Dyson PencilVac、RTINGSは硬質床でも低評価 超軽量・高機動性とのトレードオフ鮮明に

2026年9月26日 14:55

印刷

記事提供元:Tech Times

(Dyson.com)

(Dyson.com)[写真拡大]

RTINGS.comは2026年9月24日、Dyson PencilVac Fluffyconesの詳細レビューを公開した。直径38mm、重量1.8kgという薄型・軽量設計や取り回しの良さが特徴だが、RTINGSの試験では、主用途である硬質床でもごみを取り残しやすく、カーペットやペットの毛の清掃にも適さないとの結果が出ている。

一方、別の独立系試験サイトVacuum Warsは硬質床性能を平均以上と評価しており、試験方法によって結果には差がみられる。共通して高く評価されているのは、軽さ、家具周辺での機動性、薄型設計、毛がブラシに絡みにくいFluffyconesヘッドなどだ。

■直径38mmに収めた超薄型設計

PencilVac Fluffyconesの特徴は、本体直径わずか38mmという細さにある。ダイソンによると、この筐体に収めるため、新開発のDyson Hyperdymium 140kモーターは直径28mmまで小型化され、最大毎分14万回転する。本体重量はFluffyconesクリーナーヘッド装着時で1.8kgだ。

ダイソン日本法人の仕様では、集じん容積は0.08L、最大運転時間は30分となっている。最大運転時間はエコモードでモーター駆動のないツールを使用した場合の値である。Vacuum Warsの測定ではダストビン容量は75.7ml、最大出力時の運転時間は約9分だった。

米ダイソン公式サイトでは2026年9月26日時点で、Fluffyconesモデルを通常価格599.99ドルから479.99ドル(約7万6000円、1ドル=158円換算)に値下げしている。価格は販売時期や販売店によって変動する。

薄型化の一方で、RTINGSは連続運転時間を「家全体の清掃には短い」と評価した。小型のダストビンも頻繁なごみ捨てにつながるとしており、広い住宅を一度に清掃する用途より、必要な場所を短時間で掃除する使い方に適した設計といえる。

■4本の円すい形ブラシを使うFluffycones

Fluffyconesクリーナーヘッドは、4本の円すい形ブラシバーを前後2組に配置し、それぞれ逆方向に回転させる。ダイソンによると、ブラシの先細り形状とナイロン毛の配置によって髪を先端側へ移動させ、ブラシへの巻き付きを抑えながら排出する仕組みだ。

ダイソンは、長い髪をブラシバーに絡ませず取り除けるとしている。オーストラリアの消費者団体CHOICEも長い人工毛を用いた試験で、毛がブラシに巻き付かず、側方へ毛玉状に排出されることを確認した。

Vacuum Warsの長さ約14インチ(約36cm)の毛髪を使った試験でも、ブラシへの絡まりは抑えられた。一方、長い毛の一部はダストビンに吸い込まれず、ヘッドの横へ排出されたとしており、絡まり防止と毛髪そのものの回収性能は別に考える必要がある。

前後のブラシバーが逆方向に回転するため、ヘッドは前後だけでなく左右にも動かしやすい。ダイソンによると、本体は床面から高さ95mmまで寝かせることができ、低い家具の下にも入りやすい。ヘッドの前後にはLED照明を備え、硬質床上のほこりを進行方向の両側から照らす。

■硬質床評価は試験機関で分かれる

PencilVacは硬質床専用として設計されているが、RTINGSの評価は厳しい。RTINGSは硬質床でのごみ回収について、1回の走行ではごみを残し、床板やタイルの隙間、壁際でも回収性能が低下すると報告した。用途別の「Bare Floor Pickup」は10点満点中4.7点だった。

RTINGSの試験では、小型のダストビンが1回の走行でほぼ満杯になり、それがその後の回収性能に影響した可能性も指摘された。同サイトは、硬質床専用機であるにもかかわらず、硬質床の清掃性能は「poor」と評価している。

これに対し、Vacuum Warsでは硬質床カテゴリーが5点満点中3.15点で、同社が試験したコードレス掃除機の平均1.91点を上回った。微細なごみや中型のごみの回収を評価しており、同じ製品でも試験方法や評価指標によって結果が異なっている。

CHOICEの試験でも結果は一様ではない。培養土などはよく回収した一方、コーンフレークのような大きなごみでは小型ダストビンがすぐに満杯になり、小麦粉の清掃では詰まりが繰り返し発生したとしている。

■カーペットとペットの毛には不向き

カーペットについては、各試験の評価がおおむね一致している。Fluffyconesは硬質床用の柔らかいブラシで、カーペットの繊維内部からごみをかき出す硬いブラシ毛を備えていない。

RTINGSでは低毛足、高毛足ともごみの取り残しがあり、高毛足ではローラーがごみに引っ掛かって停止する場合もあった。RTINGSの「Carpet Pickup」は10点満点中5.0点で、同サイトはカーペットやラグがある住宅では別の掃除機が必要になるとしている。

Vacuum Warsでもカーペットカテゴリーは5点満点中0.40点で、同社のカテゴリー平均3.7点を大きく下回った。同社の試験ではカーペット上でヘッドが停止する場面も確認されている。

ペットの毛についても、RTINGSは10点満点中5.2点と評価した。特にカーペットでは毛を十分に持ち上げられず、家具用の専用ペット毛ツールも付属していないため、抜け毛の多いペットがいる家庭では用途が限られる。

■フィルター性能と取り回しは強み

ダイソンによると、PencilVacの2段階リニアダスト分離システムは、0.3ミクロンの粒子を99.99%捕集する。RTINGSも微細なほこりを排気側へ漏らしにくい点を評価し、空気品質の評価を10点満点中6.9点とした。

一方、RTINGSはダストビンを空にする際には多くのほこりが空気中へ舞うと指摘した。Vacuum Warsも、ごみ捨ての複数の段階でごみやほこりがこぼれやすいとしている。ダイソンが採用する圧縮機構は限られた容積を有効活用するための仕組みだが、ダストビン自体が小さいという制約は残る。

RTINGSが高く評価したのは、約1.8kgの軽さと携帯性、収納性である。小規模な住宅向けの総合評価「Small Apartment」は10点満点中7.1点で、「Stairs」は7.5点だった。

PencilVac Fluffyconesは、1台であらゆる床を掃除する万能型コードレス掃除機というより、硬質床を中心に、軽さや細さ、家具周辺での機動性を重視した製品である。RTINGS、Vacuum Wars、CHOICEの試験結果を合わせると、その設計上の特徴は明確だが、硬質床での回収力については評価が分かれており、カーペットや大量のごみを処理する用途では制約が大きい。

元記事: Dyson PencilVac Fluffycones Scores Near-Zero on Carpet After RTINGS Publishes Full Review

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

関連キーワード