欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの値動きか、米雇用情勢の改善なら引き締め加速に思惑

2022年4月1日 17:25

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記事提供元:フィスコ


*17:25JST 欧米為替見通し:ドル・円は小じっかりの値動きか、米雇用情勢の改善なら引き締め加速に思惑
1日の欧米外為市場では、ドル・円は小じっかりの値動きを予想する。日銀の緩和政策堅持による円売り基調が続き、ドルは下げづらい。また、今晩の米雇用統計が改善すれば連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め加速を想定したドル買いが見込まれる。

前日の取引で米10年債利回りが低下すると月末・期末の要因でドルへの売りが強まり、ドル・円は121円20銭台に下落。一方、ロシア産天然ガスのユーロ圏への供給に懸念が強まり、ユーロ・ドルは1.1060ドル付近まで売り込まれた。本日アジア市場は、日銀が国債買入れ増額による金融緩和を堅持したことを背景に円売りが優勢となり、主要通貨を押し上げた。新年度入りに伴う国内勢のドル買いも入り、ドル・円は122円台に浮上した。

この後の海外市場では、引き続き円売り主導の展開となりそうだ。鈴木俊一財務相は為替の急速な変動をけん制したが、日銀の円安誘導を背景に主要通貨は対円で上昇基調を維持する見通し。また、今晩発表の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月から減少するものの、失業率の低下と平均時給の上昇が予想されている。雇用情勢の改善が顕著ならFRBによる0.50%利上げなど一段の引き締めに思惑が広がり、金利高・ドル高の手がかりとなりそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・3月製造業PMI改定値(予想:57.0、速報値:57.0)
・17:30 英・3月製造業PMI改定値(予想:55.5、速報値:55.5)
・18:00 ユーロ圏・3月消費者物価指数速報値(前年比予想:+6.7%、2月:+5.8%)
・21:30 米・3月非農業部門雇用者数(予想:+49.0万人、2月:+67.8万人)
・21:30 米・3月失業率(予想:3.7%、2月:3.8%)
・21:30 米・3月平均時給(前年比予想:+5.5%、2月:+5.1%)
・22:05 エバンス米シカゴ連銀総裁討論会参加(経済と金融政策)
・22:45 米・3月製造業PMI改定値(予想:58.5、速報値:58.5)
・23:00 米・3月ISM製造業景況指数(予想:59.0、2月:58.6)
・23:00 米・2月建設支出(前月比予想:+1.0%、1月:+1.3%)《FA》

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