髙島屋、住信SBIと連携し「髙島屋ネオバンク」開始 アプリで銀行取引可能

2022年6月9日 10:24

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髙島屋ネオバンクアプリのイメージ(画像:髙島屋の発表資料より)

髙島屋ネオバンクアプリのイメージ(画像:髙島屋の発表資料より)[写真拡大]

  • 銀行取引のサービスイメージ(画像:髙島屋の発表資料より)
  • スゴ積みのサービスイメージ(画像:髙島屋の発表資料より)

 髙島屋は8日、金融サービス「髙島屋ネオバンク」を開始すると発表した。サービス構築には、住信SBIネット銀行が企業向けに提供している「NEOBANK」を活用。「髙島屋ネオバンクアプリ」として提供し、預金・決済・融資などの銀行取引や、ボーナス特典が付与される積立機能を実装している。髙島屋は、デジタル化を進めることで次世代の顧客との接点を拡げ、百貨店と連動した事業成長を目指していくという。

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 髙島屋ネオバンクは、全ての操作をアプリで行う仕様になっている。口座開設の申込みから、開設後の銀行取引、積立申込み、そして決済もアプリ操作で行う。現金を引き出したい時は、アプリを通じてセブン銀行またはローソン銀行のATMで出金する。決済には「スマホデビット」というアプリ機能があり、一般的なデビットカード同様に支払いが可能だ。

 髙島屋は、住信SBIネット銀行所属の銀行代理業者という立ち位置で、髙島屋ネオバンクで開設した口座は一律、タカシマヤ支店の取扱いとなる。銀行取引や決済機能などは住信SBIの銀行口座とほぼ同等で、普通・定期預金、口座振替、振込、証券口座との連携、住宅ローンの借入、デビット決済などが利用できる。一方で、仕組預金や純金積立、保険申込みなど一部機能は提供されない。

 髙島屋ネオバンクの最大の特徴は、積立サービス「スゴ積み」があること。スゴ積みでは、毎月定額を1年間積み立てると、ボーナスとして1カ月分が追加された「お買物残高」がアプリにチャージされる。例えば毎月1万円積み立てた場合、満期に受取れる金額は13万円分になる。受取り後は、髙島屋の実店舗やオンラインストア、提携先ホテルやレストランなどで利用可能。年率は既存のタカシマヤ友の会の積立と同率で、アプリに友の会の要素を加えたイメージだ。

 髙島屋は2021年4月、従来5年スパンで立てていた成長戦略の長期プランを見直し、3カ年計画(2021-2023)とした。その中で、新型コロナウィルス感染拡大で影響を受けた百貨店事業、商業開発事業の再生に加え、第3の事業として金融事業の拡大を掲げている。

 これまで金融事業では、カード事業や、資産形成支援などを行うファイナンシャルカウンター事業(2020年から開始)を行ってきた。だが営業利益は、19年度49億円、21年度44億円、22年度43億円と微減傾向にある。

 髙島屋ネオバンクは、その金融事業拡大の加速を担う事業として導入された形だ。23年度は、3カ年計画で立てた営業利益計画値55億円を目指すという。その先には、3カ年計画で描いた金融事業の営業利益100億円規模という中長期目標がある。

 髙島屋ネオバンクは6月8日よりサービスを開始。将来的には、買い物の利便性向上につながる機能や銀行サービスの拡充などを予定している。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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