クックパッド、食関連企業のグローバル展開を支援 レシピ投稿データから分析

2022年4月9日 17:23

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サービスの概要(画像: クックパッドの発表資料より)

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 クックパッド(神奈川県横浜市)は7日、食関連メーカーを対象に、海外展開の課題解決を支援する「グローバルデータソリューション」の提供を開始すると発表した。海外展開への関心が高まっているが、コロナ禍の影響で海外視察などが容易にできなくなった。クックパッドのグローバルデータで補完してもらいたい考えだ。

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 クックパッドは世界74カ国・地域で料理レシピの投稿サービスを展開しており、カバーする言語も32に及ぶ。この内、一定基準を満たした40カ国・地域のデータを活用できるようにする。

 例えばレシピデータを参照すれば、投稿されているレシピのテキストデータからその国でよく使われている食材や調味料などが分かる。データに基づいて世界各国の料理の嗜好が理解できるようになり、海外向け食品開発に役立つ。

 レシピに対するリアクションも確認できる。国ごとの人気メニューが明らかになるため、海外進出マーケティング担当者などは需要調査に活用することが可能だ。レシピに対するコメントデータも参照することができ、分析すれば利用者の定性的な反応も把握できる。

 人口減少や少子高齢化によって食品の国内需要は縮小傾向にある。新型コロナウイルスによる商環境の変化も後押しし、海外展開に意欲的な食関連企業が増えた。

 2020年1月の食品産業動向調査(日本政策金融公庫調査)によると、食品の輸出に取り組む企業はすでに36.7%。今後取り組みたいと回答した企業をあわせると過半数以上が海外展開に関心を持っていることになる。

 だが長引くコロナ禍の影響で、現地の嗜好や流行、食文化などを調査するための海外視察が難しくなっている。特に海外支店が無い中小企業の場合は、輸出先国の生の情報を獲得しづらくなっている。

 こうした課題を解決しようと、クックパッドは世界中で投稿・検索されるレシピデータをもとに、現地のリアルな需要や食品のトレンドを把握できるソリューションの提供を開始した。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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