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中国・台山原子力発電所の事故、設計上の欠陥が原因か
6月14日に中国の台山原子力発電所で燃料棒が破損し、運用が停止する事故があったが、その続報が今になってフランス国内で話題となっている。この原子力発電所は中国の中国広核集団(CGN)とフランス電力会社(EDF)が共同で設計したもので、最新の欧州加圧水型炉(EPR)形式の原子炉となっている。そのうち台山原子力発電所は世界で唯一稼働中のものだった(TV5MONDE、Reuters)。
今回話題の原因となっているのは、フランスの非政府組織「CRIIRAD」が入手した内部告発者の発言。発言内容は原子炉の格納容器の設計ミスにより、異常振動が発生しているというもの。最初の報道で伝えられた燃料棒の破損は、この格納容器の異常振動がきっかけで起きたとしている。なお、この内部告発者は原子力産業で働くフランス人で、台山原子力発電所の炉心の技術情報にアクセスできる立場の人物であるとしている。
CRIIRADは11月27日付のメールで、フランスの原子力監視機関に内部告発者の主張を調査するよう要請した。ロイターの報道によれば、EDFの広報担当者は、燃料棒の損傷と格納容器に関する調査は現在進行中であるとし、調査が完了するまでは原因を特定できないとコメントしたという。
この件がフランス国内で大きく報じられている理由としては、フランス電力会社(EDF)主導により、ヨーロッパで4基のEPR原子炉が建設中であるためだ。うち1基はフィンランド、1基はフランスのフラマンドビル、2基は英国にて建設中であるという。内部告発者の指摘した設計ミスが事実であれば、これらの建設中の原子力発電所に影響するだけでなく、フランス国内の政治や原発ビジネスにも大きな影響を与えることになると見られる。
bigface 曰く、 // 度を超えた福島処理水放出批判は、この件から目をそらすためか。
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※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。
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