湊かなえの小説『母性』実写映画化“母と娘”を巡るミステリー、廣木隆一が監督

2021年11月12日 08:19

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記事提供元:ファッションプレス

 湊かなえのミステリー小説『母性』が実写映画化。2022年秋に公開される。

■湊かなえの小説『母性』を実写映画化

 原作は、2012年に発表された湊かなえの小説『母性』。ある女子高校生の遺体が見つかったことに端を発した「母と娘」を巡るミステリー小説だ。

<原作『母性』あらすじ>
女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。
世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。
……遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。

■“これが書けたら辞めてもいい”湊かなえが心血を注いた物語

 湊かなえといえば、2007年に『聖職者』で第29回小説推理新人賞を受賞し、小説家デビュー。2009年にはのちに映画化される『告白』が第6回本屋大賞を受賞、史上初のデビュー作でのノミネート&受賞となり、300万部を超えるヒットを飛ばした。

その後も『贖罪』『望郷』『豆の上で眠る』『ユートピア』『落日』といった名作を世に送り出してきた湊かなえだが、『母性』はそんなベストセラー作家をして「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説です」と言わしめるほど、心血を注いた物語だという。

■監督は廣木隆一

 『告白』をはじめ、吉永小百合主演の『北のカナリアたち』、井上真央が第38回日本アカデミー賞主演女優賞を受賞した『白ゆき姫殺人事件』、『少女』、ドラマ「花の鎖」「夜行観覧車」「Nのために」「リバース」「贖罪」など多くの作品が映像化されてきた湊かなえ作品。最新作となる『母性』の実写映画化の監督は、廣木隆一に託された。

廣木隆一は、1982年に映画監督デビュー。1994年にサンダンス・インスティテュートの奨学金を獲得して渡米すると、帰国後発表した『800 TWO LAP RUNNERS』で文化庁優秀映画賞ほかを受賞。以降、国内外40以上の映画祭で数々の賞を受賞した『ヴァイブレーター』をはじめ、『余命1ヶ月の花嫁』『軽蔑』『さよなら歌舞伎町』『ナミヤ雑貨店の奇跡』『ノイズ』などを手掛けてきた。

なお、俳優陣は2021年11月現在未発表。『母性』の鍵を握る“母と娘”を誰が演じるのか注目したい。

 <原作:湊かなえ コメント>
永遠に愛され、庇護される立場(娘)でありたい母親と、その母親から愛されたい娘の物語です。毒親でもなく、虐待でもなく、だけど大切なものが欠けた関係。それを、自分が母親と娘の両方の気持ちを持っているあいだに書きたいと、このテーマに挑みました。ちなみに、今はもうどちらの気持ちも持っていません。

映画化の話をいただいた際は、限られた時間でどの部分を切り取るのだろうかと、少し不安が生じました。しかし、脚本を読んで、切り取るのではなく、物語の大切なところをすくい上げ、映画として膨らませていることがわかり、安心しました。

一つ一つの場面が、役者の方々の演技や表情で、受け止め方が大きく変わってくる繊細な構成において、どのような感情を湧き起こさせてもらえるのか。原作者としてではなく、一観客として楽しみにできるのは、監督やスタッフ、役者の方々を信頼しているからで、そのような映像化になったことを、心から嬉しく思います。

<監督:廣木隆一 コメント>
湊さんが書かれた小説は前から気になっていたので、今回映画化することが出来て嬉しく思いますと同時にプレッシャーでもありました。母親と娘の話なので僕で大丈夫なのか心配でした。反面、どんな親子なのか興味あふれる物でした。でも、湊さんが書かれた親と子供の関係性は普遍的である一方、様々な姿を三人の中に見せてくれました。

どうぞ、女性の方ばかりではなく男性の方にも観ていただきたい映画になっているのでぜひスクリーンでお確かめ下さい。

【詳細】
映画『母性』
公開時期:2022年秋
原作:湊かなえ『母性』(新潮文庫刊)
監督:廣木隆一
エグゼクティブプロデューサー:関口大輔
製作:映画「母性」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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