コニカミノルタ、デザインが与える印象を可視化 購買への最適デザイン提案

2022年8月29日 16:36

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ヒトがどこに注目するかを知り、訴求ポイントを目立たせる例(画像: コニカミノルタの発表資料より)

ヒトがどこに注目するかを知り、訴求ポイントを目立たせる例(画像: コニカミノルタの発表資料より)[写真拡大]

 コニカミノルタ(東京都千代田区)は26日、感性脳工学に基づき購買につながるデザインを追求できるオンラインサービスを発売すると発表した。サービス名称は「EXplainable感性ソリューション」で、今秋に発売予定だ。

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 画像解析を行い、ポスターやパッケージ、Webサイト、カタログなどのデザインが感性にどう働きかけるかを定量的に示す。商品の陳列などマーケティングに関するあらゆる項目に関してカバーしている。

 視知覚認知過程をベースにし、数理モデルを画像解析に実装。デザインの形状や色、輝度のどこに人が注目しやすいかをヒートマップで示す。これを参考に、目立たせたいポイントの改良を行うことなどができる。

 文字を抽出し、その注目性を表示することも可能。背景や文字の色を変更しながら、より目立つデザインを選ぶこともできる。

 例えば「スタイリッシュ」「ナチュラル」「モダン」など、配色が人に与える印象に関してのデータも搭載している。それをもとに、デザインが与える印象を自動分析し、レーダーチャートで示す。訴求したい客層や、コンセプトにあった印象を与える配色の修正などにつなげることができる。

 既に同サービスを活用した事例がある。例えばエールが運営するECサイト「型抜き印刷ドットコム」では、型抜き印刷による効果を検証。同じマグカップに一般的なタグと型抜きのタグをつけ、いくらに見えるかのアンケートを実施。一般的なタグは335円だったが、型抜きタグをつけた場合650円との回答が得られたという。

 1.9倍高額に見えるという効果があったため、同サービスによって感性評価を行った。一般的なタグは彩度と明度が低く「単調な印象」を与えており、型抜きタグは「モダンな印象」を与えているということが科学的に検証できたという。

 コニカミノルタは、脳科学を用いて感性の見える化を研究する「精神的価値が成長する感性イノベーション拠点」に参加。脳メカニズムや知覚に関する知見を獲得し、同サービスの開発につなげた。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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