マーケットエンタープライズ、27年6月期はV字回復で大幅増益予想、リユース拡大とストック型通信への転換で収益改善
マーケットエンタープライズ<3135>(東証スタンダード)は「持続可能な社会を実現する最適化商社」を目指し、ネット型リユース事業およびモバイル通信事業を展開している。27年6月期はV字回復で大幅増益予想としている。ネット型リユース事業が順調に推移することに加え、モバイル通信事業では契約回線数の着実な積み上げや月額料金値上げ(26年10月実施予定)によりストック型ビジネスへの構造転換と収益性改善を推進する。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。株価は6月末の直近安値圏から徐々に水準を切り上げて反発の動きを強めている。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復した。出直りを期待したい。なお11月13日に27年6月期第1四半期決算発表を予定している。
■持続可能な社会を実現する最適化商社
「持続可能な社会を実現する最適化商社」を目指し、ITとリアルを融合させたリユース事業を中心に事業領域拡大戦略を推進している。
セグメント区分は26年6月期よりネット型リユース事業、モバイル通信事業、その他の3セグメントとした。ネット型リユース事業(個人向けリユース分野、おいくら分野)では、従来の個人向けリユース分野とマシナリー(中古農機具)分野を統合し、共通する顧客基盤およびマーケテイング手法を活用して効率的かつ収益性の高い事業運営体制を構築する。また従来のメディア事業については、既存各事業・各分野とのシナジー強化を目的として各セグメントに再編した。ネット型リユース事業とモバイル通信事業の主力2事業として、さらなる成長を推進する。
26年6月期のセグメント業績は、ネット型リユース事業の売上高が131億83百万円で営業利益(全社費用等調整前)が13億53百万円、モバイル通信事業の売上高が129億54百万円で営業利益が3億60百万円の損失だった。なお収益面の季節要因として、ネット型リユース事業は引越シーズンを含む3~5月が需要のピーク期となるため、同社の業績も下期の構成比が高くなる傾向がある。
■ネット型リユース事業は「高く売れるドットコム」と「おいくら」が主力
ネット型リユース事業は、買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとする個人向けリユース分野、および日本最大級のリユースプラットフォーム「おいくら」(19年2月に事業譲受)分野を主力としている。
個人向けリユース分野は販売店舗を保有せずに、インターネットに特化して買取・販売サービスを展開していることが特長だ。買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして、商材別に分類された30カテゴリーに及ぶ幅広い対応で自社WEB買取サイトを運営し、コンタクトセンターにおける事前査定、リユースセンターにおける買取・在庫一括管理・商品化、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイトでの販売という、一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。また「高く売れるドットコム」と日本最大級のリユースプラットフォーム「おいくら」(19年2月に事業譲受)のシステム連携・送客も強化している。
26年3月にはLINEヤフー主催の「Yahoo!オークション Best Store Awards2025」において、同社が運営する総合リユースECストア「ReReオークションストア」が、4つの部門で部門賞を受賞するとともに、2年連続で総合賞第1位(通算5度目)に選出された。26年5月には同社が運営する「ReReストア」が、メルカリ主催の「Mercari Shops Awards 2025」の家電・デジタル部門で第1位を受賞した。26年7月にはネット型リユース事業全体の累計利用者数が1000万人を突破した。
地域社会における課題解決を目的として地方自治体との取り組みを推進しており、リユースプラットフォーム「おいくら」を導入した地方自治体の不用品リユース事業は、直近では26年1月に奈良県上牧町、茨城県東海村、北海道石狩市、香川県観音寺市、埼玉県川島町、26年2月に茨城県水戸市、山形県鶴岡市、兵庫県播磨町、埼玉県鳩山町、長崎県長与町、埼玉県朝霞市、愛知県蟹江町、千葉県旭市、東京都狛江市、26年3月に東京都豊島区、兵庫県三木市、奈良県河合町、富山県富山市、宮城県亘理町、静岡県函南町、高知県仁淀町、茨城県鉾田市、佐賀県伊万里市、26年4月に愛知県美浜町、東京都八王子市、山形県大石田町、26年5月に東京都品川区、大分県中津市、沖縄県那覇市、東京都中野区、埼玉県桶川市、大阪府大東市、岡山県新見市、三重県菰野町、宮城県仙台市、26年6月に宮城県松島町、佐賀県佐賀市、宮城県石巻市、福井県越前市・南越前町・池田町、千葉県八千代市、26年7月に静岡県掛川市、千葉県香取市、26年8月に長野県須坂市、岡山県浅口市、茨城県古河市、栃木県小山市、千葉県四街道市、徳島県勝浦町、福岡県篠栗町、26年9月に三重県明和町、栃木県那須町、徳島県北島町、愛知県みよし市、岐阜県中津川市、三重県伊賀市が導入し、合計導入自治体数は全国45都道府県351となった。なお「おいくら」の人口カバー率は26年8月時点で50%を突破した。
また24年10月に静岡県磐田市、袋井市らと6者間連携のリユース事業協定を締結、24年12月に成田国際空港と空港内で発生する不用品のリユースに関して業務提携、25年2月に福島県二本松市、本宮市、大玉村、安達地方行政組合とリユース事業協定を締結、25年9月に埼玉県蓮田市と白岡町を構成団体とする蓮田白岡衛生組合とリユース事業協定を締結した。また26年6月に鳥取県西部圏域(米子市、境港市など)を構成団体とする鳥取県西部広域行政管理組合と不用品リユース事業で連携協定を締結した。
25年3月には、東大松尾研発スタートアップのWanderlustとの事業提携およびAIを活用した営業アシスタントの共同開発を発表した。これにより「高く売れるドットコム」の買取成約率向上、および営業スキル向上によるサービス品質向上と売上拡大を目指す。26年4月にはファッションレンタルサービスを展開するエアクローゼットと業務提携し、エアクローゼット月額会員向け買取サービス「エアクロ買取」を開始した。
なお中古農機具については、子会社MEトレーディングが中古農機具の買取代行、国内および海外販売・輸出代行を展開している。
■モバイル通信事業は「カシモ」
モバイル通信事業は、子会社のMEモバイルがMVNO事業者として、通信費の削減に資する低価格かつシンプルで分かりやすい通信サービスを展開している。主力は「カシモ」ブランドのモバイルデータ通信サービスである。25年10月には「カシモWiMAX」の端末交換サービス(24年8月開始)の累計利用数が500件を突破した。26年2月にはKDDIと連携し、米国SpaceX社が提供する衛星通信インターネットサービス「Starlink Business」の取り扱いを開始した。
■27年6月期はV字回復で大幅増益予想
27年6月期の連結業績予想は売上高が前期比1.3%増の265億80百万円、営業利益が4.8倍の3億50百万円、経常利益が8.6倍の3億円、親会社株主帰属当期純利益が1億74百万円(前期は76百万円の損失)としている。
V字回復で大幅増益予想としている。セグメント別売上高計画は、ネット型リユース事業が9.9%増の144億88百万円、モバイル通信事業が7.1%減の120億35百万円である。
ネット型リユース事業は増収増益と順調に推移する見込みだ。個人向けリユース分野は個人向け商材買い取り専門店開設やAI活用による生産性改善などにより増収増益、おいくら分野はGIGA端末更新需要の取り込みなど自治体連携の収益化により増収増益見込みとしている。買い取り専門店については、第1号店を新宿駅前に出店(26年秋予定)し、同様の都心店の多店舗展開を計画している。モバイル通信事業(減収増益見込み)は、契約回線数の着実な積み上げや26年10月実施予定の月額料金値上げによるARPU(1回線当たり利用料金)の改善などにより、ストック型ビジネスへの構造転換と収益性改善を推進する。値上げにより一時的に解約増を見込むが、28年6期には保有回線数の回復と粗利率改善効果の通期フル貢献を見込む。積極的な事業展開で収益回復基調だろう。
なお株主還元について現在は配当を実施していないが、28年6月期以降に業容拡大に伴う利益の増加に合わせ、現在の株主優待費用を配当原資に充当する形で配当を開始する計画を示した。
■株主優待制度は年2回(6月末、12月末)実施
株主優待制度(詳細は会社HP参照)については25年8月14日付で変更(保有期間の見直し)を発表した。25年12末日対象および26年6月末日対象については、500株以上保有株主に対して2万5000円分のデジタルギフトを贈呈する。26年12月末からは、基準日を毎年12月末日および6月末日として、500株以上を1年以上継続保有する株主を対象に2万5000円分のデジタルギフトを贈呈する。なお26年9月10日付で株主優待品の内容変更(デジタルギフトの交換先から「Huluチケット」を除外)を発表した。
■株価は反発の動き
株価は6月末の直近安値圏から徐々に水準を切り上げて反発の動きを強めている。週足チャートで見ると26週移動平均線を回復した。出直りを期待したい。9月28日の終値は1185円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円50銭で算出)は約36倍、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS243円07銭で算出)は約4.9倍、そして時価総額は約63億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
【関連記事・情報】
・【NISA実戦術】結局、何を買えばいいのか――「全世界株」を土台に米国株・日本株を上乗せ(2026/9/19)
・高市改造内閣、「実行力重視」で成長戦略は実行段階へ、株式市場は「国策関連」と長期金利を注視(2026/9/18)
・【株式市場特集】9月の配当権利取りへ8営業日、大幅増配・高配当銘柄に着目(2026/9/14)
・【AIは『意識』を持ったのか】停止妨害・脅迫・外部侵入――最新報告が突き付ける「制御」の壁(2026/9/13)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク