『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』9月23日公開、分岐する時間軸は『ドゥームズデイ』へどうつながる

(Marvel.com)[写真拡大]
『アベンジャーズ/エンドゲーム』に新映像を追加した特別版『アベンジャーズ/エンドゲーム:アンコール』が、日本では2026年9月23日から10月8日まで期間限定で劇場公開される。追加映像は、12月18日公開の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』へ物語をつなぐ内容とされている。
『エンドゲーム』では、過去への移動が現在を直接書き換えるのではなく、別の時間軸を生み出す仕組みとして描かれた。新作ではロバート・ダウニー・Jr.がドクター・ドゥームを演じるが、ドゥームがどのような方法で時間やマルチバースに関与するのかは明らかになっていない。現段階で注目できるのは、追加映像によって『エンドゲーム』の時間移動が次回作の物語へどのように接続されるかという点だ。
■『エンドゲーム』が採用した分岐型の時間移動
『エンドゲーム』では、アベンジャーズが量子世界を経由して過去へ移動し、各時代からインフィニティ・ストーンを集める「タイム泥棒作戦」を実行した。
劇中のブルース・バナーは、過去へ移動しても自分たちの現在が書き換えられるわけではないと説明する。過去へ移動した時点で、旅行者にとってその時代は新たな未来となるためだ。さらにエンシェント・ワンとの会話では、インフィニティ・ストーンを持ち去ることで時間軸が分岐する可能性も示される。
この仕組みにより、2014年のサノスと配下が2023年へ移動しても、アベンジャーズが出発した時間軸からサノスの過去が消えるわけではない。過去への介入によって別の展開をたどる時間軸が生まれるという構造が、物語上のパラドックスを避ける役割を担っている。
こうした発想には、量子力学の多世界解釈を連想させる部分がある。多世界解釈は、測定時に波動関数が一つの結果へ収縮すると考えず、異なる結果に対応する状態がそれぞれの枝で展開すると捉える量子力学の解釈である。
トニー・スタークも時間移動を検討する場面で、量子ゆらぎやプランク尺度とともに「ドイチの命題」に言及する。デイヴィッド・ドイチは量子計算とエヴェレット流の量子力学を研究してきた実在の物理学者だが、「ドイチの命題」は確立された学術用語ではない。劇中の名称を、そのまま特定の物理理論の採用宣言とみなすことはできない。
それでも、複数の結果が分岐した世界で展開するという多世界解釈のイメージは、『エンドゲーム』の時間移動を読み解く補助線になる。映画は量子力学を再現しているのではなく、過去を変えても出発前の現在が消えない物語構造に、量子的な分岐の発想を重ねている。
■ドクター・ドゥームと時間移動の関係
ドクター・ドゥームは原作コミックで、科学と魔術の双方に通じた人物として描かれてきた。初登場作の『ファンタスティック・フォー』第5号では、ファンタスティック・フォーを過去へ送る時間移動装置を使用しており、時間移動はキャラクターの長い歴史を構成する要素の一つである。
この装置は一般に「タイムプラットフォーム」と呼ばれる。ただし、マーベルのコミックで使われる架空の装置であり、閉じた時間的曲線やノヴィコフの自己整合性原則によって作動すると公式に定められているわけではない。
閉じた時間的曲線とは、一般相対性理論の一部の時空解に現れる、出発点より過去の出来事へ戻り得る経路を指す。ノヴィコフの自己整合性原則では、そのような経路が存在しても、時空全体と矛盾する出来事は起こらず、過去への介入を含めた歴史が大域的に整合すると考える。
これは、過去への介入によって別の時間軸が生じる『エンドゲーム』の物語とは異なる考え方だ。分岐型の時間移動と、単一の歴史が因果的に閉じる自己整合的な時間移動を比較すると、タイムトラベル作品がパラドックスを処理する代表的な二つの構造が見えてくる。
一方で、ドクター・ドゥームのタイムプラットフォームをノヴィコフ型の装置と位置付け、両理論が『ドゥームズデイ』で衝突すると考えるのは、現段階では作品解釈の域を出ない。映画版のドゥームがタイムプラットフォームを使うことも、その装置が特定の物理モデルに従うことも発表されていない。
■新映像が『ドゥームズデイ』への架け橋に
マーベルの日本公式情報によると、『エンドゲーム:アンコール』には『ドゥームズデイ』の物語への布石となる新映像が追加される。日本では9月23日から10月8日まで、全国329館で期間限定公開される予定だ。
ジョー・ルッソ監督は、『ドゥームズデイ』の物語を追ううえで『エンドゲーム』を見ることが重要になり、アンコール版が最新作を補完する物語や布石になると説明している。
一方、予告編では追加映像の具体的な内容は明かされていない。新映像にドクター・ドゥームが登場するのか、『エンドゲーム』のどの場面と接続するのか、時間移動が中心的な題材になるのかも不明だ。追加部分が約4分であるとの情報も、マーベルの日本公式発表では確認できない。
したがって、現時点でアンコール版に二つの時間移動理論が同居すると断定することはできない。確認されているのは、『エンドゲーム』に『ドゥームズデイ』へつながる新映像が加わり、両作品の物語上の関係が示されるという点である。
■時間移動の設定を読み解く科学的な補助線
『エンドゲーム』の時間移動は、多世界解釈そのものを映像化したものではない。多世界解釈は量子力学の測定問題を扱う枠組みであり、人間が過去へ移動できるとする理論ではない。
映画との共通点は、異なる結果が別の枝で展開するという情報構造にある。アベンジャーズが過去へ介入しても元の現在が書き換えられない仕組みは、分岐した状態が並行して展開するイメージと重ねて見ることができる。
ノヴィコフの自己整合性原則は、これとは別の時間移動モデルを考える手掛かりになる。分岐を生じさせるのではなく、過去で行われた行動も含めて歴史全体が矛盾なく成立するという発想だ。
ドクター・ドゥームの映画版設定にこの原則が採用されるとの情報はないが、二つの考え方を比較することで、『ドゥームズデイ』が分岐した時間軸をどのように扱うかを見る視点が得られる。ドゥームの原作に時間移動装置が存在するという事実は、作品を楽しむための補助線にはなるが、新作の展開を確定させるものではない。
■『ドゥームズデイ』が示す次の時間軸
『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』では、ロバート・ダウニー・Jr.がトニー・スタークではなく、ヴィクター・フォン・ドゥーム役でMCUに戻る。アンソニー・ルッソとジョー・ルッソが監督を務め、日本では2026年12月18日に公開される予定だ。
公式に示された物語では、異なる三つのユニバースに属するヒーローたちが衝突へ向かい、かつてない脅威に直面する。マルチバースが物語の重要な要素になる一方、ドゥームと『エンドゲーム』の時間移動が具体的にどう結び付くかは伏せられている。
『エンドゲーム:アンコール』の注目点は、異なる物理理論の勝敗ではなく、2019年に描かれた分岐型の時間移動が、次のアベンジャーズの物語にどのような意味を持つのかにある。追加映像は、その接続を初めて示す手掛かりとなりそうだ。
■注目ポイントQ&A
●『エンドゲーム:アンコール』は日本でいつ公開されますか?
2026年9月23日から10月8日まで、全国329館で期間限定公開される予定です。米国では9月25日に再上映が始まります。
●追加される新映像の長さや内容は判明していますか?
『ドゥームズデイ』への布石となる新映像が追加されることは発表されていますが、日本公式情報では長さや具体的な内容は明かされていません。ドクター・ドゥームが登場するかどうかも未発表です。
●『エンドゲーム』は多世界解釈を採用しているのですか?
劇中では、過去への介入が元の現在を書き換えず、別の時間軸を生む仕組みが描かれています。この構造には多世界解釈と重ねられる部分がありますが、映画の時間移動を現実の量子力学から直接導いたものではありません。
●「ドイチの命題」は実在する理論ですか?
デイヴィッド・ドイチは実在する物理学者で、多世界解釈や量子計算に関する研究で知られています。ただし、「ドイチの命題」という名称は一般に確立された学術用語ではなく、映画独自の表現です。
●ドクター・ドゥームの時間移動装置はノヴィコフの原則で動くのですか?
そのような公式設定は確認されていません。原作コミックのドゥームがタイムプラットフォームを使うことは確認できますが、その作動原理を閉じた時間的曲線やノヴィコフの自己整合性原則と結び付ける見方は科学的な比較考察です。
●『ドゥームズデイ』で二つの時間移動理論が衝突するのですか?
現時点では不明です。映画版ドゥームの時間移動能力や装置は発表されておらず、アンコール版の新映像が二つの物理モデルを同一作品内に導入するとも確認されていません。
元記事: Avengers Endgame Encore Opens September 25: Two Incompatible Time-Travel Models
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
スポンサードリンク
