婚活事業:IBJの伸長は、若者層の結婚観変化を意味しているのか!?

2023年11月28日 08:31

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11月には、大阪のヒルトンプラザウエストにお見合い専用ラウンジ「IBJラウンジ」がオープンした(画像: IBJの発表資料より)

11月には、大阪のヒルトンプラザウエストにお見合い専用ラウンジ「IBJラウンジ」がオープンした(画像: IBJの発表資料より)[写真拡大]

 IBJ(東証プライム)。婚活サービスを展開。直営の結婚相談所の他、結婚相談事業を手掛けたいと考える(ex現にそうした銀行なども存在)個人・法人との連盟事業。婚活アプリや婚活パーティなど多角的に手掛けている。

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 四季報のパラパラ読みでIBJに目が留まったのは、記した様な事業を展開しながら【連続増益】という業績欄の見出しだった。現に2022年12月期は「4.5%増収、31.5%営業増益、41.7%最終増益」、今12月期も「11.0%の増収(163億4000万円)、11.3%の営業増益(22億1800万円)、最終利益14億9400万円」計画。開示済みの第3四半期時点の実績の進捗率はそれぞれ「83%、78%、92%」と上々。

 結婚離れ、という先入観がある。今回も資料・データの類を繰ってみた。

 国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料集」は「2030年の生涯未婚率(50歳時点で独身)は男性が3割、女性が2割」としながらも、「そんな彼らも『いつかは結婚するつもり』と考えている。未婚状態の要因は、出会いや恋愛のキッカケが見つからなかったとしている」と記している。

 婚活アプリを運営するマッチングエージェントでは、「パソコンやスマホを介して結婚に至って」生まれる市場規模は「2017年の258億円から23年には927億円、25年には1060億円に達しよう」と予想している。

 こうしたデータを確認すると、「やはり、先入観は捨てるべき」と思えてくる。IBJの今期第3四半期の決算資料を、覗いてみた。

★お見合い会員の予備軍(マッチング会員): 16万1000人/直営店&加盟店(4050カ所)のお見合い会員数: 9万4000人/年間成婚組数1万1921組。

 セグメント別でみると・・・

「直営店事業」: お見合い件数7万7282件(前年同期比8.3%増。過去最高)。売上高62億7599万円(6.2%増)、事業利益13億7750万円(4.1%減)。

「(ノウハウを提供している)加盟店事業」: 売上高22億4710万円(9.5%増)、事業利益13億4732万円(6.8%増)。

「マッチング事業」: 予備軍向けイベントの開催。マッチング事業(婚活の入り口としての、複数人によるネット上の遣り取り)。売上高13億8765万円(33.3%増)、事業利益2億2011万円(11.2%増)。

 「ライフデザイン事業」: IBJは結婚に伴い発生する指輪・保険・住宅等の斡旋・仲介も展開。売上高36億4498万円(258.0%増)、事業利益4億7640万円(232.2%増)。商売上手!?

 本稿作成中の時価は700円台半ば。10月の年初来安値590円からの出直り段階。ちなみにIFIS目標平均株価は1150円。さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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