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京写、27年3月期1Qは増収・大幅増益、通期上振れの可能性、価格適正化とコスト改善が寄与
京写<6837>(東証スタンダード)はプリント配線板の大手メーカーである。26年5月に策定した「長期ビジョン2036」および「中期経営計画2029」では、コアコンピタンスである印刷技術を活かし、グローバル市場における成長分野への展開を加速する方針としている。また中期経営計画の27年3月期~29年3月期を「既存事業の事業基盤強化・構造改革、成長を支える分野へ挑戦」の期間と位置づけている。27年3月期は大幅増益・増配予想としている。価格適正化やコスト改善への継続的な取り組みに加え、前期の一過性のコスト増加要因の一巡も寄与する。第1四半期は増収・大幅増益と順調だった。第1四半期の進捗率が高水準であることを勘案すれば会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なお8月14日付の日本経済新聞に「自社工場でプリント基板製造時に排出される銅を回収して販売する事業を始める」との記事が記載された。株価は急伸した7月の年初来高値圏から急反落したが、調整一巡して急反発している。1倍割れの低PBRなども評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。
■プリント配線板の大手メーカー
プリント配線板の大手メーカーである。世界最大の生産能力を誇る片面プリント配線板、および両面プリント配線板を柱として、実装治具関連事業も展開している。販売先は自動車関連、家電関連、事務機関連など、幅広い顧客層(国内1000口座、海外300口座)を獲得している。
プリント配線板は独自のスクリーン印刷技術をベースとして、防塵対策基板、熱伝導放熱基板、ファイン回路片面基板などに技術的な強みを持っている。そして高温工程で繰り返し使用可能なノンシリコーンタイプ粘着キャリア、電子部品の急速な小型化に対応した業界初のスクリーン印刷法による0603チップ部品対応片面配線板、伸縮性のある材料にスクリーン印刷で直接回路を形成するストレッチャブル基板(プリンタブル基板)などの受注拡大が期待されている。
プリント配線板の生産は国内、および中国、インドネシア、ベトナムに展開し、片面プリント配線板は世界最大の生産量を誇っている。なお25年5月にはインド駐在員事務所を開設した。インド市場でのプリント配線板の事業拡大を目指す。またメキシコ子会社では実装搬送治具の製造を中止した。
ベトナム子会社は両面配線板のグローバル生産拠点として21年1月に販売開始、23年8月に第2生産ラインが稼働開始して生産能力が2倍に拡大した。自動車関連向けを主力としている。なおベトナム子会社には自動車関連電子部品実装のエヌビーシー(岐阜県大垣市、05年から資本業務提携して協力関係)が出資している。24年3月には同社を割当先とする増資を行い、増資後の出資比率は同社94.12%、エヌビーシー5.88%となった。
21年5月にはメイコー<6787>と資本業務提携した。ともにプリント配線板事業を主力としているが、得意とする製品が異なるため棲み分けができている。中国やベトナムで事業拡大を進めるなど共通点が多く、グローバルに協業することで相互補完が可能な状況にあるとしている。経営資源の相互活用などでシナジー創出を図る方針だ。
25年4月には、タイのFirst Quality(中国の四会富仕電子科技股分有限公司のタイにおける製造子会社、多層プリント配線板製造)と戦略的業務提携した。それぞれが得意とするプリント配線板分野で生産・販売の相互協力を行う。
■自動車関連が主力
26年3月期セグメント別業績(連結消去前)は、日本の売上高が106億72百万円で営業利益が39百万円の損失、中国の売上高が126億34百万円で営業利益が8億62百万円、インドネシアの売上高が27億61百万円で営業利益が1億62百万円の損失、メキシコの売上高が1億35百万円で営業利益が6百万円の損失、ベトナムの売上高が39億09百万円で営業利益が1億18百万円だった。
製品別売上高は、片面板が101億76百万円、両面基板(多層板、銀スルーホール基板含む)が96億61百万円、アルミ基板(金属基板)が16億83百万円、実装関連が25億27百万円、その他が6億48百万円だった。
用途別の売上高は、自動車関連(ライト、電装品、カーオーディオ等)が102億02百万円、家電製品(LED照明、エアコン、炊飯器、冷蔵庫等)が54億49百万円、事務機(複写機、プリンター等)が30億75百万円、電子部品(電源、モーター、センサー等)が13億86百万円、電気機器(スマートメーター、計測機器、電動工具等)が6億56百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメント等)が14億02百万円、実装関連(実装、治具)が25億27百万円だった。自動車関連が主力である。
■「長期ビジョン2036」および「中期経営計画2029」
26年5月に「長期ビジョン2036」および「中期経営計画2029」を策定した。基本方針として、コアコンピタンスである印刷技術を活かし、さらに熱対策技術を強みとしてグローバル市場における成長分野への展開を加速する。10年後の目指す姿に「熱対策技術と印刷技術で設計・開発からリサイクルまでの全プロセスで最適なソリューションを提供する」を掲げ、中期経営計画の27年3月期~29年3月期を「既存事業の事業基盤強化・構造改革、成長を支える分野へ挑戦」の期間と位置づけている。
29年3月期の中期経営目標値には売上高280億円、営業利益20億円、営業利益率7%、ROE10%、配当性向30%、36年3月期の長期経営目標値には売上高400億円、営業利益40億円、ROE10%を掲げている。
36年3月期の事業(製品)別売上高の目標は片面板が140億円、両面板/多層板が140億円、金属基板が70億円、実装関連が45億円、その他が5億円(26年3月期実績は片面板が101億円、両面板/多層板が96億円、金属基板が17億円、実装関連が25億円、その他が7億円)としている。片面板はグローバル市場でのトップブランドとして、インド市場の白物家電向けの需要取り込み、アセアン市場のOAや白物家電向けの拡販を推進する。両面板/多層板は高効率化や供給能力拡大に向けて、ベトナム工場の増設、提携先からの調達販売拡大、ラインアップの強化などを推進する。金属基板は成長市場での事業拡大・高収益化に向けて、国内外生産ラインの増設、欧州顧客への車載向けインバーターや、AIサーバ電源など電子電気機器向けの拡販を推進する。実装関連は新領域への展開として、半導体・医療分野などへの拡販を推進する。
36年3月期の地域別売上高構成比の目標は日本が28%、中国が14%、アセアンが21%、米州が17%、欧州が8%、インドが12%(26年3月期実績は日本が42%、中国が18%、アセアンが22%、米州が16%、欧州が0%、インドが2%)としている。成長市場であるインド、および未開拓市場である欧州での販売拡大を推進する。
片面板の事業戦略は、市場トップシェアによる利益最大化を推進し、29年3月期売上高110億円(国内40億円、海外70億円)、利益10億円を目指す。販売戦略ではグローバル日系需要の確実な取り込み、国内蛍光灯廃止に伴うLED照明切り替え需要の取り込み、OA・白物家電関連のインド市場および脱中国アセアンシフト需要の取り込み、非日系顧客開拓(インド、中華、欧州系)を推進する。製造戦略では九州工場の拡張投資による生産性向上、中国工場から全工場への生産技術の横展開、材料メーカーとのパートナーシップ構築を推進する。技術戦略では片面複層基板の技術確立、機能基板の市場開拓を推進する。
両面板の事業戦略は、構造改革による収益基盤再構築を推進し、29年3月期売上高95億円(国内30億円、海外65億円)、利益2億円を目指す。販売戦略では工場最適化による自動車・家電市場のさらなる深耕、未開拓市場(医療系、アミューズなど)への参入による増販、海外提携先の再構築による販売機会の創出、インドおよび欧州系向け自動車需要の開拓を推進する。製造戦略では国内量産2工場体制から新潟工場へ集約し、京都工場は技術商品、試作、少量多品種生産、治工具生産とする。またベトナム工場においては、生産技術の新工法導入によって競争力を強化する。技術戦略ではベトナム工場への資源リサイクルシステム導入、両面複層基板の技術確立、機能基板の市場開拓を推進する。
金属基板の事業戦略は、技術開発による成長事業の拡大を推進し、29年3月期売上高40億円(国内12億円、海外28億円)、利益5億円を目指す。販売戦略では放熱用としてLEDヘッドライト・照明向け金属基板需要の取り込み、大電流用としてEVパワーユニット、パワー半導体、AIサーバ電源向け厚銅基板の拡販、欧州非日系向け自動車用金属基板の拡販、有力材料メーカーとの協業による新市場の開拓を推進する。製造戦略では九州工場の拡張投資によるアルミ基板専用生産ライン導入、京都工場厚銅基板生産ライン導入および量産体制確立を推進する。技術戦略では生産技術(工法、プレス加工)向上による差別化を推進する。
実装関連の事業戦略は、特定市場・用途の開発によるブランド確立を推進し、29年3月期売上高国内30億円(治具12億円、実装18億円)、利益3億円を目指す。販売戦略では半導体や医療向けなど新用途の開拓、治具ラインアップ強化(切削、粘着)による拡販、製品開発段階からのソリューション提案による拡販、京写グループおよび協力会社との連携強化によるワンストップ体制(設計、基板、治具、実装)による拡販を推進する。製造戦略ではAIを活用したスマートファクトリー化、製品設計機能の構築、技術戦略では金属加工技術の追求を推進する。
27年3月期~29年3月期累計投資額は、構造改革投資として5億円(日本の両面板事業再編、治具生産投資)、事業基盤強化投資として20億円(日本の片面板および実装治具の自動化投資、中国およびインドネシアの生産性改善・自動化投資、ベトナムの新工法・自動化および銅廃液リサイクル投資)、成長投資として10億円(日本の金属・厚銅基板量産体制構築、製品設計・開発の強化)の計画としている。
■27年3月期大幅増益・増配予想
27年3月期の連結業績予想は、売上高が前期比1.2%増の250億円、営業利益が33.2%増の11億円、経常利益が46.2%増の8億円、親会社株主帰属当期純利益が5.5倍の4億30百万円としている。配当予想は前期比4円増配の9円(期末一括)としている。予想配当性向は30.5%となる。
第1四半期の連結業績は売上高が前年同期比6.2%増の64億95百万円、営業利益が97.3%増の3億61百万円、経常利益が88.8%増の2億60百万円、親会社株主帰属四半期純利益が47.3%増の1億62百万円だった。
受注増加と販売価格適正化効果で増収・大幅増益だった。国内では家電製品向けや新規の自動車向けに基板売上が増加したほか、実装関連も航空機向け、AIサーバ等の産業機器向けが増加した。販売価格適正化も寄与した。海外ではインドネシアの増産体制が整い、事務機分野を中心に受注が大幅に増加した。またインド向け家電製品関連が堅調だった。中国は受注減少、原材料価格高騰、人件費増加等で減収減益だった。ベトナムは自動車向けの減少で減収減益だった。
地域別セグメント業績(売上高はセグメント間内部取引を含む)は、日本の売上高が8.1%増の27億67百万円で営業利益が1億26百万円(前年同期は71百万円の損失)、中国の売上高が0.9%減の33億03百万円で営業利益が15.9%減の2億05百万円、インドネシアの売上高が39.5%増の8億67百万円で営業利益が38百万円(同56百万円の損失)、メキシコの売上高が7.4%減の34百万円で営業利益が0百万円(同4百万円)、ベトナムの売上高が13.2%減の9億13百万円で営業利益が36百万円の損失(同15百万円)だった。
製品別の売上高は片面板が14.9%増の27億87百万円、両面板(多層板と銀スルーホール基板を含む)が1.8%増の24億87百万円、金属基板が7.5%増の5億01百万円、実装関連が8.6%減の5億76百万円、その他が6.0%減の1億41百万円で、用途別の売上高は自動車関連が4.2%増の27億73百万円、家電製品が11.2%増の13億83百万円、事務機関連が16.5%増の8億77百万円、電子部品が25.5%増の4億43百万円、電気機器が46.3%減の1億10百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメントなど)が22.4%増の3億33百万円、実装関連が8.6%減の5億76百万円だった。
通期の連結業績予想については前回予想(26年5月15日付の期初公表値)を据え置いて、大幅増益・増配予想としている。売上面は小幅増収だが、利益面は販売価格適正化やコスト改善に継続的に取り組むほか、前期の一過性要因(国内における金属基板の量産立ち上げ費用の増加、インドネシアにおける設備増強に伴う稼働調整)の影響が一巡することも寄与する。
通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高が26%、営業利益が33%、経常利益が33%、親会社株主帰属当期純利益が38%である。第1四半期の進捗率が高水準であることを勘案すれば会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は急反発
株価は急伸した7月の年初来高値圏から急反落したが、調整一巡して急反発している。1倍割れの低PBRなども評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。8月17日の終値は392円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS29円51銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の9円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS677円93銭で算出)は約0.6倍、そして時価総額は約57億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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