日本電産の株価反応から考える投資戦略/後場の投資戦略

2021年7月26日 12:16

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記事提供元:フィスコ


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27931.78;+383.78TOPIX;1931.04;+26.63


[後場の投資戦略]

 連休明けの日経平均は依然上値の重い展開が継続。最高値更新を続ける欧米市場とは反対に上値切り下げを続ける日本株の独歩安の動きは今年2月下旬からのことで、週明けの戻りの鈍さはある程度想定していたが、28000円すらも維持できない動きを見て改めて弱さを感じる。

 先日の安川電機<6506>の決算後の動きに続き、本日の日本電産の動きを見ても、当面日本株の上値は重いと想定しておいた方がよいだろう。日本電産の決算は完璧とはいえないものの、総じて良い内容だった。前四半期比で減収減益となった精密小型モータや車載向けも部材ひっ迫によるところが大きく、ネガティブ視する必要はなさそうなうえ、前回の本決算発表以降、株価は長らく調整していただけに、見直し買いが入ってもおかしくはなかった。前回決算発表時と同様、大きく積み上がったままの信用買い残が示す期待値の高さを超えることができなかったということか。

 東京五輪が開幕され、今のところは感染者数が急増することもなく、大会は順調に進捗している。日本人のメダル獲得もすでに多く報告されており、明るいニュースも増えてきている。しかし、ワクチン接種のスピードが減速しているなかでの今後の新型コロナウイルスの感染動向など不透明要素は依然くすぶったままだ。

 今週からは日本企業でも4-6月期決算発表がいよいよ本格化するが、製造業については、先んじて発表されている安川電機、日本電産の株価反応を見る限り、なかなか先回り買いは期待しづらいだろう。27日からは米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれることもあり、当面はこれまで通り、様子見ムードが継続しそうだ。

 こうした中、投資家は決算を見極めたうえでの個別株物色に専念するしかないだろう。その際には、市場の期待値が高すぎないもの、それを示唆している信用残の動向なども参考に銘柄選びをするとよいかもしれない。また、本当に申し分ない良い決算を発表した銘柄は発表後のエントリーでも十分にリターンを取れるチャンスがある。地合いがそこまで良くないなか、無理に先回り買いをせず、決算内容を精査したうえで発表後にエントリーすることも一考に値しよう。また、その場合には、株価が急伸してはじまった寄り付き直後にまとめて買うよりは、引けまでの騰勢を確認しつつ分散して投資する戦略が奏功しやすいだろう。《AK》

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