Anthropic、資産運用アドバイザー向けClaudeを提供 SchwabやBlackRockなどと連携

2026年9月16日 20:37

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記事提供元:Tech Times

Anthropicが、金融アドバイザーの面談準備やポートフォリオ確認を支援するClaudeの新製品を提供した。

Anthropicが、金融アドバイザーの面談準備やポートフォリオ確認を支援するClaudeの新製品を提供した。[写真拡大]

Anthropicは2026年9月14日、登録投資顧問業者(RIA)などの金融アドバイザーを対象とする「Claude for Financial Advisors」を発表した。Charles SchwabやBlackRock、Addeparなどの業務システムとClaudeを接続し、顧客面談の準備、ポートフォリオの確認、面談後の記録作成といった業務を支援する。重要な判断や顧客向け文書については、アドバイザーによる確認と承認を前提としている。

■既存の業務システムをClaudeに接続

Claude for Financial Advisorsは、AnthropicのCoworkで利用できるプラグインで、外部サービスと接続する「コネクター」と、特定の業務手順をまとめた「スキル」で構成される。

新たなコネクターの提供企業として、Addepar、BlackRock、Charles Schwab、Envestnet、iCapital、Orion、SS&C Black Diamond、Wealthbox、Wealth.com、Vanguard、Zocksの11社が発表された。これらに加え、Microsoft 365、Salesforce、DocuSign、Box、FactSet、S&P Global、Morningstarなど、Claudeで従来から提供されているコネクターも利用できる。

ただし、Claude for Financial Advisorsの単一プラグインから設定できる連携先としてAnthropicが挙げているのは、BlackRock、Charles Schwab、Addepar、Envestnet、iCapital、Orion、Wealthbox、Wealth.com、Zocksである。一部の企業は、これとは別に独自のプラグインを提供する。

Charles Schwabとの連携では、Schwab Advisor Servicesが管理する残高、保有資産、取引、取得原価、アラート、資金移動の状況などをClaudeから参照できる。BlackRockは、Advisor Centerを通じてモデルポートフォリオや機関投資家向けの分析機能を提供する。

iCapitalとの連携では、顧客が保有するオルタナティブ投資について、純資産価値(NAV)、コミットメント、未拠出資本、直近の資本取引、運用実績などを参照できる。Addeparは公開市場と非公開市場を含むポートフォリオデータや分析機能を、Orionはポートフォリオ報告とRedtail CRMの情報をClaudeに接続する。

■8種類のスキルで日常業務を支援

プラグインには、アドバイザーのオンボーディング、オルタナティブ投資のブリーフィング、コンプライアンスとAIポリシー、相続・税務のブリーフィング、ポートフォリオのリバランス確認、面談後の記録とフォローアップ、面談前準備、見込み顧客の受け付けという8種類のスキルが用意される。

面談前準備のスキルでは、接続されたシステムから顧客の保有資産、最近の口座活動、過去の面談で残された対応事項などを集め、アドバイザーが確認できる資料にまとめる。面談後のスキルでは、文字起こしを基に顧客向けの要約、メールの草案、CRMに登録するタスクなどを作成する。

ポートフォリオのリバランス確認では、顧客の目標配分に対する資産構成のずれや特定資産への集中を抽出し、アドバイザーが確認する説明文の草案を作る。相続・税務のスキルでは、利用可能な資料を基に、口座名義や受取人と相続計画の間に確認が必要な点がないかを整理する。

Anthropicが引用したKitcesの調査によると、一般的なアドバイザリー業務で顧客との面談に充てられる時間は全体の約6分の1で、残りの多くは準備、計画、記録など面談前後の業務に費やされている。Claude for Financial Advisorsは、こうした複数システムにまたがる情報収集と文書作成をまとめ、アドバイザーが顧客対応に使える時間を増やすことを狙う。

■MCPを通じて複数のサービスと連携

各コネクターには、Anthropicが公開したModel Context Protocol(MCP)が活用されている。MCPは、AIアプリケーションと外部のデータやツールを標準的な方法で接続するためのプロトコルである。

この仕組みにより、各サービスの提供企業は自社のデータや機能をMCP対応のインターフェースとして公開し、Claudeは利用者の指示や権限に基づいて必要な情報を取得できる。サービスごとに個別方式の連携を設計する場合と比べ、複数のAIアプリケーションとデータソースを接続しやすくする考え方である。

一方、MCPを利用していること自体が、処理される情報の保管場所や送信範囲を一律に決めるわけではない。実際のデータ処理、保持期間、アクセス権限は、各コネクターの実装、利用契約、企業側の設定によって異なる。

Anthropicは、Claude for Financial Advisorsについて、既存システムの権限と管理体制の下で情報を利用し、管理者向けの監査ログを提供すると説明している。また、同社のウェビナー案内では、顧客データをモデルの学習に使用しないことを規制対象企業向けの管理策として挙げている。

■投資判断や顧客向け文書は人間が承認

Claude for Financial Advisorsでは、重要な処理についてアドバイザーが最終的な判断を担う。Claudeはブリーフィングや分析の草案を作成し、CRMの更新や顧客向け文書を実行前の状態まで準備するが、投資推奨、顧客とのコミュニケーション、コンプライアンス上の判断、その他の規制対象活動は人間による確認と承認の対象となる。

登録投資顧問業者には、顧客の最善の利益を優先する受託者責任がある。AIが作成した説明や分析が不正確だった場合でも、顧客に助言を提供する責任がAIへ移るわけではない。このため同製品は、自律的に金融助言を提供する仕組みではなく、資料の収集、整理、下書きを支援する業務システムとして設計されている。

コンプライアンス用スキルは、顧客向けの表現を米証券取引委員会(SEC)のマーケティング規則に照らして確認し、追加の審査が必要となる可能性のある箇所を指摘する。企業が独自に設定した基準を利用できるほか、レビューの記録やAI利用方針の文書化も支援する。

ただし、同スキルが規制への適合を自動的に認定するものではない。最終的なコンプライアンス判断と記録管理は、導入企業と担当者がそれぞれの規程に基づいて行う必要がある。

■OpenAIは金融データを組み込んだ別方式

OpenAIは2026年9月10日、「ChatGPT for Financial Services」を発表した。ChatGPT Enterpriseを基盤とする金融機関向けプランで、当初は投資銀行業務と株式調査を主な対象としている。

同製品には、Daloopa、PitchBook Essentials、Crunchbase、LSEG Newsなどの金融データが組み込まれている。対象データはOpenAIによってインデックス化、ホスティングされ、利用者は個別のデータ契約やコネクター設定を行わずに、提供範囲内の情報を検索できる。

Anthropicの製品が、金融アドバイザーの既存システムや顧客対応のワークフローとの接続に重点を置くのに対し、OpenAIの製品は、投資銀行家や株式アナリストによる企業調査、財務モデリング、比較分析、提案資料の作成を初期の重点分野としている。

両製品の違いは、すべての顧客データをどちらの企業が保管するかという単純な二者択一ではない。Anthropicはコネクターを通じた既存システムとの連携を中心とし、OpenAIはライセンスを受けた金融データセットをあらかじめ組み込む方式を採っている。企業が導入を検討する際には、対象となるデータごとに、送信範囲、保存場所、利用権限、監査機能、学習への利用条件を確認する必要がある。

■Enterprise契約企業向けに提供

Claude for Financial Advisorsのプラグインは提供が始まっており、Anthropic Enterpriseを契約している企業はCoworkのプラグインブラウザから導入できる。Anthropicは、記録管理を支援する監査ログが含まれることから、RIAにはEnterpriseプランを推奨している。

Enterpriseを契約していない企業は、Anthropicの申請フォームから問い合わせる。2026年9月末までに新規ライセンスを申請したアドバイザリー企業には、導入を支援する1回限りの利用クレジットが提供される。

Anthropicは、米東部時間2026年9月18日午前11時、日本時間では同日深夜に、製品の仕組みや導入方法を紹介するウェビナー「Inside Claude for Financial Advisors」を開催する予定だ。

■未発表の「Claude Money」も確認情報が浮上

これとは別に、ClaudeのiOSアプリで「Money」と表示された未公開の画面が確認されたと、アプリの新機能を調査するTestingCatalogが2026年9月14日に報じた。画面には、銀行口座を接続し、支出や今後の計画についてClaudeに質問するよう促す案内が表示されていたという。

Anthropicは「Claude Money」と呼ばれる機能を正式に発表していない。提供時期、対象国、対応する金融機関、口座接続を担う事業者、料金、利用できる操作の範囲も明らかになっていない。

確認された画面は、銀行口座の情報を使った対話型の個人資産管理機能を検討している可能性を示すものだが、一般提供や最終的な機能を裏付けるものではない。Claude for Financial Advisorsとして正式発表された企業向け製品とは、現時点では別の未確認情報として扱う必要がある。

元記事: Claude for Financial Advisors Debuts With BlackRock, Schwab; Client Data Stays on Custodian Servers

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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