【どう見るこの株】フューチャーリンクネットワークは底固め完了、23年8月期黒字転換予想で中期成長も期待

2023年3月28日 12:24

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 フューチャーリンクネットワーク<9241>(東証グロース)は、独自の地域情報インターネットメディアである地域情報プラットフォーム「まいぷれ」をベースとして、地域情報流通事業および公共ソリューション事業を展開している。23年8月期は両事業とも伸長し、先行投資負担を吸収して黒字転換予想としている。第1四半期の営業利益は先行投資も影響して赤字だったが、概ね想定内の水準だったとしている。通期ベースでの収益改善、さらに積極的な事業展開で中期成長も期待したい。株価は安値圏でモミ合う形だが、地合い悪化の状況でも大きく下押す動きは見られず、底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。なお4月14日に23年8月期第2四半期決算発表を予定している。

■地域情報プラットフォーム「まいぷれ」

 ビジョンに「地域活性化を継続的かつ発展的事業の形で実現することで社会に貢献する」を掲げ、地域に点在する付加価値を流通させる独自の地域情報プラットフォーム「まいぷれ」をベースとして、地域情報流通事業および公共ソリューション事業を展開している。

 地域情報プラットフォーム「まいぷれ」はローカルコンテンツに特化した独自の地域情報インターネットメディアである。専門スタッフが地域の中小事業者・店舗の魅力を最大限に引き出すための効果的な広告を作成し、商圏を絞って掲載する。さらに直営エリアおよび運営パートナー企業が全国各地の情報を収集する体制を活かして、地域のイベント・コミュニティ・行政情報などのオリジナル情報も発信する。千葉県船橋市をはじめ同社拠点の近隣地域を同社直営エリアとし、それ以外の地域では全国で編集機能を担う運営パートナー企業と協業体制を組んで運営している。22年12月1日時点で運営サイトは317サイト、運営パートナー企業は156社、運営エリアは813市区町村となっている。

 地域情報流通事業は、主に地域の中小事業者・店舗を対象に情報配信を支援する事業、その仕組みを全国各地の運営パートナー企業へビジネスモデルとして提供する事業で構成されている。主な事業収益は「まいぷれ」への掲載によって地域の中小事業者から得られる月額課金のプラットフォーム利用料、全国各地域の運営パートナー企業から得られるパートナー加盟料およびロイヤルティである。

 公共ソリューション事業は、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」を活用した官民協業事業として、全国各地の自治体のふるさと納税業務の受託、地域内限定で利用できる地域共通ポイント「まいぷれ」ポイント制度の自治体への提供、利用者にとって利便性の高い官民協業ポータルサイトの構築・運営受託、地域イベントのサポートやインフォーメーションセンター運営、システム受託開発・ソリューションなどを展開している。主な収益は自治体から得られる業務委託費や手数料などである。22年12月1日時点で、ふるさと納税業務受託自治体数は39自治体となっている。

 特徴・強みとしては、直営および運営パートナー企業を通じて全国の中小事業者にリアルな接点を持ち、経営やマーケティングを直接サポートできる体制を構築していること、創業以来蓄積してきた官民協業事業の実績とノウハウで、持続的にニーズを掴み、新たなサービスを展開できることなどがある。

 22年1月にはライトアップ<6580>と資本業務提携した。22年9月には、地方自治体のふるさと納税業務支援とBPO業務を展開する子会社の公共BPOを設立(出資比率60%、シフトセブンコンサルティングおよびサンクネットと合弁)した。22年10月には、Instagramダイレクトメッセージを自動送信するシステム「iステップ」運営などSNSマーケティング支援を展開するネルプと業務提携した。両社の強みを生かした地域事業者向けローカルマーケティングサービスおよび地方自体向けSNS活用支援サービスを開発・展開する。

 22年12月には、地域情報プラットフォーム「まいぷれ」の有料利用店舗数のうち、Googleビジネスプロフィール(GBP)との連携店舗数が5000店舗を突破した。23年2月には、カタログギフト管理システムを運営する地元カンパニーと業務提携した。そして23年3月に、地域の魅力的な産品を集めたカタログギフト「まいぷれのご当地ギフト」の販売を開始してギフト事業を立ち上げた。

 23年8月期第1四半期の事業別(23年8月期より、従来のマーケティング支援事業を地域情報流通事業に統合)の売上高は、地域情報流通事業が1億77百万円、公共ソリューション事業が1億58百万円だった。

■単価向上とエリア拡大によって成長の好循環目指す

 成長戦略としては、独自の地域情報プラットフォーム「まいぶれ」のサブスクリプション型サービスとしての価値を高めるとともに、単価の向上、運営パートナー企業の成長とエリア拡大、さらに公共ソリューションの課題解決手段の拡充によって、成長の好循環を目指す方針としている。

 単価の向上では、新商品「まいぷれアナライザー」など地域事業者向け経営支援機能拡充により、プラットフォームの価値向上を目指す。運営パートナー企業の成長とエリア拡大では、成長するパートナーの運営事例をもとにして、新規創業の運営パートナーに対する経営支援・サポート機能の充実を図る。

 公共ソリューションについては、ふるさと納税において展開地域の拡大を図るとともに、返礼品の開拓や魅力を高めるための商品化支援など、契約自治体における寄付額向上施策に取り組んで受託自体の増加を図る。なお自治体DXやふるさと納税による地域活性化のさらなる加速を目的として、22年9月に子会社の公共BPOを設立した。ふるさと納税の業務支援にとどまらず、地方自治体の業務支援ソリューションへ展開し、持続可能な地域社会と地域活性化を加速させる方針としている。

 当面の目標値としては、平均単価(1店舗あたり平均月額掲載料、21年8月期実績4915円、22年8月期実績5300円)は23年8月期に5870円、運営パートナー企業数(21年8月期実績154社、22年8月期実績153社)は23年8月期に173社、展開エリア(21年8月期実績764市町村、22年8月期実績802市町村)は23年8月期に862市町村を掲げている。

 なお22年8月31日時点において、東証グロース市場の上場維持基準のうち流通株式時価総額が適合していなかったため、22年11月28日付で上場維持基準適合に向けた計画書を作成・開示している。

 計画期間を25年8月末までとして、地域情報プラットフォーム「まいぶれ」を基盤に単価の向上と展開エリアの拡大によって成長の好循環を目指し、企業価値の向上(時価総額の増大)に取り組む方針としている。さらに、アナリスト・機関投資家向け決算説明会開催と個人投資家向け動画公開などに加え、株式市場における認知度向上と幅広い投資家の理解促進に向けてIR活動を強化する方針としている。

■23年8月期黒字転換予想で中期成長も期待

 23年8月期連結業績予想(子会社の公共BPOを設立して連結決算に移行のため前期比増減率非記載)は売上高が15億円、営業利益が11百万円、経常利益が11百万円、親会社株主帰属当期純利益が8百万円としている。22年8月期の非連結業績(売上高12億54百万円、営業利益54百万円の赤字、経常利益56百万円の赤字、当期純利益71百万円の赤字)との単純比較で売上高は19.6%増収、各利益は黒字転換の見込みである。

 第1四半期は売上高が3億36百万円、営業利益が20百万円の赤字、経常利益が20百万円の赤字、親会社株主帰属四半期純利益が14百万円の赤字だった。前年同期の非連結業績(売上高3億37百万円、営業利益が2百万円の赤字、経常利益が3百万円の赤字、四半期純利益が3百万円)との単純比較では微減収、赤字拡大となった。

 売上面では、地域情報流通事業は運営パートナー企業の新規加盟獲得が回復基調となって8.3%増の1億77百万円と好調だが、公共ソリューション事業はふるさと納税業務受託自治体数(第1四半期末時点で39自治体)が前年同期の40自治体まで回復しなかったため8.8%減の1億58百万円となり、全体として0.5%減収だった。利益面は、公共ソリューション事業の売上構成変化により、売上総利益率が全体として2.4ポイント上昇したが、地域情報プラットフォーム「まいぶれ」の価値向上に向けた積極的な先行投資を継続し、販管費が12.1%増加したため各利益の赤字が拡大した。

 なお第1四半期の主要KPIは、地域情報プラットフォーム「まいぶれ」利用店舗数(全体で登録されている店舗数合計)は1万8173店舗、平均単価(直営エリアの22年11月末時点の有料利用店舗の平均、新商品「まいぷれアナライザー」利用料含む)は5252円、運営パートナー企業数は156社、契約エリア数は813市区町村、ふるさと納税寄付金額(第1四半期合計)は15.8億円、ふるさと納税自治体数は39市町村となった。

 通期予想は据え置いている。地域情報流通事業、公共ソリューション事業とも伸長し、先行投資負担を吸収して黒字転換予想としている。事業別の売上高は地域情報流通事業が27.2%増の8億18百万円、公共ソリューション事業が11.6%増の6億81百万円、全体の売上総利益は22.9%増の9億43百万円、売上総利益率は1.7ポイント上昇の62.9%、販管費は13.4%増の9億32百万円の計画としている。

 第1四半期の営業利益は先行投資も影響して赤字だったが、概ね想定内の水準だったとしている。通期ベースでの収益改善基調、さらに積極的な事業展開で中期成長を期待したい。

■株価は底固め完了

 株価は安値圏でモミ合う形だが、地合い悪化の状況でも大きく下押す動きは見られず、底固め完了感を強めている。出直りを期待したい。3月27日の終値は1160円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS9円76銭で算出)は約119倍、前期実績PBR(前期非連結実績のBPS344円40銭で算出)は約3.4倍、そして時価総額は約10億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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