CAICA DIGITAL 21年10月期売上高は微減、ITサービス事業の利益が大幅増

2021年12月21日 18:20

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記事提供元:フィスコ


*18:20JST CAICA DIGITAL---21年10月期売上高は微減、ITサービス事業の利益が大幅増
CAICA DIGITAL<2315>は20日、2021年10月期連結決算を発表した。売上高が前期比0.9%減の59.46億円、営業損失が9.15億円(前期は6.79億円の損失)、経常損失が9.29億円(同9.03億円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が7.99億円(同5.57億円の損失)となった。

ITサービス事業の売上高は前期比4.6%減の48.24億円、営業利益は同280.0%増の3.13億円となった。CAICAテクノロジーズにおいては、新規案件は新型コロナウイルスの影響によりやや停滞していたが顧客の新年度にあたる4月以降、復調傾向が続き、積極的に営業リソースを投下することで案件の獲得を図った。金融機関向けシステム開発は大型の案件は少ないものの概ね堅調に推移し、保険分野は一次受けの案件を中心に安定的に伸長した。非金融向けシステム開発分野は、コロナ禍においても顧客の事業拡大意欲が強く、新規案件の引合いが常時確保できている。暗号資産関連のシステム開発分野は、暗号資産交換所向けパッケージ「crypto base C」は引合いを獲得できていたが受注には至らなかった。一方、暗号資産交換所「Zaif」向けの案件は引合いが活発であり、受注が拡大している。「Zaif」は現在、各種マーケティング施策が進行中であり、これに伴う開発案件が増加している。また、次世代システムへの移行を進めており、複数の開発案件の受注が確定している。また、レジストアートが提供する、高額で資産性の高いアート作品等のコレクションに小口から参加できる会員権プラットフォーム「crowd ART」を開発するとともに、NFTの発行、流通が可能なNFTプラットフォームの販売を開始した。

金融サービス事業の売上高は11.25億円(前期は1.25億円)、営業損失は7.04億円(同4.56億円の損失)となった。2021年3月、カイカエクスチェンジホールディングスを連結子会社とした。これに伴いカイカエクスチェンジホールディングスの子会社である、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルも連結子会社となっている。カイカエクスチェンジホールディングス、カイカエクスチェンジ及びカイカキャピタルの売上高は主に暗号資産交換所「Zaif」における受入手数料や暗号資産売買の損益及びカイカキャピタルにおける暗号資産の自己勘定による運用損益で構成されている。「Zaif」における取引量は、8、9月は回復基調となったが、5月から7月の取引量の減少を補いきれず、売上高は想定を下回った。また、「Zaif」では、他の暗号資産交換所ではみられない、トークンを含む豊富な銘柄を取り扱っており、2021年6月には国内初となるネムの新通貨「シンボル(XYM)」の上場を果たし、取扱いを開始した。カイカ証券は主に、カバードワラント(eワラント)を提供しており、2019年9月よりカイカ証券自身によるインターネットでの直接販売を開始している。また、2020年4月からCFD取引のサービスを開始し、2021年7月からは暗号資産を原資産としたCFD取引のサービスを開始した。当年度においては、暗号資産を対象とした証券化商品の提供に注力し、「ビットコインレバレッジトラッカー」「イーサリアムレバレッジトラッカー」「ビットコイン先物インデックストラッカー」及び「イーサリアム先物インデックストラッカー」の取り扱いを開始した。これらの新商品の発表を受け、口座申込み数は着実に増加し、減少していた売買の取次ぎ量も回復した。一方でカバードワラント(eワラント)の販売は、SBI証券において、2021年7月から新規eワラントの銘柄追加が中止されたこと等により低調となった。

2022年10月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比28.4%増の76.32億円、営業利益が2.11億円、経常利益が2.01億円、親会社株主に帰属する当期純利益が4.72億円を見込んでいる。《ST》

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