住生活の特別救助隊:ジャパンベストレスキューシステムとはこんな会社

2022年7月15日 16:38

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 ジャパンベストレスキューシステム(東証プライム、以下JBR)は文字通り、住生活関連に係る「特別救助隊」。中身を覗いて初めて、「これほどの需要があるのか」と実感した。収益動向に明らか。

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 前9月期は、「11.6%増収、3.0%営業増益、1円増配17円配」。そして今期は「33.7%の増収(180億円)、22.8%の営業増益(17億3000万円)」計画で船出し、第1四半期は前年同期比「37.2%増収、7.5%営業増益」。

 日常生活の中で「ガラスが割れてしまった」という事態は、決して珍しくはない。早々に直す為にはタウンページ(電話帳)繰るなりして、業者を探さなくてはならない。が、JBRを活用すればそれが容易に果たせる。

 旭硝子との提携で「緊急ガラス割り換サービス」が整っている。セコムとの共同出資会社で「高機能防犯性ガラス」の提供もOK。水回りもLIXILとの共同出資会社:水の救急車が対応に当たる。レスキュー損害保険という少額短期保険はリペア事業の担保が主たる保険対象だ。不動産会社が新築住宅を引き渡す際にキズがついてしまっていたような場合、あるいは引っ越しに伴う修理・修繕・手直し・復旧などが対象となる。

 一般顧客(非会員)と会員顧客にサービス提供の枠組みは分かれている。前者の場合はJBRのホームページやWeb広告を介し求めるサービスがコントロールセンターに繋がり、パートナー店が検索され実施される。会員は提携企業(不動産会社・生協・家電量販店・ホームセンター・ハウスメーカー等)のサービスが、コンタクトセンターからネットワーク店で受けられる。

 前期決算を読み込むと、今後の方向性が見て取れる。

 非会員を含む『駆けつけ事業』は、他社サイトを中心にWeb集客が減少。前年比11.0%の減収、営業損益は5086万円の利益から2588万円の損失に転じた。

 主力の『会員事業』は「安心入居サポート」の販売が順調に拡大。15.1%の増収、6.5%の営業増益。

 『保険事業』も11.7%の増収、6.8%の営業増益。

 そして注目したいのは、営業損失2億2279万円となった『ライフテック事業=新電力事業』から撤退を決めた点だ。

 時価は1000円台出入り(予想税引き後配当利回り1.4%強)。2月につけた1108円の年初来高値ゾーン。「今期の好調な推移⇔ライフテック事業撤退」を評価する指摘が多い。ちなみに過去9年余の株価パフォーマンスは修正値ベースで6倍強。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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