メタ事業が苦境! ザッカーバーグ氏の計画行方は!?

2022年8月3日 08:05

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●ザッカーバーグ氏が楽観的すぎたと認める

 米国巨大IT企業のメタ・プラットフォームズ(旧Facebook)のザッカーバーグCEOは、7月28日の従業員集会で、事業計画が楽観過ぎたことを認めたとロイター通信などが報じている。

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 社名をフェイスブックからメタに変えるほど、メタバース事業に注力する計画を立てており、2022年2月には、2021年度第3四半期にメタバース事業へ約100億ドルを投じたと発表していた。

 米国全体の株価が頭打ちになっていることもあるが、メタの株価は今年に入り、半額以下に落ち込んでいる。2022年度第2四半期決算の売上高は減少し、四半期での減収は初めてとなった。

 メタバース事業の躓きは、メタ全体にとっても死活問題であり、今後はどのように巻き返すのか?

●メタ事業の現在地

 Facebookはここ最近、2020年の米大統領選挙や、独禁法、元社員の内部告発などで苦境に立たされ、その打開策としてザッカーバーグ氏が選んだのが、メタ事業あった。

 SNS事業からメタバース事業に事業転換すると発表している。メタバースはイベントなどでの活用だけでなく、医療サービスにおいても今後活用が期待される。

 ただ仮想空間での取引となると、法律やルールの面での整備が課題であり、セキュリティの面ではまだまだ発展途上の面もある。

●難しい舵取りを迫られるザッカーバーグ氏

 メタ社全体としては、まだまだ広告収入に頼らざるを得ない状況にある。

 米国全体が景気後退期を迎え、広告収入が削られることも予想され、他のGAFAのハイテク企業同様に苦境は続きそうだ。

 ザッカーバーグ氏は従業員集会で、コロナ禍での売上の伸びがこのまま続くと見込んでいたと答えており、コロナ禍の巻き戻しが広告収入だけでなく、メタバースの普及にも影響を与えかねない。

 メタ社はVRヘッドセットを値上げし、今後投資の絞り込みや従業員の増加を抑制することなどの対策が取られるが、メタ事業へのシフトチェンジという方針は変えられない。

 “先行投資”を回収するのはまだまだ時間がかかりそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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