三洋貿易は21年9月期3Q累計大幅増益、通期は再上振れの可能性

2021年8月10日 08:45

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(決算速報)  三洋貿易<3176>(東1)は自動車向けゴム・化学関連商品やシート部品などを主力とする専門商社で、バイオマスなど再生エネルギー関連への取り組みも強化している。8月6日の取引時間終了後に21年9月期第3四半期累計連結業績を発表した。自動車関連を中心に需要が好調に推移して大幅増収増益だった。通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。株価は6月の年初来高値圏から反落したが、利益確定売り一巡感を強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■21年9月期3Q累計大幅増収増益、通期据え置きだが再上振れの可能性

 21年9月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比19.3%増の684億25百万円、営業利益が33.0%増の50億83百万円、経常利益が33.8%増の56億28百万円、親会社株主帰属四半期純利益が38.3%増の37億91百万円だった。自動車関連を中心に需要が好調に推移して大幅増収増益だった。

 化成品は8.2%増収で45.7%営業増益だった。ゴム関連商品は供給ひっ迫と価格高騰が深刻化したが、自動車をはじめ全ての産業向けで需要が拡大した。化学品関連商品はUVインキ原材料などが好調だった。利益面では16年に買収したソートののれん償却終了も寄与した。

 機械資材は15.2%増収で29.1%営業増益だった。産業資材関連は主力の自動車向けシート周辺部材が好調だった。機械・環境関連商品は北海道当別町の大型バイオマス案件が実現した。科学機器関連商品は粒子分散および耐候性試験機が堅調だった。

 海外現地法人は45.4%増収で38.0%営業増益だった。米国は中国製自動車部品の追加関税や販管費増加で微増益にとどまったが、中国(上海)で自動車部品が大幅伸長した。タイやベトナムも順調だった。なおインドネシアの子会社を第1四半期から新規連結している。

 四半期別に見ると第1四半期は売上高216億09百万円で営業利益17億21百万円、第2四半期は売上高239億16百万円で営業利益19億13百万円、第3四半期は売上高229億円で営業利益14億49百万円だった。

 通期の連結業績予想(5月11日に売上高、利益とも上方修正)は据え置いて、売上高が20年9月期比15.7%増の880億円、営業利益が25.2%増の60億円、経常利益が19.5%増の63億円、親会社株主帰属当期純利益が39.4%増の42億円としている。配当予想(5月11日に上方修正)も据え置いて20年9月期比50銭増配の38円(第2四半期末19円、期末19円)としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が77.8%、営業利益が84.7%、経常利益が89.3%、当期純利益が90.3%と高水準である。不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが再上振れの可能性が高いだろう。収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は6月の年初来高値圏から反落したが、利益確定売り一巡感を強めている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。8月6日の終値は1231円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS146円59銭で算出)は約8倍、時価総額は約357億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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