多数の有権者が新たなデータセンターへの規制に賛成し、データセンターの拡大抑制を掲げる州知事候補を当選させた。

 ワシントン・ポスト紙によると、少なくとも29の自治体がデータセンターの禁止や制限を盛り込んだ住民投票案を承認した。米大手テクノロジー企業の一部は、高度化が進むAIシステムを支えるインフラに数十億ドル規模の資金を投じている。

 反発は個々の地域社会にとどまらなかった。テキサス、オハイオ、ジョージアの3州で、データセンターの建設一時停止(モラトリアム)や規制強化を支持する民主党の知事候補が当選した。3州はいずれもデータセンター投資を多く呼び込んでいる。

 こうした動きは、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、グーグルなどのAIインフラ開発企業の拡張計画を複雑にする可能性がある。特に、地元の用途地域(ゾーニング)承認や電力供給、水の確保に依存する案件への影響が考えられる。

■オハイオ州で住民投票案が最多

 反発の大きさが鮮明に表れたのはオハイオ州だ。同州では、データセンター関連の住民投票案の件数が全米で最も多かった。

 選挙情報サイトのバロットペディアによると、11月3日には10州で計41件のデータセンター関連の住民投票案が実施された。このうち28件は開発を制限する内容で、13件は開発を後押しする内容だった。

 投票案の内容は、建設の全面禁止や一時停止から、追加の住民承認の義務付けまで幅広い。一部は即時の法的拘束力を持つ規制ではなく、拘束力のない諮問的な住民投票だった。

 バロットペディアの集計によると、オハイオ州ハバードでは約76.6%の有権者が市内でのデータセンター禁止に賛成した。

 同州の他の自治体でも同様に大差がついた。地元メディアのクリーブランド・ドットコムによると、グランビルでは82%が規制に賛成し、トレントンとサンベリーでもそれぞれ約79%、約78%が各投票案を支持した。

 規制の背景には、大規模な計算施設の運営に必要な電力や水をめぐる不満の高まりがある。騒音や土地利用、家庭の光熱費への影響に対する懸念もある。

■テキサス州が最大の焦点に

 もっとも、テクノロジー業界にとってより大きな課題となり得るのはテキサス州だ。民主党のジーナ・イノホサ氏が、共和党の現職グレッグ・アボット知事を破った。イノホサ氏は、州議会が電力、水、大気質、財産権に関する保護策を強化するまで、データセンターの新規建設を一時停止することを支持して選挙戦を戦った。

 テキサス州は、利用可能な土地とエネルギー資源、比較的企業寄りの規制環境を背景に、AIインフラ投資の最も重要な行き先の一つとなっている。

 アクシオスによると、調査会社セミアナリシスは、2028年に見込まれる米国のデータセンター新規容量のうち41%をテキサス州が占めると推計している。

 建設一時停止が6カ月を超えれば、未着工の案件に遅れが生じる可能性がある。ただし、影響の大きさは、新政権が政策をどのように実施し、どの開発案件を適用除外とするかによって変わる。

■ジョージア州、オハイオ州でも政策転換の可能性

 業界は他の州でも変化に直面する可能性がある。ジョージア州で新たに当選した民主党のキーシャ・ランス・ボトムズ氏は開発の一時停止を支持しており、オハイオ州知事に当選したエイミー・アクトン氏は、大量の電力や水を消費する案件に対する要件の厳格化を主張している。

 もっとも、こうした立場がそのまま州全体での禁止につながるわけではない。知事は既存の法律の枠内で行動する必要があり、規制を導入するには州議会の支持を得なければならない場合もある。

 それでも、今回の政治的な変化は、AIインフラ構築の巨額のコストをめぐって疑問の声が出ている業界にとって、厳しい時期に重なった。

 ワシントン・ポスト紙が引用したS&Pグローバルの調査によると、8月上旬までに米国で145件を超えるデータセンター計画が延期または中止となり、その大半は住民の反対が原因だった。

■関連株は時間外で下落

 投資家も財務面への影響を考慮し始めている。ロイター通信によると、データセンター運営会社のアプライド・デジタル、テラウルフ、コア・サイエンティフィック、IRENの株価は4日の取引開始前の時間外取引で下落し、下落率は0.16%から2.9%だった。

 規制が強化されれば、開発業者は電力インフラや環境保護、地域社会の承認取り付けに多くの費用を投じざるを得なくなる可能性がある。その結果、コストが増えたり、新施設からの収益計上が遅れたりする恐れがある。

■トランプ政権のAI戦略にも課題

 今回の結果は、AI開発を加速し、中国に対する米国の優位を強化しようとするドナルド・トランプ大統領の取り組みにとっても課題となる。

 トランプ氏は、政権の技術・経済戦略の一環としてデータセンターへの迅速な投資を推進してきた。しかし、データセンターへの反対は、特に開発計画を抱える地域社会で、共和党支持者と民主党支持者の双方に広がっている。

 業界は、AIのイノベーション、経済成長、国家の競争力を支えるには大規模な計算インフラが不可欠だと主張する。これに対し批判派は、施設の立地について地元住民がより大きな決定権を持たないまま、光熱費の上昇や環境負荷を負わされるべきではないと反論している。次のAI投資の波を計画するテクノロジー企業にとって、こうした意見の対立は、ますます投票によって決着がつけられるようになっている。

※この記事はInternational Business Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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