26日の香港市場概況:ハンセン1.1%安で続落、瑞声科技が10.0%下落

2021年8月26日 18:00

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記事提供元:フィスコ


*18:00JST 26日の香港市場概況:ハンセン1.1%安で続落、瑞声科技が10.0%下落
26日の香港市場は、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比278.26ポイント(1.08%)安の25415.69ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が138.74ポイント(1.53%)安の8937.29ポイントとそろって続落した。売買代金は1385億7630万香港ドルに縮小している(25日は1633億4030万香港ドル)。


新規の買い材料に乏しく、米中関係の悪化を警戒した売りが続く流れ。米情報機関まとめの新型コロナウイルスの起源に関する報告書の発表が近づく中、中国外交部の高官は25日、「米国はウイルス起源を政治問題化している」と非難した。ウイルス起源は武漢研究所から流出した——との見方が流れる一方、中国当局は米国の研究施設から流出した可能性を繰り返し指摘している。中国で各分野に対する締め付けが強化されていることに関しても、国内経済の成長に圧力がかかるとの見方が一部でくすぶっていることもマイナスだ。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が10.0%安、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が5.1%安、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が4.3%安と下げが目立った。瑞声科技は昨日、中間決算の利益2.9倍を手がかりに買われていたが、この日は一転、好材料の出尽くし感が広がっている。


セクター別では、中国の不動産セクターが安い。上記した龍湖集団のほか、中国恒大集団(3333/HK)が7.2%、万科企業(2202/HK)が3.7%、融創中国HD(1918/HK)が2.3%ずつ下落した。中国恒大は昨日引け後、中間期の29〜39%減益見通しを明らかにしている。


医薬品・医療サービスの銘柄群も急落。上海復星医薬集団(2196/HK)が9.1%安、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が6.7%安、薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が3.5%安、平安健康医療科技(1833/HK)が9.5%安、京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が5.0%安、医渡科技(2158/HK)が2.6%安で引けた。


他の個別株動向では、ショート動画投稿アプリの快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が9.2%安。同社の4〜6月期決算は赤字が継続した。


半面、鉄鋼セクターは急伸。馬鞍山鋼鉄(323/HK)が12.6%高、重慶鋼鉄(1053/HK)が7.2%高、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が6.8%高で取引を終えた。鉄鋼業には、業界再編の思惑がある。アンガン親会社の鞍鋼集団は先週、本渓鋼鉄集団有限公司(本鋼集団)の株式51%を遼寧省国有資産監督管理委員会から無償で譲り受けると発表している。これにより、中国2位、世界3位の鉄鋼グループが誕生する運びだ。


そのほか、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.5%高。同社の中間業績は利益が倍増した。


一方、本土市場は4日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.09%安の3501.66ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。医薬品株、ハイテク株、不動産株、金融株、運輸株なども売られた。半面、資源・素材株は高い。インフラ関連株の一角も買われた。

亜州リサーチ(株)《FA》

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