初中級レベルにおすすめ! イギリス文化がよくわかる映画

2021年9月19日 08:10

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 前回、イギリス英語の初心者におすすめの映画を2作品紹介した。今回はその続きだが、前回紹介した作品より英語レベルはやや高くなっている。そのため、特に初級レベルの人たちの場合、1回見ただけでは消化しきれない可能性が高い。

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 そういう時は、ぜひ繰り返し見てほしい。何度も繰り返して見る時間がないという人でも、少なくとも2回は見よう。1回目は内容を理解するために字幕機能を使い、2回目は字幕なしで視聴するだけでも、理解できる範囲はぐんと広がるはずだ。

■Bend It Like Beckham

 ロマンティック・コメディが好きな人におすすめなのが、『Bend It Like Beckham(邦題「ベッカムに恋して」)』だ。タイトルからわかるようにサッカーをテーマにした作品だが、サッカーのことをよく知らない、もしくは、興味がないという人もぜひ見てもらいたい。

 サッカー選手を目指すインド系移民の少女を中心に物語は展開するが、単なるサッカー映画ではなく、家族間や人種間の価値観の違いなど、イギリスのリアルがコメディ要素を交えつつもよく描かれている。

 主人公がインド系移民ということからもわかるように、話される英語もインド系のアクセントだ。ただ、明瞭な発音なのでインド英語といっても臆することはない。また、CockneyやEstuaryなどのイングランドの代表的なアクセントもふんだんに聴ける。

■Hot Fuzz

 続いてのおすすめは、『Hot Fuzz(邦題「ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」)』という2007年公開のコメディ映画だ。田舎に左遷されたエリート警官が主人公のコメディだが、物語が進むにつれてサスペンスの要素も色濃くなる手に汗握る作品である。

 多くのイギリス映画がロンドンを舞台にしているが、こちらはサンドフォードというサマセット州の田舎町で物語が繰り広げられる。そのため、話される英語も典型的なWest Country English(イングランド南西部英語)だ。一方、主人公の話す英語はロンドンのアクセントなので、その対比を楽しむのにも適している。

■Belle

 最後は、2013年の歴史映画、『Belle(邦題「ベル~ある伯爵令嬢の恋~」)』を紹介しよう。黒人の血を引くBelleという伯爵令嬢を主人公にした実話に基づく作品である。1761年生まれのBelleはイギリスの奴隷制度の廃止にも大きな影響を与えた女性だが、彼女の存在は最近まで知られていなかった。彼女の数奇な運命を描いた非常に興味深い映画だ。

 歴史映画の場合、現代の作品と比べて時代がかった表現や古めかしい語彙が用いられることもよくあるが、この映画に関しては英語学習者にとっても理解は難しくないだろう。話す速度も比較的ゆっくりなので、最初はよく聴き取れないとしても、何度も繰り返し見ることで理解できるようになるだろう。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る

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