玉井商船、グレイス、エンビプロHDなど/本日の注目個別銘柄

2021年8月12日 15:57

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記事提供元:フィスコ


<6330> 洋エンジ 874 +94急伸で年初来高値。後場から急伸する展開に。前引け後に第1四半期決算を発表、営業利益は18.2億円で前年同期比3.2倍と急拡大している。通期予想25億円、前期比54.7%増に対する進捗率も73%に達している。複数の国内バイオマス発電所、ナイジェリア向け化学肥料プラント、ロシア向け石油化学プラントなどが順調に進捗したもよう。受注高も前年同期比2.1倍へ拡大、通期業績の上振れが意識される形に。

<2579> コカBJH 1579 -282急落。前日に上半期の決算を発表、事業損益は148億円の赤字で前年同期比74億円の損益悪化、4-6月期も事業損益は赤字継続となっており、収益回復が想定より鈍いとの見方につながっている。マーケットの回復の遅れ、コンビニなどの価格競争激化が影響しているとみられる。また、通期予想も引き続き未公表となっており、悪材料出尽くし感も強まりにくい状況のようだ。

<6541> グレイス 971 -300急落でストップ安。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は1.1億円で前年同期単独比48.9%減益となっている。HOTARU連結効果で売上水準は膨らんでいるものの、コロナ禍による営業活動の制約、顧客の費用抑制などによりe-manual導入コンサルティング案件の獲得が低調で、MMS事業が大幅減収となっている。ここまで高い利益成長が続いていた中、想定外の大幅減益決算にネガティブなインパクトが先行。

<5698> エンビプロHD 1498 +249急騰。前日に21年6月期の決算を発表、営業利益は21.3億円で前期比2.7倍となり、第3四半期決算時に大幅上方修正した数値の19.2億円を上回る着地に。22年6月期も23.9億円で同12.2%増と2ケタ増益を計画している。金属スクラップ、廃電池などの取扱量の増加を予想している。年間配当金も前期比8円増配となる33円を計画。想定以上の好業績推移をストレートにポジティブする流れに。

<6254> 野村マイクロ 4935 +700急伸でストップ高。4月の年初来高値を一気に更新している。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は8.8億円で前年同期比3.2倍の水準に拡大している。半導体関連企業からの水処理装置の受注が大幅に増加しているほか、一部の大型水処理装置案件の原価低減なども奏効したようだ。上半期計画11.3億円、同29.1%減は据え置いているが、大幅な上振れが想定される状況に。中間期末の記念配当10円実施も発表。

<3659> ネクソン 2210 +69切り返して大幅続伸。前日に第2四半期決算を発表、4-6月期営業利益は154億円で前年同期比42.3%減益、120-163億円の予想レンジやや上方での着地に。一方、7-9月期予想レンジは200-253億円としており減益基調が続く見通し、市場予想も下回る水準となっている。ただ、懸念が続いていた中国事業に関して、売上回復への見通しなどが示されていることもあって、当面の悪材料出尽くし感が優勢にも。

<4755> 楽天グループ 1257 -86大幅続落。前日に上半期決算を発表、営業損益は1008億円の赤字、第1四半期373億円の赤字に対して4-6月期は635億円の赤字となっている。基地局投資への負担増によって、モバイル事業の赤字が拡大へ。赤字幅拡大に大きなサプライズはなく、インターネットサービス事業やフィンテック事業も順調な拡大となっているが、先週にかけて上昇の反動もあり、戻り売り優勢の流れにつながっている。

<9127> 玉井商船 1529 +300ストップ高比例配分。大手海運株の大幅上方修正などが刺激となり、足元で人気化していたが、前日に業績予想の上方修正を発表、一段と買い人気が強まる形になった。第1四半期営業利益は3.7億円となり、従来の上半期計画2.3億円を大きく超過する格好に。つれて、上半期計画は7.2億円にまで引き上げ、通期予想は2億円から10.4億円にまで上方修正。ドライバルク市況の想定以上の好調推移などが背景。

<4324> 電通グループ 4285 +205大幅続伸。前日に第2四半期決算を発表、営業利益は555億円で前年同期比13.7倍となった。一時的な要因を除外した調整後営業利益も266億円で同71.6%増と大幅増益。これまで未公表であった通期計画も公表、営業利益は2096億円としており、1300-1400億円レベルのコンセンサスを上振れ。世界的な広告需要の反動増に加えて、事業構造改革進捗の効果なども顕在化しているようだ。

<6273> SMC 73070 +2630大幅続伸。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は574億円で前年同期比63.8%増となり、通期予想は従来の1730億円から2000億円にまで上方修正した。通期予想は1900億円程度の市場コンセンサスも上回る。半導体関連向けを筆頭に、自動車、工作機械向けなどが伸びたようだ。第1四半期実績からは、上方修正水準も依然として保守的とみられ、想定以上の収益拡大を積極的に評価する動きが優勢に。《ST》

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