ディオール 2022年春夏コレクション - マルク・ボアンのスリムルックに着想を得て

2021年10月5日 16:19

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記事提供元:ファッションプレス

 ディオール(DIOR)が、2022年春夏ウィメンズコレクションをフランス・パリで発表した。

■マルク・ボアンの「スリムルック」を着想源に

 今季、マリア・グラツィア・キウリは、ディオールの3代目アーティスティックディレクターを務めたマルク・ボアンのクリエーションをフィーチャーし、とりわけ彼の代表的なコレクションともいえる1961年の「スリムルック」を取り上げた。

 1947年、ムッシュ ディオールが“ニュールック革命”を起こしたが、それに次ぐ革命とも言われる「スリムルック」。女性ならではのなめらかな体のラインにそっと寄り添う、長めのジャケットとタイトなスカートが織りなすIラインのシルエットは、当時のファッション界に大きな衝撃を与えた。そんな彼のクリエーションを、モダンなエレガンスと芯の強さ、そしてちょっとした遊び心で新たに解釈している。

 マルク・ボアンの「スリムルック」を彷彿とさせるジャケットとスカートの組み合わせが多数。しかし、ただ女性らしさを表現するのものではなく、当時とは違うもっと自由なマインドが感じられる。ボトムスをあえてパンツにかえたり、ハードな素材感を加えてみたり…。オープンカラーのシャツとボクシングパンツ風のボトムス、あるいはサファリジャケットの組み合わせなど、“現代風スリムルック”の幅は無限大だ。

■アンナ・パパラッチのカラフルな色彩

 その中で欠かせないのが、今回のコレクションでともにクリエーションに挑んだイタリア人アーティストのアンナ・パパラッチの存在。彼女の作品は、プリミティブカラーが特徴的で、それもまた1960年代の女性たちのファッションともうまくリンクする。目の覚めるようなイエロー、ジューシーなオレンジやレッド、鮮烈なグリーン。身に着ければ元気をもらえるようなヴィヴィッドカラーは、単色で思い切りよく、あるいはボアンの美学のアクセントとしてカラーブロックとして採用されている。

 メゾンのDNAを色濃く感じる「カナージュ」柄をはじめ、ディオールのエレガンスを感じるファブリックがある一方、特に目を奪ったのは、中盤以降に登場した動物たちのプリントだ。まるでミラーボールのような煌めきを湛えたスパンコールの刺繍とともに、彼らの存在は一層大きくなっていく。そして、デニムやナイロンといった刺激的なファブリックが交わり、最後にはたゆたうシアーなファブリックを。目くるめく色彩とテクスチャーの変化が、ポジティブなコレクションを一層楽しくさせる。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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