SpaceX株、9月9日に約3.2億株のロックアップ解除 次の焦点は決算後の大型解除

2026年9月3日 01:53

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記事提供元:Tech Times

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SpaceXのインサイダーや既存株主が保有する約3億1900万株について、2026年9月9日にロックアップの一部が解除される予定だ。解除された株式がすべて直ちに売却されるわけではないが、市場で取引可能となる株式が段階的に増えるため、投資家は需給への影響を注視している。

より大規模な解除が見込まれるのは、第3四半期決算の公表後だ。決算発表日はまだ正式に示されていないものの、目論見書の条件に基づけば、対象株式の最大28%に当たる約13億株が決算公表後に売却可能となる可能性がある。

■9月9日に約3億1900万株が売却可能に

SpaceXは2026年6月12日にNasdaqへ上場し、ティッカーシンボル「SPCX」で取引を開始した。公募価格は1株135ドルで、初値は150ドルだった。

同社が米証券取引委員会に提出した目論見書では、上場前から株式を保有していた一部の株主について、売却制限を一度に解除せず、決算発表や上場後の経過日数に応じて段階的に解除する仕組みが定められている。

9月9日の解除は、この段階的なスケジュールの一部であり、対象となる約3億1900万株が新たに売却可能になる。1株143ドルで計算すると市場価値は約456億ドル、1ドル160円換算で約7兆3000億円に相当する。

もっとも、ロックアップ解除は株主に売却を義務づけるものではない。売却制限がなくなっても、各株主が株式を保有し続ける可能性があり、実際に市場へ出る株数は保有者の判断や口座への株式移管状況などによって変わる。

■8月の解除後は株価が異なる動き

SpaceXでは、第2四半期決算の公表を受け、8月6日に最大約9億1150万株が売却可能となった。この日は売却可能株数が大きく増えたにもかかわらず、SPCX株は6.1%上昇した。

株価上昇は、売却可能となった株式のすべてが直ちに市場へ出るわけではないことを示している。ロックアップ解除前に売り圧力を見込んだ取引が進んでいた可能性や、解除後の売却が市場の予想より少なかった可能性など、複数の要因が考えられる。

SpaceXの上場前株式には、複数の投資家から資金を集めて株式を保有する特別目的事業体(SPV)を通じたものもある。こうした株式では、SPVから実質的な保有者へ株式を移す手続きが必要になる場合があり、法的な売却制限の解除と、各保有者が実際に取引できる時期が一致しないこともある。

8月20日には、上場後70日目に対応する最大約3億1900万株の制限が解除された。同日のSPCX株は5%近く下落し、一時は135ドルの公募価格を下回った。

ただし、同日の値動きだけから、売却制限を解除された株式がどの程度市場に出たかを特定することはできない。株価は企業業績、市場全体の動向、投資家心理などにも左右されるため、ロックアップ解除日と株価下落を単純な因果関係で結ぶべきではない。

■10月まで段階的な解除が続く

SpaceXの目論見書では、9月9日以降も上場からの日数に基づく解除日が設定されている。9月24日に対象株式の最大7%、10月9日に最大7%、10月24日に最大7%がそれぞれ売却可能となる。

株数に換算すると、各回の規模はおおむね3億1900万株から3億2800万株となる。対象となる株主や株式の種類によって適用条件が異なるため、これらは各日付に必ず市場へ放出される株数ではなく、その日以降に売却可能となる上限である。

段階的な解除によって市場で取引可能な株式が増えれば、上場直後と比べて流動性が高まる可能性がある。一方、既存株主が実際に売却へ動いた場合には、買い需要とのバランスによって株価の上値を抑える要因にもなり得る。

Piper Sandlerは8月、今後の売却可能株数の増加がSpaceX株の評価に影響する可能性を指摘し、目標株価を156ドルから140ドルへ引き下げた。同社は、ロックアップ解除による需給への影響が2027年夏ごろまで評価上の重荷となる可能性があるとの見方を示している。

■第3四半期決算後は最大約13億株

日付に基づく解除よりも規模が大きいのが、第3四半期決算の公表に連動する解除だ。目論見書では、第3四半期決算が一般に公表された後、所定の条件を満たす株式について、対象となるロックアップ株の最大28%を売却可能にする規定が設けられている。

対象株数は約13億株と見積もられ、9月9日に予定される約3億1900万株の4倍を超える。段階的な解除スケジュールの中では、単一の機会として最も大きな規模となる可能性がある。

SpaceXは記事公開時点で、第3四半期決算の発表日を正式に公表していない。このため、解除日も確定していない。目論見書の規定では、決算情報が公表された後の所定の取引日を経て制限が解除される。

決算発表後の解除では、売却可能株数の増加だけでなく、決算内容や今後の事業見通しも同時に株価へ影響する。売上高や収益性、設備投資、StarlinkやStarshipなど主要事業の進展に対する市場の評価と、大幅に増える売却可能株を買い手がどこまで吸収できるかが焦点になる。

■12月には残りの対象株も解除へ

180日間のロックアップに関する残存分は、目論見書上、2026年12月8日前後に解除される予定だ。第2四半期決算に連動した解除、日付に基づく各回の解除、第3四半期決算後の解除を経たうえで、条件を満たさず残っている対象株式がこの時点で売却可能となる。

SpaceXのロックアップ条件には、株価に応じて最大10%を早期解除する規定もあった。公募価格135ドルを30%上回る175.50ドル以上の終値を、指定された10営業日のうち5営業日で記録することが条件だったが、第2四半期決算前の判定期間では達成されなかった。

このため、同条件の対象だった最大約4億5580万株は8月に早期解除されず、ほかの残存株とともに通常のロックアップ期間が適用される。12月に実際に売却可能となる総数は、それ以前の決算連動型解除の適用状況などによって決まる。

イーロン・マスク氏の保有株には、別の長期ロックアップ条件が適用されている。2026年8月の提出書類では、同氏が約64億2000万株を保有し、SpaceXの株式の48.4%、議決権の82%超を握っていることが開示された。この持ち分は2027年6月まで売却制限の対象となる。

■企業価値への期待と需給リスク

SpaceX株を巡っては、Starlinkの成長や打ち上げ事業に対する期待がある一方、上場後の株価水準と事業価値の隔たりを警戒する見方もある。

MorningstarはSpaceX株の適正価値を1株63ドルと見積もっている。同社の評価は、Starshipの再使用能力や宇宙空間でのデータセンター事業など、将来の技術開発と商業化に幅広い結果があり得ることを前提に、複数のシナリオを確率加重して算出したものだ。将来予測に大きな不確実性があるため、現在の株価と単純に比較する際には評価条件を考慮する必要がある。

証券会社の評価も一様ではない。事業成長を見込んで買い判断を示すアナリストがいる一方、巨額の設備投資や技術開発、売却可能株数の増加が株価評価を抑える可能性を指摘する見方もある。

ロックアップ解除による影響を考える際には、解除株数だけでなく、実際の売却量と取引高の関係を見る必要がある。対象株が大量にあっても保有者が売らなければ直接の供給は増えず、一部しか売却されなくても通常の取引高に比べて大きければ株価へ影響する可能性がある。

■Nasdaq-100連動商品にも影響

SpaceXは2026年7月7日、Nasdaq-100指数の構成銘柄に採用された。同指数はNasdaq市場に上場する大手非金融企業で構成され、世界で200を超える金融商品、総額8000億ドル超の運用資産が連動している。

Nasdaq-100に連動するインデックスファンドやETFは、指数の算定方法と各商品の運用方針に応じてSPCX株を保有する。したがって、SpaceX株の比重が変更された場合には、連動性を維持するための売買が発生する可能性がある。

ただし、個々の商品の保有比率や調整時期は、指数の正式な構成比、ファンドの追随方法、単一銘柄への上限設定などによって異なる。9月の見直しで一定量の追加購入が必ず行われると事前に断定することはできない。

投資家がSpaceXへの間接的な投資比率を把握したい場合は、保有するファンドの最新の構成銘柄と運用方法を確認する必要がある。特定銘柄の組入比率に上限を設けた商品では、通常の時価総額加重型指数と異なる比率になる場合もある。

■投資家が確認すべき点

9月9日に約3億1900万株の売却制限が解除されても、それだけで同数の売り注文が発生するわけではない。注目すべきなのは、解除後の取引高、実際に市場へ出る株式の規模、既存の買い需要、株価の変動を総合した需給の変化だ。

さらに重要なのは、その後も9月24日、10月9日、10月24日と段階的な解除が続くことだ。個々の日の値動きより、取引可能な株式が増えていく過程で、株価が企業業績や将来見通しをどのように織り込むかを継続的に見る必要がある。

第3四半期決算後には最大約13億株が売却可能となる可能性があり、決算内容と株式需給が同時に評価される局面になる。決算発表日は未定であり、実際の解除株数や売却量も確定していないものの、予定されているロックアップ解除の中では特に大きな需給イベントとなる可能性がある。

元記事: SpaceX Stock Lockup Hits Tuesday: November Earnings Tranche Dwarfs September 9 by Four Times

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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