9日の中国本土市場概況:上海総合0.5%高で反発、資源・素材セクターに買い

2021年9月9日 16:54

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記事提供元:フィスコ


*16:54JST 9日の中国本土市場概況:上海総合0.5%高で反発、資源・素材セクターに買い
9日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前日比17.94ポイント(0.49%)高の3693.13ポイント(上海A株指数は0.49%高の3870.71ポイント)と反発した。


売り先行後に買われる流れ。中国産業締め付けなど不安材料はあるものの、経済対策に対する期待感が相場を支えている。商品相場の高止まりを手がかりに、関連銘柄が上昇したこともプラスだ。朝方公表された8月の中国物価統計はまちまちの内容。消費者物価指数(CPI)が市場予想を下振れる半面、生産者物価指数(PPI)は上振れている。PPIは13年ぶりの高水準を記録。「卸売物価の高騰が川下産業の圧力になる」と一部で懸念される半面、「原材料などを扱う川上産業には追い風」との見方もあった。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、エネルギー、鉄鋼、非鉄など資源・素材の上げが目立つ。中国神華能源(601088/SH)とエン州煤業(600188/SH)、中石化石油工程技術服務(600871/SH)がそろってストップ高、新余鋼鉄(600782/SH)が9.2%高、宝山鋼鉄(600019/SH)が8.5%高、江西銅業(600362/SH)が5.7%高、中国アルミ(601600/SH)が4.7%高で引けた。宝山鋼鉄に関しては、サウジアラビアの国有石油会社アラムコとサウジ鉄鋼工場を共同新設すると伝わったことも好感されている。


ゼネコンやエンジニアリングなどインフラ建設関連株もしっかり。中国交通建設(601800/SH)が7.8%、中国鉄建(601186/SH)が3.5%、中国冶金科工(601618/SH)が4.1%ずつ上昇した。発展改革委員会の報道官は8日、今年下半期に専項債(公益事業向け資金調達を行う特別地方債)の発行が加速すると明言。インフラ投資の進ちょくが期待された。このほか、発電株、不動産株、空運株なども買われている。


半面、証券株は安い。海通証券(600837/SH)が8.4%、中信建投証券(601066/SH)が2.1%、華泰証券(601688/SH)が1.9%、招商証券(600999/SH)が1.7%ずつ下落した。海通証券については、財務顧問業務で違反行為があったとして、中国証券監督管理委員会の調査を受けることが不安視されている。ハイテク株や自動車株、医薬品株、海運株、銀行・保険株も売られた。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.22ポイント(0.44%)高の277.39ポイント、深センB株指数が0.25ポイント(0.02%)安の1245.78ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)《FA》

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