H2O、関西のスーパー・万代と業務提携 共同調達やPB共同開発へ

2021年7月31日 07:21

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 阪急阪神百貨店を傘下に持つH2Oリテイリングは、大阪市生野区に本店を置き、関西で店舗展開するスーパーの万代と包括業務提携で基本合意した。コロナ禍で百貨店事業の先行きが見えなくなる中、スーパー事業を新たな柱に育てることが狙いで、共同調達やプライベートブランドの共同開発などで万代と連携する。

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 H2Oリテイリングと万代が締結した基本合意書では、共同調達やプライベートブランドの共同開発に加え、物流機能の相互活用、ITシステム、ポイントシステムの共同開発、脱炭素への共同取り組みなどを協議内容として掲げた。協議が整えば、必要に応じて提携する分野ごとに個別契約を結ぶ。

 H2Oリテイリングは百貨店以外に、「阪急オアシス」、「イズミヤ」、「カナート」というスーパーを関西で計178店運営している。2021年度から2023年度の中期経営計画では、スーパー各社の運営機能を統合し、チェーンオペレーションを再構築することにより、スーパーはグループ第2の柱に育てるとしている。

 万代との包括業務提携はこれを推進するための策で、両社が持つスーパー運営の強みと事業規模を生かし、収益性、関西での競争力を高める。

 万代は1962年の設立。大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、三重県で156店を展開し、2021年2月期の売上は約3,800億円に達する。両社の提携で334店、年間売上約6,700億円の巨大スーパーグループが関西に出現することになる。

 スーパー業界はコロナ禍でも比較的好調に推移しているが、ドラッグストアやコンビニ、インターネット通販などとの競争が激化している。H2Oリテイリングはこのスケールメリットを生かして関西で確固たる地位を築き、競争を勝ち抜こうと考えている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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