Jトラストは21年12月期3Q累計の利益が通期予想を超過達成

2021年11月15日 08:51

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  Jトラスト<8508>(東2)は11月12日の取引時間終了後に21年12月期第3四半期累計連結業績を発表した。各金融事業が順調に推移し、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収も寄与して営業・税引前利益が黒字転換した。そして各利益とも通期予想を超過達成した。事業ポートフォリオ再編を進めているため通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。なお新市場区分に関してスタンダード市場選択を決議した。株価は急伸して年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年12月期3Q累計の利益が通期予想を超過達成

 21年12月期第3四半期累計の連結業績(IFRS)は、営業収益が前年同期比5.5%増の306億24百万円、営業利益が78億27百万円(前年同期は13億01百万円の赤字)、税引前利益が83億60百万円(同15億48百万円の赤字)だった。

 日本金融事業の堅調推移、韓国およびモンゴル金融事業の貸出残高増加、東南アジア金融事業の収益改善(営業赤字縮小)、GL社に対する訴訟の勝訴判決に伴う投資回収(その他収益に受領額78億47百万円を計上)などで、営業・税引前利益が黒字転換した。なお韓国およびモンゴル金融事業では、株式譲渡を延期したJT貯蓄銀行を継続事業として取り扱っている。

 セグメント別営業利益は、日本金融事業が日本保証における貸倒引当金繰入額の減少などで5.9%増の36億29百万円、韓国およびモンゴル金融事業が貸出残高の増加などで41.7%増の28億04百万円、東南アジア金融事業が前期計上の有価証券売却損一巡や訴訟損失引当金の取り崩しなどで赤字縮小(前年同期43億22百万円の赤字、今期29億81百万円の赤字)、投資事業が勝訴判決の履行で60億28百万円の黒字(同12億23百万円の赤字)、その他事業が22百万円の赤字(同1億64百万円の赤字)だった。

 なお親会社所有者帰属四半期純利益については、投資有価証券に対する売却損益や評価損益の計上、売却を予定しているJT貯蓄銀行に対する税効果、JTキャピタル株式譲渡に係る株式売却損(25億42百万円、通期予想に織り込み済み)計上などで0.3%減の24億05百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上収益が108億67百万円で営業利益が44億円、第2四半期は売上収益が114億73百万円で営業利益が27億60百万円、第3四半期は売上収益が82億84百万円で営業利益が6億67百万円だった。

 通期の連結業績(IFRS)予想(5月13日に上方修正)は据え置いて、営業収益が20年12月期比6.9%増の421億01百万円、営業利益が55億03百万円の黒字(20年12月期は19億53百万円の赤字)、税引前利益が82億55百万円の黒字(同1億84百万円の赤字)、親会社所有者帰属当期純利益が20億円の黒字(同53億42百万円の赤字)としている。

 セグメント別営業利益の計画は、日本金融事業が36億円、韓国およびモンゴル金融事業が26億円、東南アジア金融事業が43億円の赤字、投資事業が53億円、その他が2億円の赤字としている。

 通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は営業収益73%、営業利益142%、税引前利益101%、親会社所有者帰属当期純利益120%である。事業ポートフォリオ再編を進めているため通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。

■株価は急伸して

 株価は急伸して年初来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月12日の終値は575円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS18円89銭で算出)は約30倍、時価総額は約664億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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