【映画で学ぶ英語】『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の名言5選

2022年4月19日 08:01

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 3月11日に公開された『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は、DCコミックスの人気キャラクターが主人公の実写映画。ゴッサム・シティの犯罪と戦うバットマンが、エリートばかりをターゲットにした連続殺人事件の謎に挑む。

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 今回はこの映画から、バットマン、リドラー、キャットウーマンの名セリフを5つ紹介したい。

■ I’m vengeance.

 映画の冒頭でバットマンは犯罪者たちに「オレは復讐だ」と名乗った。バットマンやキャットウーマンのオリジンストーリーが物語の重要な伏線となるこの映画で、「復讐:vengeance」という言葉は重要な鍵だ。

 英文法の面では、このセリフでvengeanceは1つ2つと数えられる名詞ではないため、無冠詞であることに注意されたい。

■ What does a liar do when he's dead?

 今回の映画のヴィランであるリドラーは、ゴッサム・シティの市長などエリートばかりを狙う連続殺人犯。ゴッサム・シティの闇の真相を暴くとうそぶき、バットマンたちをあざけるかのように犯行現場になぞかけのメッセージを残していく。リドラーとはriddle:謎をかけることにちなんでついた名前である。

 「うそつきが死んでもやることは何か」という謎は、最初の事件現場に残されていたカードに書かれていた。He lies stillがバットマンの解答であるが、このセリフはlieとstillという単語の持つさまざまな意味をおさえないと理解できない。

 動詞のlieは「横たわる」、「うそをつく」という2つの意味があり、stillは「従前どおり、それでも」のほかに「じっとしている」という意味もある。このためhe lies stillは「(うそつきは)静かに横たわっている」と言うばかりでなく、「死んでもうそをつく」という意味にもなるのだ。

■ It can be cruel, poetic or blind. But when it’s denied, it’s violence you may find.

 ゴッサム・シティの地区検事長を誘拐したリドラーは、彼の首に爆弾を巻き付けてバットマンたちのもとに送りつけてきた。スマホを通じてリドラーは、3つの謎を解けたら爆弾の解除コードを教えてやるとバットマンに挑戦する。

 その最初の謎が「それは残酷でもあり、詩的でもあり、盲目でもあるが、否定されると血を見るかもしれない」というものである。

 バットマンはすぐに「justice:正義」と答えるが、これはなぞなぞのなかにjusticeを連想させる言葉が隠されているからだ。

 英語でpoetice justiceとは、詩や小説といったフィクションによくある勧善懲悪のことを指す。また欧米では、目隠しをして手に剣とはかりを持った女神が司法の象徴に使われることが多い。

 さらにdeny a person justiceで「ひとを公正に扱わない」というイディオムになる。迅速な裁判の重要性をあらわす、「justice delayed is justice denied:裁判の遅れは裁判の否定に等しい」という格言も覚えておきたい。

■ I have a thing about strays.

 今回のキャットウーマン/セリーナ・カイルは、ナイトクラブのウェイトレスをしながら麻薬取引や泥棒もする謎の女性だ。行方不明になったルームメイトの女性を探す過程でバットマンと出会い、いやいやながら彼の捜査に協力することになった。

 彼女は部屋にたくさんの猫を飼っており、驚くバットマンに「わたしは野良猫に思い入れがある」と言う。

 Have a thing aboutは「~について特別な感情を持っている」というイディオムで、肯定的な感情ばかりでなく否定的な感情にも使われる。Strayは名詞で「迷い出たもの、野良の犬猫」といった意味である。

■ The Bat and the Cat. It has a nice ring.

 共通の敵と戦ううちに、バットマンに対して親しみの気持ちをいだくようになったキャットウーマン。終盤で「バットとキャット、いい響き」と言って、今後も関係を維持したいようである。

 Have a nice ringは「響きがよい」という決り文句で、後ろにto itを伴って用いられることが多い。

 今回の映画は、これまでのDCエクステンデッド・ユニバースとは異なる、新たな「バットマン」3部作の最初の作品。キャットウーマンをはじめ、顔ぶれを一新したキャラクターたちが、今後どのような活躍を見せてくれるか楽しみである。(記事:ベルリン・リポート・記事一覧を見る

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