クリーク・アンド・リバー社の23年2月期2Q累計は2桁増益で過去最高と順調

2022年10月7日 16:39

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  クリーク・アンド・リバー社<4763>(東証プライム)は、10月6日の取引時間終了後に23年2月期第2四半期累計連結業績を発表した。日本クリエイティブ分野や医療分野の好調が牽引して2桁増益となり、第2四半期累計として過去最高業績と順調だった。そして通期2桁増益予想を据え置いている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。なおコーポレートベンチャーキャピタルとして、子会社C&Rインキュベーション・ラボを設立した。株価は地合い悪化の影響で9月の上場来高値圏から一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年2月期2Q累計2桁増益で過去最高、通期も2桁増益予想

 23年2月期第2四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用で売上高に影響だが、利益への影響軽微)は、売上高が前年同期比6.2%増の223億34百万円、営業利益が16.4%増の25億11百万円、経常利益が16.1%増の25億23百万円、親会社株主帰属四半期純利益が27.2%増の17億88百万円だった。日本クリエイティブ分野や医療分野の好調が牽引して大幅増益となり、第2四半期累計として過去最高業績と順調だった。

 なお収益認識会計基準適用により、日本クリエイティブ分野の電子書籍取次事業およびライセンス販売代理人事業で売上高の総額表示を純額表示に変更、請負事業で完成基準から進行基準に変更している。この影響額として、従来方法に比べて売上高が10億26百万円減少、売上原価が10億88百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ62百万円増加している。旧基準による売上高は11.1%増の233億60百万円だった。営業利益以下への影響は軽微だった。

 日本クリエイティブ分野は、売上高が3.3%増の149億60百万円(旧基準では10.4%増収)で、営業利益(調整前)が13.7%増の14億79百万円だった。売上面はプロデュース事業が好調だった。TV番組企画・制作、YouTubeチャンネル運用受託、ゲーム制作受託・開発、Webコンテンツ制作・開発、さらに「漫画LABO」関連などを中心に伸長した。利益面では増収効果に加えて、利益率の高いプロデュース事業の好調やDX投資による生産性向上なども寄与した。

 韓国クリエイティブ分野は、売上高が1.6%増の17億71百万円で、営業利益が3百万円の損失(前年同期は2百万円の利益)だった。コンテンツ事業のデジタルコミック(Webtoon)やYouTube関連が伸長したが、コロナ禍の影響でTV局への派遣稼働数が一時的に減少した。

 医療分野は売上高が21.6%増の31億85百万円で、営業利益が38.8%増の11億46百万円だった。医師紹介が好調に推移し、新規事業(クリニック経営支援)投資を吸収した。なおコロナ禍の影響が和らいだため、レジナビFairのリアル開催を再開し、オンライン開催と合わせたハイブリッド型として開催している。

 会計・法曹分野は売上高が8.6%増11億21百万円で、営業利益が59.0%増の62百万円だった。コロナ禍の影響を受けていた人財紹介が回復基調となった。

 その他事業(新規事業合計15社)は、売上高が12.0%増の12億95百万円で、営業利益が1億81百万円の損失(前年同期は14百万円の損失)だった。投資段階の事業が多いため全体として営業損失が拡大したが、売上面では15社のうち6社が増収、営業利益では15社のうち4社の損益が改善した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が113億71百万円で営業利益が16億87百万円、第2四半期は売上高が109億63百万円で営業利益が8億24百万円だった。なお第2四半期の営業利益は、第1四半期に比べて大幅に減少し、前年同期との比較でも11%減益となったが、これは医療分野の収益が上期偏重(特に第1四半期偏重)となる季節特性に加えて、第2四半期から成長に向けた投資を活発化させたためである。

 上期の成長投資としては、C&Rクリエイティブスタジオのメタバース化(年内オープン予定)、VR建築展示場「XR EXPO」の構築、収益認識会計基準対応や生産性向上に向けたDX化、子会社設立(グループ化含めて上期に5社設立)などを推進した。さらに、新卒採用の強化(22年4月入社実績160名に対して、23年4月入社目標350名)および入社前研修の充実も推進している。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年2月期比5.3%増の440億円、営業利益が17.2%増の40億円、経常利益が17.0%増の40億円、親会社株主帰属当期純利益が12.4%増の25億円としている。なお収益認識会計基準適用の影響を除く旧基準ベースの売上高は10.0%増の460億円の計画としている。配当予想は22年2月期比3円増配の23円(期末一括)としている。12期連続増配予想である。

 日本クリエイティブ分野を中心に各セグメントが好調に推移し、成長投資を吸収して2桁増益予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高が51%、営業利益が63%、経常利益が63%、親会社株主帰属当期純利益が72%だった。医療分野の収益は上期偏重となる季節特性があることを考慮しても順調な水準であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は地合い悪化の影響で9月の上場来高値圏から一旦反落したが、素早く切り返しの動きを強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。10月6日の終値は2583円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS112円15銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約0.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS540円83銭で算出)は約4.8倍、時価総額は約594億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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