生命が存在可能な太陽系外惑星の新分類「ハイセアン惑星」が提唱される

2021年9月10日 08:13

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記事提供元:スラド

AC0x01 曰く、 太陽系外惑星には、太陽系には存在しないタイプの惑星も多く発見されているが、ケンブリッジ天文学研究所のチームは26日、地球型以外で生命が存在する可能性を持つ新たな惑星のタイプとして、「ハイセアン惑星 (Hycean planet)」を提唱した(研究所のプレスリリース, Soraeの記事)。

 これまでの観測データでは、惑星の大きさが地球の1.6倍を超えると、惑星は主成分が岩石の地球に近いスーパーアースから、水素とヘリウムから成る厚い大気を持つ海王星に近いミニネプチューンへと姿を変えるとみられている。これまでの地球外生命の考え方では、生命が存在するのは前者のみとされていたが、研究チームでは後者でも条件を満たせば地球に近い海が存在できるとしており、それを「ハイセアン惑星」と分類しているようだ。

 「ハイセアン惑星」では厚い大気の下で惑星全体が海に覆われる。主星のサイズや惑星の軌道にもよるが、最大で地球の2.6倍の大きさで、気温が200℃に達することもあるが、海中の環境は地球と同様になり得るとしている。また「ハイセアン惑星」には、赤色矮星系などで潮汐ロックされており夜の側のみが条件を満たす「暗いハイセアン (Dark Hycean)」と、主星から離れていて放射をあまり受けない「冷たいハイセアン (Cold Hycean)」といったパターンも考えられるとしている。

 研究チームによれば、「ハイセアン惑星」の大気から生命の痕跡(バイオシグネチャー)を探すのは、地球型惑星からの探索よりも容易とのことなので、最初の太陽系外惑星での生命は、このタイプの惑星から見つかるかもしれない。

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