ChatGPT応用し仏教チャットボット「親鸞ボット」「世親ボット」開発 京大ら

2023年9月15日 07:44

印刷

研究のイメージ。今回の研究により、仏教対話 AI の複数化に成功した (c) 京都大学熊谷誠慈准教授

研究のイメージ。今回の研究により、仏教対話 AI の複数化に成功した (c) 京都大学熊谷誠慈准教授[写真拡大]

 京都大学、テラバースなどは12日、Open AIが開発したChatGPT 4を応用して、仏教チャットボット「親鸞ボット」と「世親ボット」を開発したと発表した。現存する仏教経典を機械学習しており、質問者の悩みに宗教的な観点から回答してくれるという。

【こちらも】結婚式の司会をChatGPTに丸投げのカップル AIに永遠の愛を誓う 米国で

 研究グループでは、さらに歴史的な哲人や聖人のチャットボットの開発を進め、デジタル空間に伝統知を再現していきたいとしている。

■仏教×ChatGPT 4

 2022年11月にOpen AIが公開した自然言語処理AI、ChatGPT 4は、その生成する文章の自然さ、情報の多彩さ、応用範囲の広さなどから世界中の人を驚かせた。

 研究グループは、2021年3月に、すでにGoogle社提供のアルゴリズム「Sentence BERT」を応用し、最古の仏教経典「スッタニパータ」などを機械学習させた仏教チャットボット、「ブッダボット」を発表していた。ただこの仏教チャットボットは、質問に対して、仏教経典の文言をそのまま答えるだけのものだった。

 そこで研究グループは、ChatGPT 4に着目。ChatGPT 4を応用した「ブッダボットプラス」を2023年7月に完成した。これにより、質問に対してより丁寧でわかりやすい回答が可能となった。

 ただ、「ブッダボット」も「ブッダボットプラス」も機械学習用のデータとして、経典に基づいたQ&Aリストを使用しており、その作成に莫大な時間がかかっていた。

■「親鸞ボット」と「世親ボット」を量産

 そこで研究グループは、ChatGPT 4を応用することで、経典や著作を直接、機械学習させることに成功。仏教チャットボットの作成スピードを飛躍的に高めた。

 こうして作成された親鸞ボットは「正信偈」を機械学習しており、浄土信仰的な回答が、世親ボットは「倶舎論」を機械学習しており、仏教哲学的な回答が、それぞれ多いという。なお初期経典を機械学習しているブッダボットは、平易な仏教的回答が多いそうだ。

 ちなみに親鸞は、12~13世紀の日本の高僧で「南無阿弥陀仏」の念仏でしられる浄土真宗の開祖。世親は4世紀のインドの高僧で、大乗仏教の2大哲学の1つである「唯識」を大成したことでしられる。

 さらに研究グループは、これらの仏教チャットボットについて、AR(拡張現実)技術を使って視覚、聴覚などによるコミュニケーションも可能にした。

 研究チームでは今後、さらに歴史的な哲人、聖人などのチャットボットを作成し、デジタル空間に伝統知を再現していきたいとしている。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事