離乳食サブスクのMiL、5.5億円を調達 商品ラインアップ拡充へ

2023年1月16日 08:41

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(画像: MiLの発表資料より)

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 離乳食や子供向けフードのサブスクリプションサービスなどを展開するMiL(ミル:東京都港区)は13日、5.5億円の資金調達を行ったと発表した。第三者割当増資と、日本政策金融公庫からの融資によるもので、累計資金調達額は15億円となった。

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 ミルが展開するサブスクサービス「the kindest(カインデスト)」は累計190万食を突破。調達資金は同サービスの商品ラインアップの拡充にあてる。プラットフォームの回収や品質管理システムの構築、販路拡大などにも活用する予定だ。

 ミルの商品は、管理栄養士や小児科医が栄養バランスを監修し設計している。好みやアレルギーにあわせて内容が選べるほか、月例にあわせておすすめを提示。素材は国産有機で安全性が高く、離乳食のパウチなら出すだけですぐ食べさせることができる。これまで150万食を販売している。

 同社が運営する子育ての問題解決を提供する会員向けのプラットフォームでは、日本の出生数の約10%を会員として毎月獲得していると言う。購買や閲覧の履歴、行動、SNSなどのデータを用いて、ユーザーのエンゲージメントを高める。

 商品は開発から製造までを行い、ネットを中心に消費者に直接販売まで行うD2Cのライフスタイルブランドを展開。小売店経由の販売にも注力しており、2022年12月時点で赤ちゃん本舗などベビー専門店や百貨店など約600店に配荷している。

 事業ドメインはフードテックとヘルスケアだ。フードテックの国内外市場規模は2025年までに約700兆円に成長すると試算されている。また、矢野経済研究所の調査によると2021年の国内ベビー関連市場は前年比1.0%増の約4.3兆円。

 ミルは今後、蓄積したデータを活用し子育て関連商品企業とユーザーとのマッチングを行う予定。OEMなども手掛ける。ベビーフードで獲得した知見や技術を用いて、シニア向けや糖尿病食、嚥下食、減塩食も展開する計画だ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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