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上場1年半弱:笑美面の新規事業と足元の好収益
笑美面(9237、東証グロース市場)。介護施設の入居検討者に対し施設を紹介するマッチング事業が主。ここにきて注力しているのが、介護業者へのコンサルタント。
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2023年10月に新規上場の笑美面を久方ぶりに覗いて見ようと思ったのは、上場来好収益を続けていると知ったからだった。この間しばしば指摘しているが、「介護事業の厳しさ⇔倒産増」が報じられている。そうした中で「マッチング」事業を展開する同社が、何故好調なのかを確認したかったからである。
上場直後の23年10月期は「33.6%増収、361.6%営業増益」、前10月期も「59.9%増収、89.1%営業増益」。そして今期も「56.4%増収(20億3500万円)、20.6%営業増益(2億6100万円)」計画。
但し第2四半期予想は47.5%増収も、「2500万円の営業損失」。笑美面では「コーディネーターなどの採用が上期に集中するため」と、発信している。冒頭に記した、介護事業者に対する、「コンサル事業」の拡充を意味する。介護施設のコンサル子会社を新たに設立した。用地情報から入居斡旋・流動化までを、一気通貫で手掛けるためだという。
創業者社長の榎並将志氏は設立時(2010年)を、こんな風に振り返っている。
「少子高齢化社会の進捗は、時の流れだ。介護分野は伸びる。マッチングサポートの需要は増すと確信した。が、いわゆる特養老人ホームの数は不足している。他の介護施設、例えば介護付き有料老人ホームなどは今後とも増えよう。この情報ギャップにビジネスチャンスがある」。起業家の発想法を、改めて感じさせられた。
同社が本格的な事業展開に踏み出したのは、2018年。三菱UFJキャピタルがその方向性を評価したのが、大きな契機だった。
笑美面は公開価格1240円に対し、1801円で生まれた。45%強高い水準。期待を背負っての登場だったといえる。三菱UFJキャピタルも相応の水準の売却益を得たはずである。
そしてROE30%強に見て取れるように笑美面は、「儲け上手」な企業と捉えられる。その収益動向を背景に、1年半近くが経ったいまの株価は2000円トビ台。初値を上回っている。予想PER19倍強。関連業界にあって、高水準。昨年来高値3200円(4月10日)、安値1534円(10月10日)から右肩上がりのトレンド揉み合い。
新規注力事業の進捗具合も見守らなくてはならない・・・と同時に配当開始・分割などの施策も待たれる。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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