ヤマシタヘルスケアホールディングス、27年5月期2桁営業増益予想、検査・手術件数回復で増収効果

2026年10月6日 07:58

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、経営理念に「地域のヘルスケアに貢献する」を掲げ、九州を地盤とする医療機器専門商社(山下医科器械)を中心に、収益拡大に向けてヘルスケア領域でのグループ力向上を推進している。10月1日には「求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策」を公表した。27年5月期は2桁営業増益予想としている。売上面は医療機関における検査・手術件数の緩やかな回復を見込み、利益面は人的資本投資による人件費増加や山下医科器械の物流センターリニューアルに伴うコスト増加を増収効果で吸収する見込みだ。第1四半期は人件費の増加などにより営業赤字だったが、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は第1四半期業績を嫌気する形となったが、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。

■九州を地盤とするヘルスケアグループ

 経営理念に「地域のヘルスケアに貢献する」を掲げ、九州を地盤とする医療機器専門商社(山下医科器械)を中心に、継続的な収益拡大に向けて、ヘルスケア領域でのグループとしての収益力向上を推進している。

 事業子会社の山下医科器械は九州を地盤とする医療機器専門商社で医療機器卸売、医療IT、設備設計・施工・メンテナンス、消耗品管理・物流を展開している。26年8月に創業100年を迎える。イーピーメディックは整形外科領域の体内埋没材料(インプラント)の製造・販売、トムスは人工腎臓関連分野に強みを持ち透析装置・関連消耗品を中心とする医療機器卸売・メンテナンス、アシスト・メディコは医療機関の経営・事業承継支援などのコンサルティングサービス、エムディーエックスはRPA・DX技術関連製品・サービスの提供、クロスウェブは医療機関向けネットワーク構築・ソフトウェア受託開発、鹿児島オルソ・メディカルは鹿児島県で整形外科分野に特化した医療機器・関連消耗品の販売、マイクロソニックは乳がんの早期発見を目的とした超音波画像診断装置「ブレストスキャン」など医療用機器の開発・販売を展開している。

 病院向け予約ソリューションを展開するイーディライトについては25年10月に株式譲渡を完了し、26年5月期第2四半期より連結子会社から除外した。

 26年5月期の売上高(セグメント間取引調整前)は、医療機器販売業が642億01百万円、医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)が2億10百万円、医療モール事業(賃料収入)が74百万円だった。

 医療機器販売業の売上高の内訳は、一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が78億59百万円、一般消耗品分野(汎用消耗品、手術関連消耗品等)が265億86百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が148億85百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が131億32百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が17億36百万円だった。

 なお医療機関の設備投資関連のため、第2四半期(9月~11月)および第4四半期(3月~5月)の構成比が高い傾向がある。

■積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行

 中期経営計画(25年5月期~27年5月期)では、基本方針に「積極的投資とグループ機能向上によるバランス経営の実行」を掲げ、目標値は最終年度27年5月期の売上高730億円、営業利益9億50百万円、営業利益率1.3%以上、経常利益10億円としている。なお26年5月期決算発表時(26年7月13日付)に公表した27年5月期連結業績予想は、売上高697億94百万円、営業利益8億33百万円、経常利益5億53百万円としている。資本コストや株価を意識した経営としては、PBR(株価純資産倍率)1.0倍以上、ROE(自己資本当期純利益率)10%以上を目指し、株主還元としては配当性向30%以上としている。

 重点施策として人的資本経営、グループ間連携による新たな価値の創出と生産性向上、持続的成長に向けた投資、ESG経営による地域社会への貢献、ガバナンス最優先の風土醸成などを推進する。

 25年9月には、グループ会社のマイクロソニックが、乳房疾患の早期発見を目的とした医療機器(超音波画像診断装置並びに併用医療機器)である「BreastScan」(ブレストスキャン)および「Viewnus―Linear」(ヴィーナスリニア)について、医療機器として薬事認証取得・届出を完了した。また本製品システムにおいて「乳房の超音波診断装置および検査方法」として特許を取得した。

 サステナビリティ経営への取り組みでは21年8月にESG基本方針を策定、22年7月に長期ビジョン「マルティプライビジョン2030」を策定し、24年8月に「ESG経営に関わる実績および目標」を公表した。また26年3月には山下医科器械が、経済産業省と日本健康会議が選定する健康経営優良法人認定制度において、5年連続で健康経営優良法人2026(大規模法人部門)に認定された。

 なお山下医科器械が26年8月に創業100周年を迎えたのを機に、創業100周年記念テレビCMを制作した。26年8月10日より九州エリアのテレビ局において放送されている。また26年9月には、ESG基本方針を踏まえた25年度の取り組み実績、および今後の設定目標を公表した。10月1日には「求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策」を公表した。

■27年5月期2桁営業増益予想

 27年5月期連結業績予想は売上高が前期比8.8%増の697億94百万円、営業利益が13.1%増の8億33百万円、経常利益が2.4%減の8億55百万円、親会社株主帰属当期純利益が14.6%減の5億53百万円としている。

 第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.2%減の150億45百万円、営業利益が1億31百万円の損失(前年同期は36百万円)、経常利益が1億06百万円の損失(同67百万円)、親会社株主帰属四半期純利益が1億01百万円の損失(同2百万円の損失)だった。

 検査・手術件数の増加により診療材料等の医療機器消耗品の需要が増加したが、医療機関における設備投資需要減少により売上高が前提として微減収となり、人件費の増加なども影響して営業赤字だった。

 医療機器販売業は、売上高が前期比0.1%減の150億68百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が40.5%減の2億12百万円だった。売上高の内訳は一般機器分野(一般医療機器備品、放射線診断装置等)が21.2%減の12億50百万円、一般消耗品分野(汎用消耗品、手術関連消耗品等)が4.9%増の68億15百万円、低侵襲治療分野(内視鏡・サージカル備品等)が1.9%増の35億40百万円、専門分野(眼科、整形外科透析等)が0.2%増の31億82百万円、情報・サービス分野(電子カルテシステム、設備保守メンテナンス等)が21.4%減の2億79百万円だった。一般消耗品分野は検査・手術件数の増加に伴い堅調だったが、医療機関の設備投資需要減少の影響で一般機器分野が低調だった。

 医療機器製造・販売業(整形外科用インプラント製造・販売、超音波を用いた医療用機器の開発・販売等)は、売上高が0.4%増の54百万円で営業利益が20百万円の損失(前年同期は63百万円の損失)だった。医療モール事業(賃料収入)は、売上高が0.1%減の17百万円で営業利益が1.2%減の1百万円だった。

 通期連結業績予想については前回予想(26年7月13日付の期初公表値)を据え置いている。経常利益と親会社株主帰属当期純利益は前期の一過性要因の剥落で減益だが、売上高は医療機関における検査・手術件数の緩やかな回復などにより増収、営業利益は人的資本投資による人件費増加や山下医科器械の物流センターリニューアルに伴うコスト増加などを増収効果で吸収して2桁増益見込みとしている。営業利益の前期比96百万円増益の増減分析(計画)は、増収による売上総利益増加で5億33百万円増益、人件費や教育研修費など人件費関連の増加で2億71百万円減益、広告宣伝費の増加で12百万円減益、事業所・物流センター備品購入費および各種システム保守費など設備管理費の増加で1億25百万円減益、支払手数料・その他販売費の増加で29百万円減益としている。

 重点施策として、人的資本経営の実践、グループ間の連携と協業によるシナジー創出、事業会社への継続的支援と成長加速、ESG経営を踏まえた安定供給と量的物流体制の構築、内部統制とコンプライアンスへの継続的取り組み、グループの管理機能のさらなる充実を推進する。

 人的資本経営の実践では、各事業会社の人材要件を踏まえた効果的な採用活動の継続、事業会社間の異動(出向・転籍)を見据えた人事関連制度の整備、グループ全社のワークエンゲージメント向上施策の企画・実行を推進する。グループ間の連携と協業によるシナジー創出では、各事業会社間の販売チャネル活用や商材共有、持株会社と各事業会社の連携強化による業務効率化、経営資源の成長分野への重点配分を推進する。事業会社への継続的支援と成長加速では、超音波画像診断装置「ブレストスキャン」拡販に向けた実務支援の強化、シェアードサービスの拡充と標準化、経営資源の最適配分を通じた資本効率および収益性の向上を推進する。

 ESG経営を踏まえた安定供給と量的物流体制の構築では、物流構想プロジェクトを踏まえたグループ物流機能の検討、グループBCM(事業継続マネジメント)体制の検討と構築、各事業会社の情報セキュリティの向上を推進する。内部統制とコンプライアンスへの継続的取り組みでは、グループ行動規範の定着と実践、グループガバナンスの実効性向上、事業会社の中期経営計画策定による内部体制強化を推進する。グループの管理機能のさらなる充実では、ホールディングス組織機能の見直しと拡充、迅速かつ柔軟に対応できる経営体制の再構築、社内外のグループリスクに対する迅速な対応を推進する。

 27年5月期は中期経営計画で掲げた最終年度目標(27年5月期売上高730億円、営業利益9億50百万円、経常利益10億円)を下回る見込みだが、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株主還元は配当性向30%以上目安、株主優待制度は5月末の株主対象

 株主還元については配当性向30%以上を目安に、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定かつ継続的な配当を実施することを基本方針としている。この基本方針に基づいて、27年5月期の配当予想は65円(期末一括)としている。前期の107円には山下医科器械創業100周年記念配当30円が含まれているため、普通配当ベースでは前期比12円減配となる。予想配当性向は30.0%である。

 株主優待制度(詳細は会社HP参照)は毎年5月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象に、保有株式数および継続保有期間に応じてオリジナルクオカードを贈呈する。

■株価は上値試す

 株価は第1四半期業績を嫌気する形となったが、目先的な売り一巡して上値を試す展開を期待したい。10月5日の終値は3565円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS217円65銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の65円で算出)は約1.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3680円48銭で算出)は約1.0倍、そして時価総額は約91億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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