イトーキは22年12月期1Q大幅増益、通期上振れ余地

2022年5月16日 08:39

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  イトーキ<7972>(東証プライム)は、5月13日の取引時間終了後に22年12月期第1四半期連結業績を発表した。需要が好調に推移し、中期経営計画に基づいた構造改革プロジェクトの推進も寄与して増収・大幅増益だった。収益はオフィス移転シーズンにあたる上半期偏重の特性があり、通期予想を据え置いたが、第1四半期の好調を勘案すれば会社予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍くモミ合う形だが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年12月期1Q大幅増益、通期予想据え置きだが上振れ余地

 22年12月期第1四半期の連結業績(収益認識会計基準適用だが損益への影響軽微)は、売上高が前年同期比9.9%増の353億45百万円、営業利益が2.3倍の39億64百万円、経常利益が2.4倍の39億74百万円、親会社株主帰属四半期純利益が74.4%増の33億88百万円だった。

 需要が好調に推移し、中期経営計画に基づいた構造改革プロジェクトの推進などで増収・大幅増益だった。特別利益では前期計上の固定資産売却益11億77百万円が剥落したが、子会社Global Treehouseの解散に伴う債務免除益7億79百万円を計上した。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が9億81百万円増加、売上原価が6億44百万円増加、営業利益、経常利益、および税金等調整前四半期純利益がそれぞれ3億36百万円増加している。

 ワークプレイス事業は売上高が11.1%増の269億20百万円で、セグメント利益(営業利益)が88.6%増の35億51百万円だった。コンサルティングサービスの強化、新製品・ソリューションの投入、在宅ワーク需要の取り込みに注力し、構造改革プロジェクトの推進で売上総利益率改善、物流コストの効率化、販促費の見直しや賃借料の削減による販管費の圧縮も寄与した。

 設備機器・パブリック事業は、売上高が6.8%増の80億18百万円で、利益が2億94百万円(前年同期は99百万円の赤字)だった。子会社ダルトンの研究施設機器やプラント機器が好調に推移し、発電所用特殊扉等も回復基調となった。

 IT・シェアリング事業は、売上高が0.5%減の3億87百万円で、利益が1億01百万円の黒字(前年同期は1億15百万円の赤字)だった。子会社のGlobal Treehouseの解散で減収だが、ソフトウェア開発事業やオフィスシェアリング事業が好調だった。

 通期連結業績予想は据え置いて売上高が21年12月期比3.5%増の1200億円、営業利益が17.2%増の30億円、経常利益が19.0%増の29億円、親会社株主帰属当期純利益が20.0%増の14億円としている。配当予想は21年12月期と同額の15円(期末一括)としている。

 中期経営計画に基づいた構造改革プロジェクトを推進し、ポストコロナの「働く環境」つくりでリードしていくための商品・サービスの展開を本格化する方針だ。更なる利益率改善も寄与して2桁増益予想としている。収益はオフィス移転シーズンにあたる上半期偏重の特性があり、通期予想を据え置いたが、第1四半期の好調を勘案すれば会社予想に上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍くモミ合う形だが、好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。5月13日の終値は350円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円96銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の15円で算出)は約4.3%、時価総額は約160億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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