11月の外食市場規模、6カ月連続マイナスも頻度や単価は回復傾向

2022年1月7日 08:05

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 リクルートの調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が2021年11月の外食市場調査結果を発表し、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いたことで居酒屋業態が7カ月ぶりに前年同月比プラスとなるなど、回復の兆しがあることが分かった。

【前月は】10月の外食市場規模、5カ月連続マイナスも実施率は11カ月ぶりに60%超え

■6カ月連続で前年割れも外食頻度や単価はアップ

 6日、ホットペッパーグルメ外食総研が2021年11月の外食市場調査を発表した。11月の外食市場規模は前年同月比は115億円減の2,389億円となり、6カ月連続でマイナスに。ただし9月の同870億円減から10月は同413億円減、そして11月の115億円減と2カ月連続でマイナス幅が減少。さらに新型コロナ前の2019年比は9月の57.4%減から10月は32.7%減、11月は29.6%減とマイナス幅が減少した。

 飲食主体業態や飲酒主体業態が改善しており、新型コロナの感染状況が落ち着いたことで早めの忘年会を実施する動きがあったことなどが、改善要因となった。

 個別の指数をみると、外食実施率は前年同月比1.8ポイント減の62.8%。外食頻度は同0.07回増の3.61回。外食単価は同149円増の2,604円。外食単価が2,600円台になったのは2020年12月の2,636円以来のこと。

■首都圏が6カ月ぶりにプラス

 圏域別の市場規模は首都圏が前年同月比18億円増の1,477億円。首都圏がプラスとなったのは5月(市場規模:748億円、前年同月比:287億円増)以来。関西圏が同92億円減の635億円。東海圏が同41億円減の277億円だった。

 外食実施率は男性は全ての年齢層でマイナスだったが、女性は20代(実施率:72.0%、前年同月比:0.1%増、以下同じ)、40代(60.1%、0.9%増)、60代(59.3%、0.2%増)の3つの層でプラスだった。

 外食単価は女性は全ての年齢層で、男性は60代以外の層でプラス。特に20代男性(単価:2,419円、前年同月比:136円増、以下同じ)、20代女性(2,627円、161円増)、40代男性(2,566円、143円増)、50代男性(2,838円、242円増)などで大きく伸びている。唯一単価が下がった60代男性は2,820円で前年同月比161円減だった。

■居酒屋が7カ月ぶりにプラス

 業態別市場規模は全16業態中11業態でマイナスに。比較的マイナス幅が大きかったのは和食料理店(11月の市場規模:378億円、前年同月比:20億円減、以下同じ)、焼肉・ステーキ・ハンバーグ等の専業店(273億円、21億円減)、すき焼き・しゃぶしゃぶ・鍋・おでん等の専業店(57億円、17億円減)、ファミリーレストラン・回転すし等(180億円、32億円減)。

 プラスとなった業態は、お好み焼き・鉄板焼き等の専業店(46億円、1億円増)、居酒屋(445億円、26億円増)、カラオケボックス(13億円、10億円増)、スナック・ナイトクラブ・キャバレー(64億円、13億円増)の4業態。居酒屋は7カ月ぶりのプラスとなった。レストラン・食堂・ダイニング・洋食店の市場規模は127億円で前年並みだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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