グロース株への見直し買いが強まる可能性/東京株オープニングコメント

2021年8月24日 08:19

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:19JST グロース株への見直し買いが強まる可能性
 24日の日本株市場は、買い先行後は強弱感が対立しやすいだろう。23日の米国市場ではNYダウが215ドル高だった。食品医薬品局(FDA)が国内で初めてファイザー・独ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンを正式承認したため、コロナ感染拡大への懸念が後退した。また、連邦準備制度理事会(FRB)の経済シンポジウムが対面形式からオンライン形式に変更されたことを受けて、この会合でパウエル議長が緩和縮小計画を発表するとの警戒感が後退したことも支援材料となったようだ。シカゴ日経225先物清算値は大阪比80円高の27600円。円相場は1ドル109円60銭台で推移。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになろう。日経平均は前日の上昇で節目の27500円を回復しており、いったんはリバウンド一巡感も意識される可能性もありそうだ。25日線は27686円辺りに位置していることもあり、同水準を捉えてくるかが注目されよう。同水準をクリアしてくるようだと、ショートカバーを交えたリバウンドが意識されてくる。

 一方で、ファイザー・独ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンの正式承認については昨日の段階で織り込まれており、反応は限られやすい。国内では緊急事態宣言の対象地域の拡大が見込まれているほか、政権運営への不透明感もくすぶる。日経平均の25日線レベル接近では利益確定の動きが強まりやすいところだろう。もっとも、ナスダックの高値更新のほか、SOX指数の上昇の流れを受けて、グロース株への見直し買いが強まる可能性はありそうだ。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い動きにより、日経平均をけん引してくる展開も期待されるところではある。

 物色の流れとしては薄商いのなかではインデックスに絡んだ売買に振らされやすいところであろうが、足元でリバウンド機運が高まってきていることを背景に、調整が目立っていたマザーズ銘柄などへの物色が意識されてきそうだ。そのほか、政権運営への不透明感が高まる一方で、経済対策への期待も高まりやすく、コロナ対策や脱炭素などのテーマ株への物色も強まりそうである。《AK》

関連記事