CDサイズのディスクに500TBのデータ記録する「5次元データストレージ」

2021年11月11日 11:22

印刷

記事提供元:スラド

サウサンプトン大学の研究チームは、ナノ構造のガラスに5次元(5D)構造のデジタルデータを書き込むという「5次元データストレージ」を開発した。このストレージは1000度の高い耐熱性を持ち、90度の高温環境下でも138億年保管ができる高い耐久性を持つ。同技術に関しては同大が2016年に発表していたものだが、当時の段階では実用的な書き込み速度には達していなかった(OpticaDigital Photography ReviewEngadget)。

研究チームは速度の問題を克服するためにフェムト秒レーザーを採用し、ガラスに直接データを書き込むのではなく、近接場光学を用いて書き込む方式を取った。これにより、書き込み速度は1秒あたり230KBほどを達成。従来のCDサイズのシリカガラスディスクに5GBのテキストデータを書き込むことに成功したとしている。理論上はCDサイズ1枚につき最大500TBのデータ容量が記録できるとしている。速度に関しても並列書き込みを導入することにより、約60日で500TBのディスクを埋めることができるとされている。 

スラドのコメントを読む | ハードウェアセクション | テクノロジー | ストレージ

 関連ストーリー:
アジアで唯一の8ミリフィルム現像所が運営危機。クラウドファンディングで支援を募集 2021年11月04日
国立映画アーカイブ、磁気テープの映画遺産を失う前にできることを開催 2021年10月01日
映画はデジタルデータ保管よりフィルム保管のほうが安くすむ 2021年09月03日
Microsoft、75.6GBのデータを石英ガラスに記録することに成功 2019年11月08日
ナノテクノロジーで実現する寿命138億年のストレージ 2016年02月23日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事