バブル後の戻り高値を更新することによって上へのバイアスが強まりやすい/東京株オープニングコメント

2023年5月19日 08:21

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記事提供元:フィスコ

*08:21JST バブル後の戻り高値を更新することによって上へのバイアスが強まりやすい
 19日の日本株市場は、堅調な相場展開が見込まれる。18日の米国市場はNYダウが115ドル高、ナスダックは188ポイント高だった。週次失業保険申請件数の減少を受けて追加利上げ観測が強まり、売りが先行した。その後、マッカーシー議長が来週にも下院で債務上限問題を討議する見通しを示すと債務上限交渉の妥結期待が強まり、相場は上昇に転じた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比315円高の30905円。円相場は1ドル138円60銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップスタートになりそうだ。日経225先物はナイトセッションの開始直後に30940円まで急伸した。その後はこう着感が強まったものの、30910円と高値圏で終えている。昨日の日経平均は30667.13円まで上昇し、21年9月高値30670.10円に迫ったことから、その後は売り買いが交錯する格好だった。しかし、21年9月高値を一気に上放れることで、売り方の買い戻しの動きが一段と強まりそうだ。

 足もとの急ピッチの上昇で過熱感は警戒されるものの、バブル後の戻り高値を更新することで需給状況は大きく改善する。3万円回復からの強いトレンドによって先物市場ではショーポジションをヘッジする動きも強まっており、先高期待から積極的に買っているというよりは、買い戻しによって相場全体が押し上げられている。昨日の東証プライムの騰落銘柄は値上がり数が若干上回ったものの、基本はインデックスに絡んだ主力大型株主導であり、個別ではまちまちの動きである。日経平均の強い動きに対して、センチメントはそれ程強気に傾いているとは言えない状況であろう。

 ただし、バブル後の戻り高値を更新することによって上へのバイアスが強まりやすくなると考えられ、出遅れている銘柄などへの物色に向かわせそうだ。米国の債務上限問題については、楽観視は禁物ではあるものの、デフォルトリスクは後退している。また、海外投資家による日本株選好の動きが意識されるなか、バブル後の戻り高値更新によって出遅れている海外ファンドなどの資金流入が期待されよう。テクニカル面での過熱感を警戒しつつも強気スタンスになりそうだ。《AK》

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